【犬飼いTIPS】子犬の目はいつ開きますか? ブリーダーが注意すべきこと
子犬は目を閉じた状態で生まれてきます。生まれたばかりの子犬が目を開けるには、一般的に10~14日、はっきりと見えるようになるまでにはもっと長い時間がかかります。今回は、子犬の目の発達についてのお話です。
子犬の目はすぐには開かない
人間の赤ちゃんとは異なり、子犬は生まれてすぐに目を開けるわけではありません。生まれたばかりの子犬はあまり動かず、ほとんどの時間を寝て過ごし、母乳を飲むだけなので、すぐに視力が必要になるわけではありません。
生まれたばかりの子犬が目を開けるには、一般的に10~14日かかります。犬種によっては、もっと長くかかることもあります。ほとんどの子犬は、数日かけて片目ずつ開いていきます。
子犬の準備が整う前に目を開けてはいけません。自然の流れに任せ、気長に待ちます。無理に開眼させようとすると、子犬の視力を損なう可能性があるからです。
生まれたての子犬に見えるもの
生まれたばかりの子犬が目を開ける時期は、生後2~3週目にかけての移行期と呼ばれる期間です。しかし、目が開いたからといって、すぐにいろいろなものを見ることができる訳ではありません。
子犬が初めて目を開けたときは、あまりピントが合わず、ぼやけてうっすらと見えている状態です。そして、明るい光には耐えられません。
そのため、健全なブリーダーは、この時期の子犬の目を保護するために薄暗い場所で育てます。けっして直射日光の当たる場所には連れて行くことはしません。
子犬の目はどのように発達するの?
子犬の目は、最初は乳白色で灰色がかった青色をしていますが、時間が経つにつれてキレイになっていきます。子犬の目は、生後4〜5週間を経ないと本当の意味で成熟しません。じつは、子犬は耳が聞こえるようになる前に目が見えるようになるのです(耳が開くのは18~20日頃)。
子犬の目が成熟し始めると、反射層(タペタム・ルシダム)が発達してきます。これは網膜の後ろにある細胞層で、夜間視力を高めるのに役立ちます。カメラのフラッシュでペットを撮影すると、目が緑色に光るのもこのためです。
新生児眼炎に注意
子犬は、まぶたと眼球の内側の粘膜である結膜や、眼球の前面の透明な膜である角膜に感染することがあります。感染症は通常、上下のまぶたが離れて開いた後、生後10~14日頃に起こります。
多くの場合、感染源は出産時に感染する膣分泌物ですが、不衛生な環境でも新生児に感染することがあります。子犬の感染症は、通常、ブドウ球菌属の細菌、またはレンサ球菌属の細菌が原因です。このような感染症を放置しておくと、失明に至ることもあります。
目の充血や膿のような目やになど分泌物が多かったり、分泌物が乾燥してかさぶた状になり上まぶたと下まぶたがくっついていて開かないなどの症状が見られた際は、むりやり目を開けたり、洗浄せずに、動物病院で診察を受けます。
まとめ
このように体の成長が著しい時期には、感染症を防ぐために、子犬の環境を清潔に保つことがより重要になります。この重要な時期に結膜炎になることは、子犬にとってもっとも避けたいことです。
目の細菌感染症には伝染性が高いものがあるため、感染していない同腹の子犬が感染しないようにする必要があります。感染した子犬を隔離する必要があるかどうかについては、獣医師の指示に従います。
ただし、必要な場合を除き、なるべく隔離しないようにします。子犬の社会的および身体的発達には、母親や兄弟姉妹と一緒にいることが重要というのは、健全なブリーダーにとって周知の事実なのです。