飼い主の半数超は「やりたくない」…それでも犬猫へのマイクロチップ埋め込みが義務化されるワケ

飼い主の半数超は「やりたくない」…それでも犬猫へのマイクロチップ埋め込みが義務化されるワケ

先行する海外では義務化に違反すると罰金も

PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) | 2022/04/02

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このコーナーでは、注目ニュースに対する編集部や識者のコメントを紹介します。

本年6月から、販売する子犬や子猫へのマイクロチップの装着が義務化されます。ペットショップやブリーダーから迎えた子犬や子猫には、マイクロチップがすでに装着されていることになります。

2019年の法改正以降から啓蒙活動がされているものの、マイクロチップに対しての理解が進んでいるとは言い切れない部分があります。すでに欧米のいくつかの国では、すべての犬や猫へのマイクロチップの装着が義務化されてます。マイクロチップを装着していれば所有者を特定することができるので、何らかの原因でペットとはぐれてしまっても、飼い主の元に戻れるというメリットがあるのです。

日本では、遺棄などへの抑止効果を期待する声もありますが、装着の最大の目的は「万が一のときに再会できる可能性を高める」ことにあります。災害の多い日本においては、そのメリットは大きいといえます。

しかし、このマイクロチップは装着後にきちんと登録をしなければ、なんの意味もなさないのです。また、子犬や子猫を迎えた際のマイクロチップの情報は、ブリーダーもしくはペットショップの登録情報なので、飼い主が変更をしなければなりません。

そして、すでに登録している場合でも注意が必要です。これまで日本獣医師会(AIPO)で登録したデータは、新しく環境省データベースに登録し直さなければなりません。今年の5月中であれば無料で移行することができます。忘れずに移行することをオススメします。

また、海外から犬や猫を迎えたり、海外で飼った犬や猫を連れてきた場合も登録が必要になります。登録しないままでは、日本にそのデータがないのでマイクロチップを装着していても意味をなしません。特にブリーダーなどは海外から新しい犬や猫を迎えることも多いので、注意が必要になります。

この記事にもあるように、すでにマイクロチップの有効性や安全性は欧米でも実証済みです。また、最近ではさらに小型化したモデルや、低痛バックカット針を採用したインジェクターも登場するなど、動物にも配慮されています。

これらのメリットを広く浸透させるには、動物病院にポスターを貼るだけでなく、もっと積極的な啓蒙活動が必要だと考えます。日本獣医師会が率先して獣医師に働きかけ、マイクロチップについての正しい情報を飼い主に提供し、そのうえで装着を促すことが必要なのではないでしょうか。