【猫飼いTIPS】猫がうつ病になることってあるの?

うつ病の人は悲しい気持ちが持続し、人生に興味を持てなくなります。猫の場合、悲しいという気持ちでいるかどうかを知ることはできませんが、行動を観察することで、生活に興味がなく、うつ病を患っている可能性があるかどうかを判断することは可能です。今回は、猫の精神状態を理解するために役立つ情報と注意すべきサインのお話です。

猫はうつ病になるの?

猫はうつ病になることがあります。猫のうつ病のサインにつながる状況としては、以下のようなものが考えられます。

家族構成の変化
猫はもともと孤独な存在だと考えている人がまだまだ多いようです。しかし、猫はその経験や生活環境によって、多かれ少なかれ社会性を持ち、人と同じように喪失感や悲しみを経験することがあります。例えば、家族が家を出て行ったり亡くなったりしたとき、家族の一員である猫も喪失感を味わうことになります。また、同居する猫や犬がいなくなったり亡くなったりしても、猫が悲しむことは珍しくありません。

引っ越し
現在の生活環境から新しいものに変わることは、ペットにとっても保護者にとってもストレスになります。引っ越しのストレスはもちろんですが、広い家から狭い家やマンションに引っ越すと、猫が探索できるスペースが減り、活動量が制限され、うつ状態になる可能性があります。

生活パターンの変化
不在の時間が長くなるなど生活スタイルが変化すると、猫の精神状態に影響が出ることがあります。また、あなたが旅行に出かけ、猫をペットシッターやホテルに預けたりした場合、猫はあなたが戻ってくることを知る由もないので、うつ状態になることもあります。

体調の変化
活発な猫が関節炎を発症し、ソファやベッド、窓際の快適な場所に飛び移れなくなると、憂鬱になり、豊かさが失われることにつながります。その結果、猫が落ち込んでしまうことがあります。また、手足は目の機能が低下したり失われた場合、それは猫がどのように移動するかに完全に影響します。一部の猫はうまく適応するかもしれませんが、高齢の猫であれば適応に時間がかかり、落ち込んでしまうこともあります。

うつ病のサインとは?

うつ病の猫のなかには、行動に明らかな変化を示すものもいれば、微妙なサインを示すものもいるので、注意深く観察する必要があります。うつ病の猫には、以下のような症状が見られます。

・食欲不振
・おもちゃに興味を示さなくなる
・家族との交流が少なくなる
・鳴くことが多くなる
・外出への関心が低下する(屋外アクセスが許可されている場合)
・睡眠時間の増加
・毛づくろいの時間が減った
・トイレでの排尿回数が増えた
・トイレ以外で排泄する


これらの兆候のいくつかは、猫が健康上の問題を抱えている場合にも見られることがあります。猫は、小さな生き物は捕食しますが、大きな捕食者の餌食になります。獲物を捕食する動物である猫は、どんな体調不良の兆候も実にうまく隠すことを学んできました。したがって、つねに獣医師の診察を受け、診断テストを行い、基礎的な医学的問題を除外することが重要です。

うつ病を改善するには

猫のうつ病は、全体的な活動量の減少によって反映される心の状態であることを忘れないでください。あなたの猫は、かつて楽しんでいた活動に参加しなくなり、寝ることが多くなっています。猫がうつ病になることはありますが、猫が精神的に健康になるためにできることはたくさんあります。

【愛猫との時間を大切にする】
落ち込んでいる猫を助けるには、一緒に過ごす時間を増やすとよいでしょう。一緒に座って撫でてあげるだけで、落ち込んでいる猫は癒されます。耳を撫でたり、顔の横やあごの下を掻いたり、ブラッシングしてもらったりすると喜ぶでしょう。

【新しいおもちゃや遊びを取り入れる】
愛猫により多く活動する機会をつくってあげます。大きさや質感、色の異なる新しいおもちゃを与えたり、音を発したりランダムに動くおもちゃで、再び遊ぶことに興味を持たせるようにすることもできます。また、おやつを入れた知育トイを活用することもできます。

【新しいタイプのフードを与える】
猫によっては、いろいろなフレーバーのフードを与えることで、食に興味を示すことがあります。また、ボイルドチキンやローストチキン、ヨーグルト、チーズなど、人間の食べ物にも興味を示すことがあります。また、肉を使った離乳食によく反応する猫もいます。猫に人間の食べ物を与える前に、獣医さんにフードの種類と量をOKしてもらいましょう。

【心を落ち着かせる音楽を再生する】
ネットを検索するとたくさんのペットミュージックが見つかります。なかには科学的に実証された「Music for Cats」というCDもあります。猫の鳴き声や喉を鳴らしている音など猫に聞こえる周波数の音をベースにした、猫のためにつくられた癒し系の音楽が収録されており、喜んでくれるかもしれません。

【サプリメントを試す】
猫の脳内のセロトニンを増加させ、うつ病に対処するために、L-テアニンとL-トリプトファンを含む天然のサプリメントがあります。心身をリラックスさせて、ゆったり落ち着いた気分にさせる働きがあるとされています。L-トリプトファンは、“幸せホルモン” セロトニンの材料にもなります。

【フェロモンや爽やかな香りを利用する】
猫フェロモンには、猫を落ち着かせる効果があるといわれています。また、キャットニップやローズマリーなど、さまざまな香りを与えて、猫の感覚を目覚めさせるのもよいでしょう。

【ほかの猫を飼うことを検討する】
ほかの猫とのコミュニケーションを楽しむのが好きな猫もいます。ただし、その際にはいきなり対面させるのではなく、しばらくはケージ越しなどでお互いを慣れさせることが必要です。もしかしたら、先住猫は亡くなった同居猫の代わりを望んでいないかもしれません。

まとめ

室内飼育の猫はつねに目を配ることができるので、落ち込んでいるかどうかを判断しやすいと思います。もし、うつ病の兆候が見られた場合は、前述の方法を試してください。

猫は群れをつくらない孤独な生き物だと思われがちですが、現代の飼育環境においては同居猫や飼い主への依存度は高くなります。日常が戻りつつあり外出する時間も増えている今だからこそ、毎日短時間でもいいのでコミュニケーションしてあげましょう。

そうすることで、きっと彼らは心身ともに健康でいられ、ともに幸せな生活が遅れることでしょう。