麻酔をかけてスケーリングした後に何もしないとどうなるか?

歯磨きをしないとダメなことは理解できるけど、「うちの子、歯みがきをさせないんです」「噛み付いてくるんです」「歯ブラシを持つとサッと逃げるんです」とか、いろいろな理由で “結局何もしない組” に入会することになり、動物病院ではおニャン子クラブじゃないけど “うしろゆびさされ組” になります。

“結局何もしない組” になるとどうなるのか?という答えとなるドストライクな研究があります。まず、歯石が溜まっている12頭の犬を以下の3つのグループに分けます。

①スケーリング後に何もしない
②スケーリング後に1日1回歯みがきをする
③スケーリング後に1日1回歯磨き粉だけを塗る

8週間後に口腔内細菌の数を比較したら、スケーリング後に何もしないと約1週間でスケーリング前と同じくらいまで口腔内細菌がドバッと増加することがわかりました。つまり、仮に全身麻酔をしてスケーリングをして歯がピカピカになったとしても、その後何もしなければ麻酔をかける前の元の状態に戻りますってこと。

したがって、スケーリング後にはアフターケアが何より大切です!

ヒトでは口腔内細菌(特にミュータンス菌)が、脳内出血や脳卒中に関連する可能性もわかってきました。ペットでも同様のことが起こる可能性は高いといえます。

口腔内細菌を抗菌剤を使った殺菌するのではなく、有効性が明らかなエリスリトールを使った静菌アプローチが “うしろゆびさされ組” から脱退する手段のひとつかもしれません。