羽が生えたように軽い「トルネオS」~猫飼いさんは必須! 犬飼いさんはカップの毛詰まりとさようなら!
ワンちゃんやニャンコ用の掃除機として、これまで筆者がオススメしてきた東芝の掃除機に、2021年に入ってラインアップが追加された。東芝のスティック掃除機といえば、赤がトレードマークの「トルネオVコードレス」がメインだった。吸引力と重さ、静かさと操作性すべてがバランスよく、他社がパワー重視と軽さ重視の2モデルを投入しなければならなかったところを、バランスのよい東芝はトルネオVシリーズ1本で対応していた。
新たにハイグレードモデルと軽量モデルが追加
そこに投入された新モデルは、さらにパワーを重視しヘッドのブラシをダブル化して、ラグや絨毯などの奥に入ったゴミも吸い取るハイグレードモデルの「トルネオVコードレス(VC-CL3000X)」。
さらに同時リリースされたのが、今回の本命!「トルネオSコードレス(VC-CLS1)」だ。最初は筆者も甘く見ていた「トルネオS」だが使ってみるとイイ! すごくイイ! 軽いスティック掃除機は数あれど、「軽いけど○○」というように、軽さのために失う代償があった。しかし、これまで「バランスのいいトルネオ」をつくり続けた東芝らしく、軽さの代償となる機能がほとんどない。否! ないといってもいいほどだ。そう、性能のバランスを保ちながら軽量化されたのが「トルネオS」なのだ。
【結論】猫飼いさんは「トルネオS」一択!
家電ライターたるもの、こんな機能が、あんな機能が、こんなに便利で、「だから○○○な人にオススメ」と結論付けるべき。しかし、この「トルネオS」は、結論ありきではじめよう。
猫を飼ってる方は、「トルネオS」一択で、迷う余地ナシ!
ウチは犬と猫を飼っているのだが、「トルネオS」はとくにニャンコ向け。まずはその軽さ。なんと1.2㎏しかないのだ。じつは2021年4月時点で一番軽い掃除機は1.1㎏なのだが、軽さを重視しすぎてデザイン的にちょっとアレ……。押入れや脱衣所に隠したい掃除機になってしまった。
しかし、「トルネオS」は軽さを重視しているのに、デザインのかなめとなる延長管を、軽いプラスチックでなく、丈夫なアルミ製にしている。だからこれまでのトルネオと同様、居間に置いてあってもサマになる! とにかくバランスのよさを追求する東芝だけに、デザインと軽さとスリムさのバランスがちょうどいいのだ。
そして、その軽さは舞い散る猫の毛を吸い取るのに都合がいい。春秋は、気持ちいい外の風を入れるのにサッシを開けておく家庭も多いだろう。でも猫飼いさんが困るのは、部屋中を漂う「ニャンコの毛」。ごはんを食べていると、おかずに1本「はらり」と乗ってる猫の毛(笑)。テレビを見ていると、目の前をふわりと漂う毛。吸い込んじゃうと、猫アレルギーじゃないのに「へっくション!」。
夏冬はサッシを閉めていても、エアコンやストーブ、空気清浄機やサーキュレーターで、毛がフワフワ。高いところにあるエアコンのフィルターを指で擦ってホコリを集めると……「あれ? 猫の毛と同じ色のホコリ!」なのだ。もう「猫飼いさんあるある」のオンパレード。
「トルネオS」の軽さは、とにかく高いところにたまっているネコの毛を吸い取るのに、メッチャクチャ便利! エアコンだけじゃなく、家具やローボード、カーテンレールのホコリや毛を吸うのも楽チン。「え!? 1.2kgを持ったら手首が痛いでしょ?」と疑う方も多いはず。ぜひ家電量販店に行って、その軽さを試してみてしほい。持った瞬間に出る言葉は「軽っ!」に違いない。決してボクが、大げさに軽さを誇張していないことがわかるはずだ。
さらに、猫飼いさんが大変なのは、部屋に散らばる猫砂の処理。ドームつきのトイレなのになんで? というぐらい散らばる猫砂。ドームなしトイレだと「コイツわざと散らかしてネ?」というほど撒き散らかしてくれる。
そんな毎日の猫砂掃除も吸引力があるので、絨毯でもフローリングの上でも、ひと粒残らずに吸い込んでくれる。もっと重いフードやペレット状のネコ砂もバリバリ吸い込む吸引力。これが“猫飼いさんは「トルネオS」一択”という理由だ。
コンパクトなのに運転音が静かでキンキンしない掃除機
さて、「猫飼いさんにオススメ」としたが、もちろん猫専用じゃない。ワンちゃんもさることながら、ペットを飼っていないご家庭でもフローリングなら十分に使える。ひとり暮らしなら「トルネオS」が1台でこと足りてしまうだろう。なぜなら「バランスがいい」から。
現在発売中の掃除機は、冒頭でもご紹介したとおり、吸引力重視と軽量化重視の2大派閥に分断。吸引力重視派は、コンセントから電源をとる床置きのキャニスター型からの買い替え需要がメイン。主に床全体に絨毯やラグを敷いているご家庭向けの掃除機といってもいい。
一方で、軽量派はスティック掃除機の買い替え需要がメイン。「前の掃除機がちょっと重い」「電池の寿命ついでに買い替え」という方が多い。こちらはフローリングに何も敷いていない、もしくは一部だけ敷いているというご家庭向きの掃除機だ。
実はここに「住まいの床」に関するアンケート結果がある。とあるリサーチ会社が2017年にインターネットで1万人以上に行ったアンケート結果だ。なんとフローリングのご家庭が75%とダントツ! カーペットのご家庭もそこそこあるのかと思いきや、いまではほとんど見ない畳部屋の13%の半分に満たない6%しかいないのだ。
このような住宅事情もあり、吸引力より軽さに振った掃除機を各社がリリースしている。「軽量化」するためにメーカーが取る手段は、だいたい以下のような感じだ。
● モーターの小型化
● 金属部品のプラスチック樹脂化
● 本体そのものを軽量化(ケースを薄くするなど)
単純にモーターを小型軽量化をすると吸引力が落ちてしまう。そのためフローリングといえど、一部に敷いてあるラグやキッチンマットなどを掃除するには一時的にパワーが欲しい。だから吸引力を補うためにモーターの回転数を上げる。つまり小型モーターを速く回すことでパワーを稼ぐのだ。
一般的なご家庭なら回転数が上がっても問題ない。でもペットのいるお家は、掃除機の出すキーン! という高音をペットが怖がってしまうのだ。これは筆者の持論だが、カタログなどで回転数を謳う掃除機はペットに嫌われる。
また、硬い金属部品から柔らかいプラスチックに変えると、ヘッドのプラシや吸引モーターがごくわずかだが振動し、動作音がうるさくなる。ペットが怖がる高音ではないが、人間にとって「なんかこの掃除機うるさいぞ……」なのだ。
最後の本体の軽量化は、デザインとガタツキと運転音を大きく左右する。軽量のスティック掃除機に買い換えたことがある人なら、どれも「あるある事例」だろう。しかし、つねに開発において「バランス」を考える東芝がつくった「トルネオS」は違う。
同時リリースのハイグレードモデルはもちろん、静かさで定評の以前の「トルネオV」より「トルネオS」の動作音は静かなぐらいだ。モーターの音もそれほど高音ではなく、ヘッドのブラシ回転音も静かなのにびっくりする。一番軽い掃除機より100g重いのは、こうした運転音をはじめとした性能のバランスを考えたうえで、どうしても削れない100gだったに違いない。
ダストカップの「ゴミ詰まり」なし! 驚異的に捨てやすい毛綿ゴミ!
これまで猫飼いさんにオススメしてきた「トルネオS」。さほど空中に毛が舞わない犬飼いさんも超欲しくなるのが、ゴミ捨ての簡単さ。ワンちゃんニャンコ問わず、ペットと一緒に暮らす人が掃除機で必ず直面する問題が「カップに詰った毛が取れない!」件。
とくに毛の生え変わるシーズンに掃除機をかけると、スティックに限らずほとんどの掃除機に起こる問題。カップに溜まったフワフワの毛を捨てようとしても、まるで充填豆腐がケースから落ちないかのごとく、カップを振っても叩いても毛が捨てられない。仕方がないので指でつまみ出してみると、今度はカップの奥で毛が引っかかったまま。挙句の果ては割り箸でつまみ出すなんてことになる。大きくうなづいている方も多いことだろう。
しかし、トルネオシリーズは昔からゴミを圧縮する機能を持っている。もちろん「トルネオS」も、吸ったほこりなどを1/3程度まで圧縮してくれる。じつは「ペットの毛がカップから落ちない問題」の解決策がコレ!
ペットの毛を吸い込むと、ダストカップ下部にある圧縮機構とサイクロンの強力に回転する風で、みるみるボールのように丸くひと塊になる。そう、北海道は阿寒湖で有名な「マリモ」と同じように、かわいいまん丸のボール状になる。また、ダストカップには静電気が起きない加工がされているので、カップを外してゴミ箱の上で傾ければ、コロンとゴミが捨てられる。これ超! 便利! ホントに。
もう、指もお箸も使わなくてもゴミ捨てOK! 換毛期は毎日のようにカップの毛と戦っている方は、大喜びするはずだ。
きわキワもしっかり吸い込めて猫砂もばっちり
ここまで毛についてばかり言及してきたが、猫砂などの粒子ゴミやホコリもシッカリ吸引できる。部屋全面がカーペットやラグを敷いてある場合は別として、フローリングなら壁の際の際までしっかり吸い込める。
ヘッドには電動式のブラシを搭載しているので、フローリングのすき間に入ったゴミも掻き出し、ヘッドの移動もラクラク。ただし、ヘッドの右側にモーターが入っているので、右サイドは2㎝ほど、ゴミが残ってしまう点に注意。
また、トルネオVではほとんど絡まなかったペットの毛だが、「トルネオS」ではブラシの素材が変更され、ちょっと毛が絡まりやすくなってしまった。しかし、絡まった毛を引っ張るだけでブラシから取れるので、ハサミやカッターを持ち出すほどではない。
また、スリムなのでソファの下などにもラクラク入り込める「床ピタ設計」。延長管を外せばハンディタイプとしても利用でき、粒の大きなフードなどを掃除する丸ブラシと、家具の間やテレビボードの掃除に便利なすき間ノズルもセットになっている。
電池の持ちはフル充電で、「標準」モードで約32分。ペットを家のなかに放し飼いにしていても、リビングから廊下、ときどきペットが入り込む寝室や子ども部屋を軽く掃除するぐらいなら十分の時間だ。ワンルームでひとり暮らしなら、フル充電で土日の大掃除でもこなせるはずだ。
コストパフォーマンス的に◎ こんなみなさんにオススメ!
軽くて静かでフローリングなら十分の吸引力を持つ「トルネオS」をオススメするのは、こんなみなさんだ。
▶ 猫飼いさん(~長毛種)
▶ 犬飼いさん(小型~中型犬)
▶ ワンルームのひとり暮らし
▶ 子どもがいない夫婦2人暮らし世帯
▶ 各部屋用または各階用の掃除機として
価格は変動するので「必ず」とはいえないが、他社製の同じ軽量スティックタイプの掃除機に比べると、価格的にもかなりリーズナブルになっている(2021年4月現在)。すでに3万円を切っているので、高性能でこの価格は「お買い得」の太鼓判を押したい!
なお、大型犬の長毛種だと「トルネオS」は少し小さいかもしれない。ゴールデン・レトリバーなどと一緒に暮らしている場合は、これまで筆者が愛用してきたミドルレンジの「トルネオV」をオススメする。
提供:東芝ライフスタイル
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