岩合 光昭さんの写真集『スタンド・バイ・ニャー』

辰巳出版は、日本を代表する動物写真家・岩合 光昭さんの写真集『スタンド・バイ・ニャー』を発売しました。

『スタンド・バイ・ニャー』表紙

本書の主役は、人に寄り添い、人とともに生きる、世界34カ国の猫たちです。国・地域・気候風土は違えど、変わらず人に寄り添い生きる猫たちの姿には驚きを感じます。また、文化や人種の違いを超えて、猫とともにある人々が見せる幸せそうな表情も印象的です。岩合さんが捉えた猫と人間の共生は、見る者の心を癒してくれるだけでなく、両者の深く普遍的な関係に気づかせてくれます。

ペルー・ティティカ湖

どの写真からも、ともに生きる人々に対する猫の信頼が伝わってきます。元気な子どもにはされるがままに、物静かなお年寄りの近くでは安らかに、まるで猫が人に呼吸を合わせているかのよう。同時にそうして人に寄り添う姿はとても自然体です。

さまざまな国や地域で、さまざまな文化のなかで生きる老若男女が登場します。共通するのは、猫を愛していること。猫といっしょだと、みんな穏やかで幸せそうです。人々の表情や写真全体に漂う平和な空気からは、国が違っても変わらぬ猫と人間の深い絆、人間が猫とともに生きることの意味を考えさせてくれます。

ブータン・イビサ村
ノルウェー・アルタ郊外

砂漠、湖、海岸、大都市……。本書では、5つの大陸を股にかけて撮影された多様な風景が楽しめ、世界一周旅行さながらの読後感が味わえます。印象に残るのは、どの国にも猫と人が平和に共生する日常風景です。失われつつある光景の美しさと尊さを、岩合さんのカメラは確かに捉えているのです。

イタリア・チンクエテッレ

本書の最後に岩合さんは「ネコはヒトと寄り添うことで生きることができるのです」と書いています。その言葉の意味を本書はやさしく理解させてくれることでしょう。

アラブ首長国連邦・ルブアルハリ砂漠

『スタンド・バイ・ニャー』
著者:岩合光昭
判型:B5変型判
定価:1600円(税別)
ISBN:978-4777825325