新型コロナウイルスについて
太鼓判ブリーダーが猫たちとの暮らしをご紹介。ほのぼのした日常やブリーダーならではの話など、いろいろな日常をお届けします。今回は、メインクーンのブリーダーCattery Amangroupの阪根美果さんです。
新型コロナウイルスの拡散防止を理由に、中国で村中の犬が撲殺されているというセンセーショナルな記事をイギリスのタブロイド紙『THE SUN』が伝えました。目にした方も多いのではないでしょうか。
中国国内では武漢封鎖や隔離措置などが行われていますが、動物たちに対しては、誤った方法がとられているそうです。一部の地域でペットが新型コロナウイルスを拡散すると信じられているため、犬や猫を捨てる飼い主や地域自治体が住民にペットを処分するように求めるところもあるそうです。それは先月末に一部の中国メディアが「動物がウイルスを拡散させる」といった報道をしたことが原因となっています。WHO(世界保健機関)の発表では新型コロナウイルスは動物に感染する証拠はないとされています。
先日、私は名古屋で開催されたTICAのキャットショーに参加しました。開始前の挨拶で、獣医師でもある服部ジャッジが新型コロナウイルスについてお話されました。WSAVA(世界小動物獣医師会)から声明が届いたそうで、その内容について伝えてくださいました。
「猫は猫腸コロナウイルスや猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIP)などに感染することが知られています。ただこれらはアルファコロナウイルス属であり、現在の新型コロナウイルスはベータ―コロナウイルスでありタイプが違います。現時点では猫が新型コロナウイルスに感染したという報告はありませんし、猫から人に感染したという報告もありません。ただし、まだ報告がないということであり、今後、研究が進んだら状況が変わるかもしれません」とのことでした。
いずれにしても、私たちは一部のマスコミ報道に踊らされることなく、正しい情報をしっかりとした機関より得ることが大切です。愛猫・愛犬のためにも冷静な判断をし、的確な対応をすることを心がけましょう。かけがえのない家族なのですから。
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