スレンダーボディと優美な身のこなしが印象的なイタリアングレイハウンド
ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “真の優良ブリーダー” です。
掲載基準はこちらからご覧いただけます。
犬種:イタリアングレイハウンド
犬舎名:IG Ippuku Kennel(アイジーイップク犬舎)
ブリーダー/動物取扱責任者名:萩原 京子
登録情報:第14-1-1(販売)
繁殖歴:8年
住所:千葉県船橋市海神
電話:090-1103-2333
メール:shop@ippuku.shop-pro.jp
Webサイト:https://ippuku.shop-pro.jp/
千葉県・船橋市の国道14号沿いにある「IG Ippuku Kennel(アイジーイップク犬舎)」。ここはサイトハウンドのなかでも小型犬であるイタリアングレイハウンドを繁殖する犬舎です。この犬種の繁殖を始めたのは約8年前。ペットとして飼い始めた女の子が頻繁に偽妊娠をするようになり、考えた末に子犬を産ませる決断をしたのです。
「当時は繁殖についての知識がなかったため、子犬を産ませるか、避妊手術をするかでとても悩みました。幸い親戚が動物病院の院長であり同じ犬種のブリーダーであったことから、不安に思うことを一つひとつ解決してもらいながら進んできました」と萩原ブリーダー。それ以来、つねに専門家に相談しながら二人三脚で取り組み、健全で魅力あふれる子犬の作出に力を注いでいます。「健康」と「社会性」を重要視しながら繁殖をしている、とても信頼のできるブリーダーです。
※サイトハウンドとは視覚狩猟犬を意味します。このグループの犬たちは、遠くまで見渡せるように体高が高く、視覚(サイト)で獲物を見つけ、その獲物が力尽きるまで追いかけることができる脚力を持っています。流線型の体は空気抵抗を少なくし、呼吸器の発達が顕著な厚みのある胸部は長距離を走り切ることを可能にしています。
イタリアングレイハウンドの特徴と魅力
イタリアングレイハウンドは、古代エジプトの時代から存在が確認されている長い歴史を持つ犬種です。小型のグレイハウンドが祖先と言われていますが、いつ、どの段階で小型化されたのかはわかっていません。ギリシャを経由してイタリアに渡り、ルネサンス期の貴族の宮廷でもっとも発展した犬種です。「イタリア・ルネッサンスの誇り」と言われ、その容姿は優美で気品が漂うと絶賛されました。
抜け毛が少なく、体臭もないのが特徴で、性格は温和です。遊ぶことが大好きで、飼い主への愛情が深い犬種です。体高は32~38cm程度、体重は5kg程度、四肢が細長く、スレンダーなのが特徴です。流線型のボディは惚れ惚れするほどです。また、ダブルサスペンションギャロップ(前足と後足をそろえて動かし、背中を使って走る歩様)を使って、すぐにトップスピードに乗り、最速のスピードで長時間走ることができます。
「わが家のイタリアングレイハウンドの魅力は、何と言っても社会性をきっちり身に付けていることです。私が考える社会性とは、犬が自分の立場を理解していること、飼い主に従順であることです。その部分を子犬に理解させてからお引渡しするので、当日からそこのおうちの飼い易い子になれるのです。容姿については目が大きくて愛らしい顔立ちでしょうか。よく褒めていただきます」と萩原ブリーダー。確かに、初めての人にも臆することなく積極的に挨拶してくれます。こぼれるくらいの大きな目を持つ愛らしい顔立ちは、ひと目で心を魅了する力を持っています。思わず目を留めてしまう魅力あふれる犬たちです。
飼育環境
一般家庭の中での繁殖で、犬たちが生活する場所は、主に10畳程度の2つの洋室です。犬たちが快適に過ごせるようにと全面リフォームをしています。ケージやクレートは使用せず、犬たちはそれらの部屋で自由にのびのびと過ごしています。エアコンは各部屋に設置されており、季節に応じて使用。乾燥しがちな時期は加湿器も稼働させています。
「床は取り外しが可能なクッションカーペットを敷いています。汚れたら部分的に取り外して洗えるので、つねに清潔な状態に保てます。防音効果はもちろんのこと、犬の足への負担も軽減できるので重宝しています。部屋の電源や配線もそのままでは犬に危険が生じるので、表に出ないように工事してもらいました。また、必要以上に物を置かなくて済むように、リフォームで収納を増やし、ほとんどの物をそこに片付けています。留守にするときにも犬たちにとって安全ですしね」と萩原ブリーダー。過度な消臭・除菌はしていないそうですが、嫌なニオイはまったくありません。犬にとって快適で安全な飼育環境といえ、犬に対する愛情が深く感じられる空間です。
ブリードの考え方
「まず、病気がなく健全であること。そして、徹底的に社会性を身に付けさせることを大切にしています」と萩原ブリーダー。犬質はもちろん、親犬の健康管理に留意しながら繁殖をしています。子犬は健全で、しっかりと社会性を身に付けてから飼い主に引き渡しをすることを心がけています。繁殖は外交配で、アウトブリードが中心です。体質も安定し、遺伝的疾患を引き継ぎにくい交配をしています。
※アウトブリード(異系交配)は、非常にかけ離れた血統間による交配を意味します。体質が安定し、タイプが改良されやすいのですが、どんなタイプの子犬が産まれるかわからないという短所があります。
遺伝的疾患についての対応
イタリアングレイハウンドの主な遺伝的疾患としてあげられるのは、PRA(進行性網膜萎縮症)で、網膜の委縮により視力が徐々に低下してしまう病気です。他の犬種にも見られる疾患ですが、幸い国内のイタリアングレイハウンドには蔓延はしていようです。そのほか、毛包の発育異常とメラニンの形成障害を特徴とするカラーミュータント脱毛症があります。ブルーやフォーンの被毛を持つ若年齢の犬が背中を中心に脱毛し、フケや毛穴の炎症が見られます。これらの遺伝性的疾患はDNA検査や発症した親犬を繁殖に使わないなど、ブリーダーの努力で排除していけるものです。
「わが家の繁殖で遺伝的疾患が出たことがないので、現在は特に検査などはしていません。ただ、外交配をする際にも、相手が健全であるかどうかをきちんと確認しています。アウトブリード(異種交配)を選んでいるのも、遺伝的疾患を継承することを防ぐ目的もあります」と萩原ブリーダー。
そのほか、かかりやすい病気としては、てんかん発作や甲状腺機能低下症などがあります。対応としては、この犬種のブリーダーでもある動物病院の院長に犬舎まで出向いてもらい、数名の飼い主とともに情報交換をしています。遺伝的疾患や、そのほかの病気の有無もその場で確認し、問題があればすぐに対応できるようにしています。子犬の譲渡後も的確なアドバイスをしている頼りになるブリーダーです。
引き渡しまでの生活環境
出産が近くなると、犬たちがいつも生活している部屋にケージと産箱が設置されます。母犬はその中で、萩原ブリーダーに見守られながら出産をします。「24時間、何かあればいつでも対応ができるようにしています。子犬が産まれてしばらくの間は、昼夜問わず気が抜けないですね。寒くないように湯たんぽを用意することもあります。母犬から離れないようにとつねにチェックしています」と萩原ブリーダー。
生後21日が過ぎると、子犬たちは固形物を食べる練習を始めます。母乳とフードを併用していきます。それとともに、少しずつケージの外で遊ぶようになり、ほかの成犬たちにコロコロ転がされながら、すくすくとたくましく成長していきます。母犬と兄弟姉妹、そのほかの犬たち、萩原ブリーダーと過ごす中で、子犬たちはしっかりと社会性を身に付けていきます。犬の世界のルールと、人間との共生のルールを学んでいくのです。生後2カ月で1回目のワクチン接種。その後、子犬の体調がよいタイミングで引き渡しが可能となります。こうして、子犬たちはたくさんの愛情を受け、新しい家族のもとへ巣立っていきます。
しつけ・お手入れ・アフターフォロー
「抜け毛が少なく、体臭もないので、お手入れはとても楽です。汚れたら濡れたタオルで拭いてあげる程度でよいでしょう。毎日の生活で気を使うのは、骨折しないように注意することですね」と萩原ブリーダー。
イタリアングレイハウンドはスレンダーな体型で、とても細い手足をしています。そのため、骨折が多く、飼育環境の工夫や、外出時に注意する必要があるそうです。萩原ブリーダーは愛玩動物飼育管理士、愛犬飼育管理士、ペットセラピスト、ペット介護士などの資格を持っています。引き渡し後も犬の生涯にわたってアドバイスを受けられるので、安心して子犬を迎えられます。
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