ペットはわが家のお墓にはいる

太鼓判ブリーダーが猫たちとの暮らしをご紹介。ほのぼのした日常やブリーダーならではの話など、いろいろな日常をお届けします。今回はメインクーンのブリーダーCattery Amangroup/阪根美果さんです。

私は週に2回、民営の霊園で仕事をしています。その霊園は市の条例でペットを埋葬することへの規制がないので、人間のお墓にペットを埋葬することができます。民営で宗教にも規制がないこともペットが入れる理由です。お寺など宗派が決まっていて、古くからの檀家さんもいるところでは、ペットは「畜生」という扱いになります。仏教では「六道輪廻」という考え方があり、悪いことをした人間が畜生に生まれ変わるので、人間とペットを同じ墓に入れることはもってのほかということなのです。

先日、その霊園でお墓を建立した人の愛犬が亡くなり、その骨を埋葬したいとのこと。通常、新しいお墓の建立が済むと「開眼供養」という法要を行います。開眼という言葉からもわかるように、仏像の目を開くという意味があり、仏壇や位牌を新たに購入したときにも行われます。

今回の依頼のお墓にはまだ誰も埋葬されていないので、愛犬の埋葬のために開眼供養と埋葬供養の2つを行うことになるのです。お坊さんを呼んでお墓の前で2つの供養をするのに5万5000円、埋葬に3万5000円、そのほかに事務手数料、供養のための墓前セット、お花などで1万円の合計10万5000円。ご依頼は人間と同じように行ってほしいとのことでした。愛犬の供養としては大きな金額です。人間の供養の際に、一緒に埋葬するのがほとんどで、その際にはお金はかかりません。

いずれ自分たちが入るお墓に愛犬を埋葬する。また、人間と同じ供養を望まれたこのご家族にとって、愛犬の存在は想像を超える大きさだったのではないかと感じました。その後も週1回、お墓参りに来られています。

ペットが亡くなった際の供養には、さまざまなスタイルがあります。その費用もさまざまです。どんな供養を選ぶかは飼い主次第です。費用が高ければよいというものでもありません。大切なのは、ペットのことを大切に思う飼い主が納得のいく供養をするということだと思います。

わが家の子たちは、滋賀県の比叡山の麓のお寺にみんなで眠っています。お寺が持つペット霊園にお墓を建立したのです。「アマングループの猫たち」という意味の文字が墓石に刻んであります。滋賀県は私の第2の故郷なので、そこに建立することにしたのです。

あなたはどんな供養スタイルを選びますか?