ペットの葬祭・供養のカタチが「エンディング産業展2018」でみえた
先日、国内最大規模の葬儀・終活などに関わるビジネスショー「エンディング産業展2018」が、東京ビッグサイトにて開催されました。人間用中心の展示会でしたが、ペット向け、ペットにも使える商品もありました。人間の葬儀が現代の環境に合わせて変化しているように、ペットの葬儀も多様化していると感じました。さっそく、ペトハピが気になった商品やサービスをご紹介します。
家具や家電、生活雑貨やインテリア小物などプロダクトデザインなどをサポートするデザイン事務所・スタジオスルメは、伝統工芸士・東京唐木仏壇の職人が一つひとつ手づくりする小さな持ち運べる仏壇「旅する仏壇」を展示していました。
位牌・鈴・りん棒・香炉などのすべてを、500mlのペットボトルほどの箱に納めて持ち運ぶことができます。
また、新製品となる「recolle(リコレ)」は、大切な家族であるペットを優しい想いで偲べる小さな骨壺です。「HOUSE」は名前のとおり、遺骨を収納するアクセサリー職人が手づくりした真鍮製の遺骨入れを、家の形のボックスに納められるようになっています。フォトフレーム型の骨壺「FRAME」は、写真とともに、真鍮製の丸みをおびたかわいい骨壺を飾ることができます。
スージーラボは、フォトフレーム型の供養台「Being Frame」と、一生の思い出を一冊にまとめた思い出図鑑「LIFE memories」を展示していました。
宮社のような厳かなデザインの「Being Frame」は、フレームの奥行きが9cmで、マンションなど現代の住空間やインテリアにもなじみます。オプションのメモリアルケースや香皿を加えると、新しいスタイルのプチ仏壇になります。
「LIFE memories」は、思い出の写真とともにCDやDVDもポケットに収納できます。また、自分史やメッセージを記入できるページもあります。ペットと暮らしていると、多くの写真を撮ると思います。こうしたアルバムに整理したり、トピックスなどを自分史のページに書き込んだりすることで、楽しかった日々を記録とともに残すことができます。
沖縄の琉球ガラス村を運営する「RGC」は、琉球ガラス仏具の「うむい」を展示していました。「うむい」とは沖縄の方言で「想う」という意味だそうです。大切な人への想いを、沖縄の自然と光をテーマにした「海」「空」「星」「山」「花」シリーズに込めて、一つひとつ手づくりで丁寧に製作されます。一緒に遊んだ海岸をイメージした「海」のブルー、星になった愛犬・猫が見守ってくれる「星」の輝きなど、愛するペットへの想いをガラスに込めて偲ぶのも素敵です。
滋賀県の彦根には、350年の歴史を持つ彦根仏壇の技を受け継いだ職人たちがいます。そんな有志が立ち上げたブランドが「柒+(ナナプラス)」です。「自由檀(フリーだん)」という、時代の流れに沿った自由な祈りのカタチやアイテムを提案しています。多くは人間用ですが、メンバーの井尻彫刻所が展示していたのが「polygoNIMAL(polygonanimal=ポリコニマル)」です。翠雲彫り三代目・伝統工芸士の井尻 一茂氏が、一刀彫りの技法を用いて精密かつ大胆に犬や猫の特徴や表情を表現しています。
メモリアルアートの大野屋は、手元供養ブランドの「Soul(ソウル)」シリーズを展示していました。「Soul」シリーズは、“大切な人を想う気持ちに、いつも寄り添う”商品のシリーズです。
遺骨ペンダント「Soul Jewelry(ソウルジュエリー )」は、いつも身につけられるインナーポケット機能付きアクセサリーです。「Soul Petit Pot(ソウルプチポット)」は、大切な想いを納めてともに暮らすための器=ミニ骨壷です。「Soul Stage(ソウルステージ)」は、ジュエリーやミニ骨壷を置いたり花を一輪挿したりと、さりげなく偲び暮らすための空間をつくる商品です。人間用ですが、ペットの供養にも使えます。
張り子などを製造販売するアクティ大門屋は、紙製の骨壺「空輪」を展示していました。「空輪」は、だるまの生産量日本一でもある高崎だるまと同じ製法で、一つひとつ丁寧につくられています。和紙なのでメッセージを書いたり写真を貼ったりできます。和紙の色も選択可能で好きな組み合わせでつくれます。また、そのまま庭などに埋めて土にかえしてあげることもできるのが特徴です。
アルゴザンダは、メモリアルダイヤモンド「センペルフィデス」を展示していました。このダイヤモンドは、愛犬・愛猫の遺骨や毛でつくられる人工ダイヤモンドです。人工といっても、硬度、輝きなどは天然ダイヤモンドとまったく同じです。「センペルフィデス」とはラテン語で「永遠の約束」という意味です。家族であったペットへの想いを永遠の輝きのなかに留め、指輪やネックレスなどにしていつも一緒にいることができます。
ライフテーストは、ペットの供養用品を展示していました。「メモリアルストーン」は、ペットの写真をもとに、名前やメッセージ、没年などを人間用と同じ御影石にレーザー彫刻してくれます。大きさもガーデンタイプから、リビング、デスクタイプなどが用意されています。「供養玉」は、愛するペットの遺灰を製造過程でガラス玉(とんぼ玉)に埋め込みます。ペンダントなどにしていつも一緒にいることができます。
ドウシシャは、業者向けの商品を展示していました。「メモリアルキャリー」は、人間用の遺体冷却安置台「メモリアルベッド」をペット用に転用した商品です。いままでのドライアイス冷却ではなく、ペルチェ素子を採用することで遺体に負担をかけません。ペルチェ素子は、パソコンのCPU冷却や小型冷温庫、医療用冷却装置などにも使われています。ペット葬儀の現場でも徐々に広がりそうです。
もうひとつは、除菌・消臭剤の「白楽天」です。銀・チタン・亜鉛を特殊製法でイオン化したもので、人体や環境にも無害で、塩素など原料臭も残りません。震災の現場や警察でも実績が評価されています。
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