ペットの終活・供養のトレンド【フューネラルビジネスフェア2026】

ペットを家族の一員として迎えることが当たり前になった現代。それと同時に、私たちが避けては通れないのが「お見送り(葬儀・供養)」のあり方です。

6月23日・24日の2日間、パシフィコ横浜にて、葬祭サービス・ライフエンディングサポートの総合展示会&セミナー「フューネラルビジネスフェア2026」が開催されました。

葬祭業界の最新トレンドが集まるこのイベントにおいて、近年注目されているのが「ペット葬祭サービス」のカテゴリーです。大切な家族であるペットとの最後のお別れを、より温かく、その子らしくプロデュースするための最新製品やサービスを取材してきました。

過去最大規模で開催

会場となったパシフィコ横浜の展示ホールには、葬具や祭壇、DX(デジタルトランスフォーメーション)技術など、ライフエンディングに関する多様なブースが並び、多くの業界関係者で賑わっていました。

そのなかでも、ペット関連のブースは年々存在感を増しています。かつての「ペット供養」といえば、簡易的な骨壺や小さな仏壇が主流でしたが、現在のトレンドは「人間と変わらない、あるいはそれ以上にパーソナライズされたお別れ」です。

ブースを巡ると、デザイン性の高い手元供養品や、最新の火葬・お見送り技術、さらには飼い主の悲しみに寄り添うための多角的な提案が溢れていました。

編集部が注目した製品&サービス

ここからは、会場で見つけた、これからのエンディングを優しく彩ってくれる注目の製品やサービスを、写真とともにご紹介します。

リビングに馴染む「手元供養」アイテム

今回の展示で特に主流だと感じたのが、現代の住環境や日本のライフスタイルに合わせた「手元供養」のバリエーションの豊かさです。従来の仏具のイメージを覆す、モダンで洗練されたデザインが来場者の目を引いていました。

BUDDHA CONCEPTが提案する、和モダンな佇まいの「ペットのおはか」。インテリアに美しく溶け込みます

特に注目を集めていたのが、インテリアとしての美しさと供養の優しさを両立させたアイテムたちです。「BUDDHA CONCEPT」のスタイリッシュなお墓は、天然石などの高級感ある素材を組み合わせ、お部屋の中に自然な祈りの空間を作ってくれます。

ぎやまん郷のガラスのレリーフ・花水鉢。光を浴びてきらめく色彩が、大切な思い出を鮮やかに彩ります

ガラスの美しさを最大限に活かした「ぎやまん郷」のレリーフや仏具は、透明感あふれる色使いが魅力。暗い印象になりがちな供養のイメージを、温かく光に満ちたものへと変えてくれます。

ハリオグループが手掛ける「HIROM」のブース。耐熱ガラスメーカーとしての技術を活かした、高いデザイン性のメモリアルウェアが並びます

さらに、あの老舗耐熱ガラスメーカー・HARIO(ハリオ)グループが手掛ける暮らしに寄り添うメモリアルブランド「HIROM」も出展。ガラスの透明感と洗練された造形美は、リビングの棚やデスクに置いても違和感がなく、「いつでも近くに温もりを感じていたい」という飼い主の願いを、ごく自然な形で叶えてくれます。

会場ではこのほかにも、小さなおうちをモチーフにした「あたらしいおうち®」や、伝統工芸の技が光る九谷焼のペット用骨壺、そして両手で包み込める真鍮製の愛らしいミニ骨壺「フォフォ」など、多種多様な手元供養の選択肢が並んでいました。

こうした最新トレンドや個性豊かな進化系アイテムの一方で、長年愛されているシンプルなメモリアルボックスや昔ながらの定番デザインの分骨壺、お位牌なども数多く展示されており、新旧の良さを織り交ぜた豊富なラインナップが非常に印象的でした。

選択肢が広がる「メモリアルジュエリー」

最愛のペットの生きた証やあの子の一部を美しい形にして身にまとう「メモリアルジュエリー」においても、多様な選択肢が紹介されていました。

アルゴダンザ・ジャパンのブース。遺骨に含まれる炭素を取り出し、輝きを持つダイヤモンドへと結晶化させます
法月が展開するメモリアル・ダイヤモンド。美しい輝きで、大切な家族との絆を形に

メモリアルジュエリーの代表格といえば、遺骨から炭素を抽出して合成する「人工ダイヤモンド(ラボグロウンダイヤモンド)」です。会場では、スイス品質の手元供養ダイヤモンドを手掛けるアルゴダンザや、老舗仏壇仏具メーカーの法月が、美しい輝きを放つダイヤモンドジュエリーを展示。大切な家族との確かな絆を留める方法として、多くの来場者が足を止めていました。

しかし、現在のトレンドはそれだけに留まりません。ダイヤモンドとは異なる新しい素材や技術によって、よりパーソナルな思い出を形にするブースが注目を集めていました。

Sol&Hugが提案するアクセサリー。遺骨を独自の技術で加工した新素材「リヴナイト」が用いられています

Sol&Hug(ソルアンドハグ)が展開するメモリアルジュエリーは、ペットの毛やご遺骨から炭素を抽出し、人工宝石「リヴナイト」へと生まれ変わらせるのが特徴です。一緒に過ごした時間や愛おしい記憶を大切にしながら、毎日の中でふと触れられる存在として寄り添ってくれます。

遺骨から生まれる結晶体を用いた「LUCETE(ルセテ)」の展示
あの子自身の成分が織りなす、世界にひとつだけの色彩が魅力です

さらに、遺骨から生まれる結晶体を用いた「LUCETE(ルセテ)」も出展。こちらは人工的な色素を一切加えず、遺骨本来の成分のみで形成されるのが大きな特徴です。一般的には白色、薄緑色、深緑色に仕上がるとのことで、それぞれの存在が持つ固有の成分によって、世界に一つだけの色彩が誕生します。あの子そのものが形になったような温かみのあるメモリアルピースは、多くの来場者の関心を集めていました。

imprimoが手掛ける、世界にひとつの鼻紋ジュエリー。あの子にしかない特別な凹凸が、繊細で美しい金属の輝きに生まれ変わります

そして、遺骨ではなく身体の特徴を残すアプローチを見せてくれたのが、「imprimo(インプリモ)」の鼻紋アクセサリーです。犬や猫にとって唯一無二の識別印である「鼻紋(びもん)」をそのまま型取り、リングやペンダントといった美しいジュエリーに刻み込みます。愛犬・愛猫の愛おしいチャームポイントを、生前からの準備としてリアルな感触のまま身につけられるサービスです。

火葬ではない選択肢「水のペット葬」

会場では、これまでの概念を変えるような新しいお見送りの技術も披露されていました。それが、ペットの遺体を火葬するのではなく、水溶液によって安全に分解する手法です。

会場に展示されていた水のペット葬システム「MOTHER」。近未来的な白い筐体が目を引きます

MIROKUが開発し、サイカンシステムが総代理店として販売する水のペット葬(アクアメーション)装置「MOTHER(マザー)」は、二酸化炭素や排煙、ダイオキシンを極限まで抑えた、地球環境に配慮したお見送り方法。遺骨を綺麗な状態で残しやすいという特徴に加え、「自然な形で優しく還してあげたい」という飼い主の心情にも寄り添うこれからの新しい選択肢として、展示エリアでも高い関心を集めていました。

取材を終えて

今回の「フューネラルビジネスシンポジウム2026」を取材して感じたのは、ペットの終活や葬儀は、単なる「ブーム」を通り越し、「家族としての必然の文化」として深化しているということです。

悲しいけれど、いつかは訪れるお別れの時。その時に「ありがとう」をどう伝えるか、飼い主が心から納得できる選択肢がこれだけ広がっていることは、とても救いになるのではないでしょうか。

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