ペットのいる家庭の空気清浄機は、活性炭フィルターで決まり!
梅雨から夏にかけて、否が応でも気になるのが、ワンちゃんやにゃんこのうんちやおしっこなどのニオイ。かわいい存在だけれども、やっぱりニオイは気になる(笑)。
最近はペットフードが改良され、ワンちゃんのうんち臭はあまりしなくなったが、にゃんこのうんちは強烈だ(笑)。ペットフードを変えると、かなりニオイも改善されるが、ワンちゃんほどまでには至らないようだ。
そして、暑い季節になるとおしっこのニオイが倍増。毎日ペットシーツや猫砂をお手入れしても、この時期はニオイが気になる。
そんなときに効果を発揮するのは空気清浄機。おそらくご主人のなかには、うちにもあるよ! って人も多いはず。
でも、「思ったほど消臭効果がない」って人も多いだろう。今回は、その原因を明らかにしていこう。
空気清浄機でも消臭機能がないものがある!
国産の空気清浄機のほとんどは、消臭機能を搭載していて、○○イオンやら○○イオンやらクラスタークラスターを放出してニオイ成分を分解すると謳っている。また、そのなかには、空気中の花粉やPM2.5をはじめとした微粒子を取り除くだけの空気清浄機もある。
「うちの空気清浄機は、さっぱり消臭効果が効かない」という人は、まずここから疑ってみるのがいいだろう。マニュアルが手元にあれば、これを確認するのが一番。消臭効果がないのではと思える場合は、空気清浄機の背面などについている型番をメモして、検索エンジンで調べてみるといい。もし、消臭機能がないのではと思える場合は、さっそく消臭機能付きの製品に乗り換えることをオススメする。
イオン系の消臭機能は消臭に時間がかかる
各社消臭効果を謳っているのが、○○イオンや○○クラスターなどのイオン放出系だ。発生させるしくみが簡単なうえに、ユニットも安くつくれ、それなりの効果とエビデンス(実験結果や証拠)もあるため、各社こぞっていろいろな製品に組み込んでいる。
その代表例が空気清浄機だが、ほかにもエアコンや扇風機、ドライヤーや加湿器、イオン発生機そのものなど、風が出る家電のほとんどに搭載されていると言ってもいいだろう。
カタログなどを一見すると、どんなニオイにも万能のような気もするが、向き不向きがある。
カタログなどによく書かれているとおり、○○イオン系はウィルスやカビ菌、なかには花粉にイオンが取り付いて、その分子構造を変化させてやっつける。つまり、イオン系がよく効果を発揮するのは、菌系のニオイ。
たとえば、台所の生ごみ臭、生乾きの部屋干し臭、もしくは食品が腐敗したニオイなどだ。これらはニオイのもととなる菌をやっつけて消臭する。
もちろん、カタログにもあるとおり、菌以外のニオイに対しても有効なのだが、いかんせん消臭に時間がかかるという。なぜならイオン消臭のほとんどが、ニオイを発生させている物質を酸化させ、発生しない物質に変化させているからだ。
しかし、ニオイを発生させている物質にはけっこう複雑な構造のものがあり、そういうものは段階的な化学変化で無臭のものに変わっていく。
そのため、菌そのものをやっつけるのに比べて、ニオイを発生させている物質を変化させるのに、時間がかかるというわけだ。
たとえが悪いかもしれないが、感覚的にはこんな感じ。ウイルスなどの菌をやっつける○○イオンは、電卓の√キー。簡単な数字を入力して、√キーを何度か押せば、やがて答えは1になる。このように答えが1になったときが、○○イオンの殺菌や消臭効果が効いたときだ。
しかし、ニオイを発生させている物質は、分子構造が複雑なものが多い。数値でいえば桁の多い複雑な数字の羅列だ。だから√を何度も何度も押さないと、なかなか答えが1にならないのだ。これがイオン系の消臭効果が効くのに時間がかかる理由だ。
そして、○○イオンと同様に消臭効果が高いとして、ホテルや高齢者施設、病院や工場で使われている「オゾン」発生装置がある。オゾンは、酸素原子が3つくっついたもの。空気中にあって我々が呼吸で取り入れている酸素は、酸素原子が2つくっついた酸素分子。つまり酸素は2つくっついた状態が安定しているわけで、3つくっついた状態はかなり不安定な状態なので、できれば2つになりたがっている。
また、少量のオゾンであれば、人に悪影響はまったくなく、消毒に使えるとあって、業務用に多く採用されている。家庭用のオゾン発生装置は、マクセルなどから発売されていて、以前レビューした際にもその効果は実証済みだ。
化学的な消臭方法は残留物が気になる場合も
空気清浄機のなかには、化学的な物質を噴霧して消臭するものもある。ペット業界のなかで有名なのが、「次亜塩素酸ナトリウム」や「次亜塩素酸」だ。
また、ファブリーズに代表される消臭剤もトレンドになりつつある。
メーカーは安全性に関する根拠や臨床データなどを提供しているが、ユーザーサイドからは、噴霧したあとの残留物や塩素臭を気にする声もあり、成り行きを見守りたいというのが正直なところだ。
ペットは人間に比べて体も小さく、少しの薬物で健康に影響が出る「場合もある」。また、空気中に噴霧した薬物は、床に落ちて付着する。ご存じのとおり、ワンちゃんやにゃんこは、人に比べて床に近いところで生活し、床に置かれたごはんとお水を口にする。さらに、習性として、床のニオイをしきりに嗅いだり、なめたりすることもあるだろう。人間なら(赤ちゃんでも)ほとんど摂取することのない、床に落ちた残留物だが、ペットの場合は摂取してしまう可能性が高いのだ。
また、酸化で消臭する物質は、鉄などの金属も酸化させることがあり、つまり錆びさせてしまう場合がある。家電製品や鉄製のケージを錆びさせてしまうこともあるので注意が必要だ。
薬物系の消臭は、ペットに対する安全性のエビデンスを公開しているメーカーもあるので、個々に勉強して本当に安全なのかを見極める必要があるだろう。
うんちやおしっこ臭に一番効くのは活性炭! これで決まり!
ペットの夏のニオイ対策としてオススメしたいのは、古くからある活性炭だ。冷蔵庫のなかに入れて消臭したり、靴のなかに入れて消臭したりする、あの活性炭だ。
活性炭なんかでニオイが取れるのか? と昔の技術に懐疑心を抱く人も多いことだろう。しかし、最近の活性炭は、ものすごく消臭効果が高くなっていて、空気を漂うニオイ物質に対して即効性がある。
なぜ、活性炭が消臭効果絶大で速攻性があるかを簡単に説明しておこう。活性炭はその名のとおり「炭」。でもただの炭じゃなく、顕微鏡で見なければわからないほど、極々小さな穴がたくさん開いた炭なのだ。
その穴の量は、素材や製法などによっていろいろ変わるそうで、穴が多ければ多いほど消臭効果が高い。100円ショップで売っているような、マングローブの木の炭を消臭用に使っている人はあまり見かけないが、竹炭は消臭用として多く愛用されている。つまり、竹炭にはたくさんの穴が開いているから、ニオイ消しとして優れているのだ。
活性炭は、その微細な穴にニオイ物質を吸着することで消臭するしくみだ。活性炭は空気中に浮遊するニオイの分子を、炭の小さい穴に捕獲して消臭する。
たとえるなら、活性炭は極々小さいナノサイズのゴキブリホイホイが積み重なったようなもの。この穴のなかにニオイの分子が入り込むと、捉えた分子を離さない。だから、イオン系の消臭効果に比べて、即効性がある。
試しに活性炭フィルターの下に淹れたてのコーヒーを置いて、フィルター越しにニオイを嗅いでも、まったくコーヒーのニオイがしないほど。一瞬でニオイが捕獲される。
弱点は、穴が全部ふさがっちゃうと消臭効果がなくなってしまうという点で、活性炭が詰まったフィルターの交換が必要になる。
また、菌によるニオイには効果が期待できない。活性炭の穴は菌を吸着できないからだ。
とはいえ、ペットのうんちやおしっこ臭には、活性炭の効果は絶大だ。
化学薬品を噴霧しないので、赤ちゃんやペットにも安全。これが筆者が活性炭を使っている空気清浄器をみなさんにオススメするワケだ。
ペット向けの空気清浄機はどんな機種がオススメ?
では、実際にどんな機種がお薦めなのか?というお悩みにお答え!
1.Blueair Classic
特徴:とにかくたっぷり入った活性炭で消臭効果抜群
筆者が知る限り、活性炭の量が世界一多いスウェーデン製の空気清浄機。活性炭なしフィルターもあるので要注意だが、ペットオーナーにぜひオススメしたい。日本の正規代理店が輸入販売しているので、大型家電量販店に行けば必ず展示・販売されているはず。
モデルが何種類かあるが、Classicがオススメ。ただし、大型で風量も多いので、部屋の設置するサイズを測って行くこと。
また、空気の状態などをスマホでモニターできる機能もあり、便利に使える。
2.シャープ 蚊取空清
特徴:フィルターに加え薬剤を使わないで蚊を捕獲
活性炭の量もさることながら、ペットの大敵「蚊」を殺虫剤なしで捕獲する機能が魅力。紫外線のランプで蚊をおびき寄せ、空気を吸い込む力で空気清浄機内に吸い込み、中の粘着シートで捕獲する。薬剤を一切使用しないので、ペットにも安心。しかも、筆者が実験したところ、蚊の捕獲率は95%以上。
粘着シートの交換は、1年に1回なので蚊取り機能としても経済的。
3.cado 空気清浄機
特徴:デザイン性と活性炭の量と活性炭を復活させる独自機能
空気清浄機のなかで、もっともデザイン性の高いフォルムと活性炭の量が自慢。四角いモデルが標準的なので、こちらがオススメ。
独自の光触媒機能により、活性炭の穴を復活させる機能もある。
ペットのうんちやおしっこのニオイで困っているみなさん! 筆者がオススメするこの3機種のいずれかを試してみてほしい。きっとそれまでのニオイがウソのように消えるはず!
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