愛犬トラベラーのHappy紀行Vol.9

まるで別荘感覚のコテージ! 大満足の「休暇村 伊良湖」と渥美半島を巡る1泊2日の旅

[2019/01/04 6:00 am | ペットジャーナリスト 阪根美果]

愛知県東部にある渥美半島の先端、温暖な伊良湖岬に位置する「休暇村 伊良湖」。1958年に三河湾国定公園としての指定を受けた、大自然豊かな場所に位置しています。広大な敷地の中には本館、キャンプ場、コテージをはじめ、バーベキュー広場、テニスコート、体育館やグラウンド、グランドゴルフ場など各種スポーツ施設も充実していて、本格的なシーサイドリゾートです。今回はそんな素晴らしいエリアに、わが家の愛犬であるウイペットのジギーベイと1泊2日の旅に出かけました。お泊り旅行も今回で3回目。ジギーベイもだいぶ慣れてきたようです。

休暇村 伊良湖

高速道路で豊川ICを目指す

R296号線を出発し、京葉道路の花輪ICから高速道路に乗ります。その後、東名高速道路から新東名に入りました。ジギーベイは今回もまた助手席でおとなしくしているので、これは本当に助かります。途中1回のトイレ休憩をして、気分転換。再び東名高速道路に戻り、豊川ICで降りて、一般道へ向かいました。平日なので渋滞もなく、スムーズにクルマを走らせることができました。

本館

本館ロビー

休暇村 伊良湖に到着!

豊川ICで高速道路を降りて、伊良湖方面のR151、R23、R259経由で約90分。無事に「休暇村 伊良湖」に到着しました。敷地入口には名称の看板とともにリゾートを思わせる大きな植物があり、それを見た途端にワクワクしてきました。敷地が広大で、泊まる予定の貸別荘「コテージ」はまだ見えません。そこからさらにクルマを走らせます。右手にはテニスコートやグラウンド、そして左手にコテージが見えてきました。洋風な外観は日本とは思えないくらい洗練されていて、ますます楽しみが増していきます。チェックインは本館でしたので、さらに奥へ進みました。駐車場にクルマを停めて、本館フロントへ。チェックインは15:00から可能です。本館にわんちゃんは入れませんので、ジギーベイは車内で待ってもらいました。

本館の前にも庭が広がっています

レンタルサイクルもあります

テニスコート

天然芝のサッカーグラウンド

オートキャンプサイトはペットOK

貸別荘「コテージ」に泊まれるのは、「マテ」「オスワリ」「ムダ吠えをしない」など基本的なしつけがしっかりできている中型犬以下(25㎏まで)で、予防接種やノミダニ駆除、シャンプーを済ませている場合に限られます。特に予防接種の証明書などの提示は求められませんでしたので、飼い主のモラルに任せているようです。利用についての説明を受けて、チェックイン終了。本館から貸別荘「コテージ」までは200~500mです。徒歩でも可能な距離ですが、各コテージの玄関前には駐車場(1台)が完備されているのでクルマで移動しました。

コテージ案内図

クルマが横付けできるので荷物の出し入れがラク

リビングからは、直接ドッグランに行けます

のんびり過ごせる広々コテージは超快適!

貸別荘「コテージ」はペットと一緒に泊まれるペットコテージと、ペット不可のコテージの2つのエリアに分けられています。今回、私たちが泊まるのはNo.14です。数棟あるペットコテージの中心にはドッグランがあり、わんちゃんたちの様子を部屋から見ることができます。コテージは1LDK(58㎡)で、最大5名宿泊可能な広々とした空間。玄関を入ると右手に10畳の和室、左手にかなり広めのLDK、玄関周りにトイレ、洗面所、お風呂があります。LDKの横にはウッドデッキも付いています。どの部屋もかなりゆとりがあり、とても贅沢に利用できます(和室とお風呂はわんちゃんは立入禁止)。わんちゃんが多少鳴いていてもほとんど聞こえないので、飼い主も隣室を気にすることなく安心して過ごすことができます。

玄関にケージが用意されています

ペット用アメニティ

寝室となる10畳の和室

また、LDKには、家庭用の調理器具や食器がそろっているので、食材や調味料を持ち込めば、自炊やバーベキューを楽しむことができます。冷蔵庫(2ドア)はもちろん、炊飯ジャー、ホットプレートまでが備わっているのには驚きました。ペット用の備品は、中型犬用ケージ(屋根付き)、トイレ(小型犬用)、ペットシーツ(シングル)、食器(小型犬用)、足ふき用タオル、コロコロ、消臭剤などがありました。また、数カ所にリードフックが付けられているので、動きの制限や飛び出し防止にも安心です。嫌なニオイもなく、キレイに清掃された室内はとても好感がもてました。

広々としたリビングダイニング

キッチンには冷蔵庫、電子レンジが用意されています

炊飯器もあります

旅の醍醐味である一期一会の出会い

少し休憩をしてから、日が暮れる前にとドッグランで遊ぶことにしました。ドッグランには誰もいなかったので、ジギーベイはお決まりの大爆走。目にも止まらぬ速さで走り回ります(笑)。ドッグランは全面が芝生になっているので、足にも優しく安心です。しばらく遊んでいると、別のコテージの窓からこちらを見ているわんちゃんが……。ジギーベイの姿を見つけ、鳴き始めます。飼い主さんが気付いて、ドッグランに遊びに来てくれました。

小型犬用と大型犬用に分かれた天然のドッグラン

落ちていた枝をくわえて走り回るジギーベイ

お部屋からドッグランが見えるのはこういう利点があるのか……。意図してかどうかはわかりませんが、とても良いことだと思いました。「よかった。お友達がいて」と話しかけてくれたのは、愛知県西尾市の新城ファミリーとボーダーコリーのアイちゃん(生後8カ月)です。普段はなかなか仲良くなれるわんちゃんがいないとのこと。まずは鼻と鼻でクンクン。ジギーベイとは相性がよかったようで、挨拶が済むと楽しそうに2頭で遊び始めました。追いかけっこしたり、木の枝で遊んだりととても楽しそうです。ウイペットもボーダーコリーもフリスビー犬としての才能を持っている犬種です。投げたものをキャッチする能力が素晴らしい! そんな2頭を見ながら、私も新城ファミリーも大いに楽しみました。最後はみんなで記念撮影。とても素敵な一期一会でした。

ボーダーコリーのアイちゃんとも仲良く遊びました

新城ファミリーと記念に一枚

新鮮野菜と海の恵みを存分に味わう

今回の食事は本館レストランを利用して、渥美半島のおいしい食材を味わうことにしました。日本一の野菜の産地である田原市で育てられた新鮮野菜や、伊良湖港直送の海の幸など、郷土料理を取り入れた和食中心のバイキングで楽しむことができるのです。残念ながらジギーベイは本館に入ることができないので、先にコテージでご飯を食べてお留守番。ちょっとうしろめたいので、贅沢なご飯にしました(笑)。落ち着いたのを確認してから、レストランに向かいました。

お留守番が分かるのか、疑いの目

名物のおおあさり

席に案内してもらって、まずは飲み物の注文で、梅酒のソーダ割りにしました。さっそく、バイキング料理の品定めです。並べ方なども工夫されていて、どの料理もとてもおいしそう……。目に留まったのは海の幸エリア。数種類の握りが並んでいます。まずは私の大好物のいかの握りを3貫。新鮮なので歯ごたえもよくおいしい! そのほかの前菜を食べながら、いかの握りを2回もおかわりしました。ということは9貫? 食べ過ぎ?(笑)。

そして、甘えびも……。こちらも甘さが際立つおいしさです。甘えびはこれでもかというくらい大皿に盛られていました。甘えびが「いくらでも食べて!」と言っているようです(笑)。これぞバイキングの醍醐味ですね。その場で注文できる揚げたての天ぷらや、自分で具材を選んで席で炊く釜飯もおすすめ。私は栗が好きなので、大盛栗釜飯にしました。期待どおり、最高においしかったです。もちろん、食後のデザートもコーヒーとともにいただきました。バナナケーキにバナナクレープにラズベリーケーキです。デザートは別腹。大満足の夕食でした。

郷土料理のコーナー

少しづついろいろ味わいます

その場で揚げてくれる天ぷら

好きな具材を入れて自分で釜飯をつくれます

できあがった栗釜飯

デザートも充実

感心したのは、このホテルで働くスタッフのスマートな対応。どんなことにも穏やかに、にこやかに、落ち着いて対応しています。私が泊まった日は平日にもかかわらず、多くのお客様が宿泊していました。提供する料理のおいしさに加えて、スタッフのホスピタリティもこのホテルの大きな魅力になっているなぁと感じました。「おもてなし」は大切ですね。

長湯できる炭酸泉で疲れをほぐす

貸別荘「コテージ」にもお風呂はありますが、宿泊者は本館の展望大浴場にも無料で入ることができます。にごり湯・炭酸泉・季節の薬湯と3つのお湯が楽しめます。浴槽ごとに温度が違うので、長風呂ができ、心身ともにリラックス。内湯は歳時記に添って月毎に変化する薬湯になっていて、近くの方はリピーターになっているそうです。改装してまだ数年なので、お風呂もとてもキレイ。千葉県からの長時間の運転の疲れが吹き飛びました。コテージに戻ってからは、お留守番していたジギーベイとしばらく遊びました。その後はジギーベイのトイレを済まし、温泉で温まった体が冷えないうちに、翌日に備えて寝ることに。

醍醐味の大浴場

開放感のある露天風呂(日替わりで男女入れ替え制)
※許可を得て撮影しています

広すぎる! チェックアウト後はホテルの敷地内を散策

7時半ごろに起床するつもりが、私もジギーベイも寝坊……。急いでジギーベイのトイレを済ませ、朝食を食べてもらいました。その後、私は本館のレストランに行き、バイキングの朝食です。好きなものをお皿に乗せた結果は和洋折衷です。ご飯はお粥にしてみました。朝から「いかソーメン」もいただきました。やっぱり新鮮ないかはおいしい(笑)。またまた大満足の朝食でした。食後に売店をのぞいてみると、魅力的なお土産がたくさん並んでいました。「石巻の次郎柿」「はじめましてあおさのり」「焼酎 亀若(紅あずま)」「超完熟とまとの濃厚トマトジュース」「トマトジャム」など……。悩んだ末に「石巻の次郎柿」を購入しました。

朝食も充実

エントランス前で

その後、帰宅準備をはじめます。貸別荘「コテージ」内で出たゴミは、宿泊者がゴミステーションに捨てる決まりです。室内のゴミを集めて、捨ててからクルマで本館フロントへ向かいます。チェックアウトを終えて、ジギーベイと本館前で記念撮影。そして、裏に広がる「いらごさららパーク」を散策しました。ここは砂丘を再現した砂の公園で、砂丘とオアシス(湧水)の再生をテーマに平成26年にリニューアルされたそうです。季節によってさまざまな花が観賞できる「花の広場」、浜辺の砂を利用したイベントが可能な「砂の広場」、小さな子どもでも水遊びができる「水の広場」など無料で自由に利用することができます。

敷地内のいらごさららパーク

本館の裏手から

散歩というよりもハイキング

ホテルの敷地内とは思えない広大な園地を存分に散策しました。広すぎてハイキングに来たような感覚になります。そして、レンタサイクルがある意味を理解しました(笑)。私たちは行きませんでしたが、本館から徒歩5分で海辺に行けるそうです。浜に出るにはそこからさらに5分。大自然のなかで、たくさんの楽しみ方ができる宿でした。

初めての海と高所はちょっぴり怖かった!?

休暇村のスタッフに観光名所を聞くと、恋路ヶ浜と伊良湖岬灯台をすすめられました。クルマでそれほど遠くないということでしたので、さっそく行ってみることにしました。伊良湖岬灯台がある場所は渥美半島先端の伊良湖岬で、万葉の昔から多くの詩歌に詠われた景勝の地です。灯台が立てられ点灯したのは、昭和4年のことだそうです。当時は光源にアセチレンガスを使用していましたが、昭和35年の電化に伴い、灯火については名古屋海上保安部にて遠隔監視がなされているとか。恋路ヶ浜の駐車場に車を停めて、灯台に向かって歩くことにしました。

恋路ヶ浜の美しい海岸が広がる

日本の百選にも選ばれています

幸福の四つ葉のクローバー発祥の地

恋路ヶ浜は日本の百選にも選ばれた白く美しい砂浜で、伊良湖岬灯台から太平洋に面して日の出石門まで続く約1キロの海岸です。「名も知らぬ 遠き島より流れよる 椰子の実ひとつ♪」という島崎藤村の抒情詩の舞台となったところです。「願いのかなう鍵」や「幸せの四葉のクローバー」の発祥の地として、恋人たちのプロポーズにふさわしい場所と「恋人の聖地」にも認定されています。「願いのかなう鍵」は恋路ヶ浜付近のお店でたくさん販売されていました(笑)。

海岸沿いには「万葉の歌碑」の遊歩道が整備されています。打ち寄せる波を見下ろしながら、伊勢湾と太平洋を眺めることができます。岬の先端、灯台背後の斜面に歌碑が建てられていて、天武朝の3位のくらいであった皇族麻績王(おみのおおきみ)が伊良湖に流されたときに詠まれた歌の「うつせみの命を惜しみ浪にぬれ伊良湖の島の玉藻刈り食す」(万葉集巻一)が刻まれています。渥美半島がそのような地であったことを初めて知りました。歴史を感じながらの散策も旅の楽しみのひとつです。

まだ海は怖い……

灯台をバックに

大ソテツをバックに

途中の浜辺でジギーベイは初めての海を体験しました。笑えるくらいのへっぴり腰です。波が打ち寄せるたびに逃げるし、終始、しかめっ面をしています(笑)。これは前途多難だなあ……海で泳ぐ日は遠い……。その後は伊良湖灯台まで歩いて記念撮影。遠くを眺める姿は、まるで船乗りのようなジギーベイでした(先ほどとは大違い)。

そして、クルマを移動して椰子の実記念碑まで行きました。大きな南国の植物前や記念碑前で記念撮影。太平洋を見渡せる近くの岸壁の上から日の出石門を眺めました。太平洋と背景にした姿は、美しさと迫力にあふれています。今回は昼間に行きましたが、朝日を背景にした姿が特に美しく、パワースポットとしても有名だそうです。私がゆっくり眺めていると、ジギーベイも岩の上に登ってきました。しかし、やはりへっぴり腰(笑)。どうやら水と高いところは苦手なようです。

穴場! 初立池(はつたちいけ)公園はおすすめの観光スポット

ここは観光スポットとしてはあまり知られていない場所です。平成12年に完成した初立池公園は、大きなため池の周辺にある公園で、トレッキング(散歩)コースや芝生公園、水遊場などがあります。季節により桜、アジサイ、ハナショウブ、ササユリ、萩の花などを楽しむことができ、訪れる人の憩いの場となっています。水源の宇連ダムや大島ダムから放流された水が、約100kmの旅を終え最終調整地である初立池(昭和43年に完成)に流入し、日本一といわれている田原市の農業を支えているそうです。休暇村で食べた食材はこの水で育っているのですね。

初立池公園

桜のあとにはハナショウブが満開になります

特に目を引くのが棚田を利用したハナショウブの栽培です。今回は見ることができませんでしたが、初夏(5~6月)には3カ所ある菖蒲園で約7000本のハナショウブを眺めることができるそうです。白、紫、薄紫、黄色の花が咲き、自然と調和したここでしか味わえない風情があるとか。是非、その季節に訪れたいと思いました。

ウォーキングにもよい

春は桜がキレイらしい

私たちが訪れたのは平日ですが、人影はありませんでした。わんちゃんを連れていても気兼ねなく訪れることができると思います。ジギーベイと自然を満喫して、帰路につきました。

まとめ

今回の旅のメインであった「休暇村 伊良湖」は想像以上に快適な宿でした。貸別荘「コテージ」は1棟貸しなのでプライベート感覚で利用することができ、のんびりと過ごすことができました。本館の食事も新鮮でおいしく、スタッフのおもてなしにも好感が持てます。何よりも大自然に囲まれていることに感動しました。周囲には観光スポットもたくさんあり、食べる、遊ぶ、学ぶ、癒されるが一度に体験できる場所です。季節によりさまざまな楽しみ方もできます。今度は、また違う季節に訪れたいと思います。私もジギーベイも大満足の1泊2日の旅でした!

[ペットジャーナリスト 阪根美果]