ペットとのキスは要注意。キスで口腔内細菌はうつるの?

海外での研究によると、カップルがキスをする時間が長くなり、頻繁になるほど口腔内細菌は互いに似てくることがわかっています。

どういう研究だったかといえば、まず21組のカップル42名のキス前後の唾液をサンプリングして、唾液中の口腔内細菌を解析しました。次に彼女だけに乳酸菌やビフィズス菌が配合されたヨーグルトを食べさせて、その後にキスをした彼氏の唾液をサンプリングして口腔内細菌を解析しています。

その結果、ヨールグルトを食べた彼女に10秒間キスをした彼氏の唾液中の口腔内細菌は3倍に増えた。そして、1回のキスをする間に8000万個の口腔内細菌が移されたということがわかった。つまり、10秒間のキスの間に8000万以上の口腔内細菌が交換され、1日に9回以上の濃厚キスをするカップルの口腔内細菌は、1時間半はほぼ同じになるということです。

さらに、夫から妻に歯周病原菌が感染するかどうかを評価した研究によると、夫妻間で口腔微生物叢は非常に類似した組成を示しました。つまり、歯周病菌は夫婦で水平感染するということがわかったのです。

そのほかにも、口腔内細叢の類似性は、夫婦だけでなく子どもと母親にも顕著にみられることがわかっています。また、新婚夫婦の口腔内細叢の口腔内細菌の種類は似てきますが、結婚年数に比例して少しずつ変化し、時間の経過とともにまったく別の種類になるそうです。これはキスの回数が原因かも……。

さらに、20歳未満のキスは「相手の歯周病菌と一生過ごす」という覚悟を持つ必要があるという恐ろしい研究もあります。20歳を過ぎると、相手の歯周病菌が入っても一定期間しか存在せず定着することはないそうです。つまり、若年層でのキスには要注意ということ。

これらの研究は、あくまでも人間同士で、医学的にはキス=唾液を交換させる行為という観点からのものです。しかし、歯周病菌のなかには、人間から犬あるいは犬から人間へ移動している可能性もあります。愛情表現はキス以外がよろしいでしょう。