腸内細菌だけじゃなく腸管免疫に必要なこと(前編)

小中学校の教科書を見ると、小腸と大腸は機能が大きく異なるとある小腸と大腸の関係をおさらいすると、以下のように説明できます。

・小腸は栄養素(タンパク質やビタミンなど)を吸収し、大腸は主に水分を吸収する。
・小腸は大腸と違い、胃(胃酸)に近くpHは酸性。
・小腸に存在する腸内細菌は大腸よりはるかに少ない。
・小腸の粘液層は大腸よりもはるかに薄く単層で上皮細胞との接着もルーズ。
・大腸の粘液層は粘着性のある無菌の内層と腸内細菌が浮遊している外層の2層構造


そのうえで、免疫力をアップするには、腸内環境を整える必要があります。では、具体的にどうすれば腸を元気にできるのか。ドリフターズの『8時だョ!全員集合』のエンディングテーマで加藤茶が入れる合いの手風にいうと、以下のとおり。


腸内細菌を育てろよ!(種子をまけよ!)
腸壁を強くしろよ!(畑を耕せよ!)


ドリフの主役を志村けんだとするなら、免疫反応の主役はリンパ球。このリンパ球がガッチリ働かないと免疫力はアップしない。そのリンパ球は腸管(リンパ球の60%以上が小腸に配備)にいるのです。

リンパ球の燃料となるのはグルタミン。そして、腸管の燃料となるのは、小腸の粘膜細胞の燃料もグルタミンがメイン。大腸の燃料は酪酸ですが、これは腸内細菌が食物繊維を食べてつくってくれるのです。

つまり、免疫力をアップするには、「腸内環境を整えることが大事だぜ」ってこと。具体的には腸内細菌を育て、腸壁を強くすることが重要なのです。後編は、腸壁を強くするにはどうしたらよいかを考えます。