【猫飼いTIPS】ねこまんまっていうけど、猫にご飯を与えてもいいの?

日本では1970年初頭くらいまで、猫の食事は私たちの食べ残し、いわゆる残飯でした。そうした猫や犬に与えていた食事を総称して「ねこまんま」呼んでいました。

一方、人の食する簡便な食事を指して「ねこまんま」と呼ぶこともあります。話は逸れますが、ねこまんまは関東と関西で内容が異なります。関東地方では、ご飯に鰹節と醤油をかけた料理です。関西地方では、ご飯に味噌汁をかけた料理です。

では、猫にねこまんま=ご飯を与えてもいいのでしょうか。今回は猫の食事と米のお話です。

猫にとって米は良いのか悪いのか

少量の米であれば猫に害を及ぼすことはありません。猫は、米に含まれるデンプンのふたつの成分(アミロースとアミロペクチン)を分解する消化酵素アミラーゼを少量ですが生成します。

野生の猫は、鳥やネズミなどの小動物を食べて生活しています。猫の消化機能は肉(タンパク質)を分解するようにできていますが、獲物の内蔵に含まれる植物性のものも処理することができます。

ですので、健康な猫なら、米が主食でなく、少量入っている程度であれば消化するこができます。

市販のキャットフードにも米は入っている

すべてのドライフードには炭水化物が含まれており、その多くは原材料に米を使っています。猫は肉食動物で、主にタンパク質の栄養素に依存しています。しかし、米に含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維の恩恵も受けることもできます。

与えているキャットフードが、米国飼料検査官協会(AAFCO)の基準に適合している総合栄養食かを確認するとよいでしょう。

AAFCOは、猫の健康を維持するために、キャットフードに各栄養素の最低値や分量についてのガイドラインを設定しています。

この基準は世界的なスタンダードとなっており、日本のペットフード公正取引協議会もAAFCOの栄養基準を採用しています。

ヨーロッパのペットフードには、欧州ペットフード工業連合会(FEDIAF)のガイドラインを採用しているメーカーが多くあります。FEDIAFもAAFCOに栄養基準を制定しています。さらに、ペットフード製造に関するガイドラインを定めていることから、工場の認定も行っています。

与えてもよい米の量

猫の食事において炭水化物が多すぎると下痢は膨満感を引き起こしたり、腸管ガスが溜まる可能性があります。そのため、米はたまにのおやつ程度がよいでしょう。

量についての明確なの決まりはありませんが、猫の食事においての炭水化物が35%以上含まれている場合には、胃腸(GI)の不調が見られることがあります。

そのことから、ほんの1〜2口といった量が目安になります。

猫が食べられる米の種類

世界には数え切れないほどの米種類があります。日本でも約千種類の米が品種登録されています。猫は、炊いた米であればどの種類の米でも食べることができます。代表的なものをいつくか紹介します。

玄米

玄米は、米から籾殻(もみがら)のみを取り除いたもので、胚芽や糠が残った状態のものです。ビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富なので、猫も食べることができますが、消化が少し難しくなります。

白米

白米は玄米を精米した米のことで、精米や精白米とも呼ばれます。糠(ぬか)や胚芽などの食物繊維が取り除かれているため消化しやすいので、猫に与えることができます。

お粥

お粥は、多めの水で白米をやわらかく煮たものです。水分量によって柔らかさや名称が変わります。水と米の比率が1:5のお粥を全粥といい、1:10のお粥を五分粥といいます。水分量が多いため、白米よりも糖質が少ないので、猫に与えることができます。

もち米を蒸し、ついてつくった加工食品が餅です。古くから日本人に親しまれてきました。しかし、猫に餅を与えることはオススメしません。白米よりも糖質が高く、消化するのが難しいからです。また、粘りのある食べ物は、喉に詰まり窒息リスクがあります。

まとめ

私たちは、米を主食にしています。また、お粥は消化がよいので、風邪のときに食べられることが多いですし、離乳食としても食べられています。

しかし、猫にとっても同じように食べられるということではありません。猫は肉食動物なので、仮に病気になっても、お粥を食べたがることはないでしょう。

結論としては、猫には少量の米を消化する能力があります。とはいえ、猫の食事に積極的に米を取り入れるべきということにはなりません。手づくり食の材料として使う場合でも、ほんの少量にとどめましょう。