【猫飼いTIPS】気温が下がると見られる猫の行動の変化とは?
10月に入ってから、急に気温が下がりました。人間も冬支度をし始めるように、気温が下がると猫たちも冬の寒さに備えて行動を変化させます。「温まる」という猫の本能による行動の変化です。今回はその4つの変化についてのお話です。
睡眠時間が長くなる
猫は気温が下がり始めると、消費するカロリーを抑えるために睡眠時間を増やします。また、代謝エネルギーを使って体を温めるために、行動中もそのエネルギーを確保するために「省エネモード」で行動します。あまり激しい運動をしないということです。
夏場は伸びたりへそ天で寝ていた猫も、冬場は体を丸めて保温しながら寝るようになります。丸まることで冷たい空気が体に触れる面積を減らして、冷えるのを防いでいるのです。頭をすっぽり体に埋めているのも、自分の吐く息で体を温めているからです。
しかし、現在は室内飼育の猫が多く、冬場でもエアコンなどで寒くないようにと24時間エアコンを稼働させて、快適な温度に保たれた部屋にいる猫も多くなりました。そのため、冬になっても「省エネモード」で行動したり、丸まって寝る必要がない猫もいます。
野良猫など外で生活する猫の場合は、冬場は食べるものが少なくなるので消費するカロリーを抑えて、エネルギーを確保する必要がありましたが、室内飼育の猫はいつも栄養が足りています。そのため、冬は猫の睡眠時間が長くなるというのは、現在では当てはまらなくなってきています。
食事量は増えるが、飲水量は減る
秋から冬にかけて、猫の食事量が増えたと感じることがあります。「寒くなると食べつきがよくなる」「食事の催促が増える」など食欲が増したと感じる飼い主も多いようです。冬場は体温を維持するためにより多くのエネルギーが必要です。室内で暮らしている猫の場合でも、暖房を切る時間があるようであれば、体温を維持するためにエネルギーを消費しています。そのため、食欲が増しているのです。
しかし、それだけでなく被毛にも関係しています。秋から冬にかけて猫の被毛は夏毛から冬毛に生え変わりますが、体温維持に役立つ冬毛の維持のためにも栄養が必要なのです。
冬場は動き自体も鈍くなるため、飲水量が極端に減る猫もいます。そのうえ、室内飼育の猫ほど乾燥によって体内の水分が奪われてしまいます。猫下部尿路疾患(FLUTD)を発症しやすくなるのはそのせいです。飲水量が減ると尿が濃縮され、それが膀胱内に長く留まることで結石や結晶尿、感染が起きやすくなります。
水飲み場を増やす、つねに新鮮な水を用意する、ぬるま湯を用意する、循環式給水器を用意するなど、猫が水を飲みやすいようにしてあげるとよいでしょう。また、水分量が多いウエットフードの量を増やすのもオススメです。
ひなたぼっこの時間が長くなる
猫は冬場や寒いときには、日光を浴びることで体温を一定に保とうとしているようです。また、それにより自律神経系を整えていて、日光の強さや日照時間、気温などから季節を感じ取り、被毛の生え変わりなどが起こっていると考えられています。
ひなたぼっこは、骨を丈夫にするビタミンDをつくるためにも必要な行動です。冬場は日照時間も短く、ひなたぼっこができる場所をしっかり確保することが重要になります。室内飼育の場合にはそのような場所も限られてくるので、飼い主が日当たりのよい場所を確保してあげるとよいでしょう。
飼い主や他の猫や動物にくっつきがちになる
猫は寒さを感じると、飼い主やほかの猫、ほかの動物などにくっつきがちになります。その理由は、まさに暖をとるためです。そのためには手段を選ばず、普段は近づかないほかの猫や犬などとも距離を縮めることもあります。
かつては半砂漠地帯で生活をしていた猫は、暑さに強く、寒さに弱い傾向があります。穴蔵などを寝床にしていた猫たちが寒さをしのぐためにしていたのは、血縁関係にある猫同士で集まって体を温め合うことだといわれています。密着する安心感もあったようです。冬場に見かけることの多い「猫団子」には、このような理由があるのです。
まとめ
これらの行動は、外で生活をしている野良猫ほど顕著に見られます。現在は室内飼育をしている猫も増えて、冬場も快適に過ごしているので、必ずしもこのような行動が見られるとは限りません。
しかし、本質的に猫は寒さに弱い傾向があるので、油断はせずに季節に合わせたベストな環境を用意することが大切です。室内飼育では環境を整えるのは飼い主の役目です。愛猫に健やかな生活を送ってもらえるように、冬支度を進めて行きましょう。
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