ペットシッタースクールのスキルアップセミナーで「ペットの終活」講座を開催

[2018/12/14 6:00 am | 編集部]

みなさんはペットシッターという職業をご存じでしょうか。ペットシッターとは、留守中にペットのお世話をしてくれたり、犬の場合はお散歩などを飼い主の代わりにしてくれる人です。出張や旅行時などのほか、最近では飼い主が病気や怪我で入院してしまった際にも活躍しています。

犬の散歩などを代行してくれるペットシッター

さらに、最近ではお世話(給餌や水やり)や散歩だけでなく、飼育や介護の相談にのったり、体調の変化を見つけてホームドクターに診察に行くこともあるようです。特に猫は環境の変化に敏感な動物なので、ペットホテルなどでなく自宅でいつもどおりにお世話をしてもらえるので、ストレスも少なく暮らせるといったメリットもあります。

ただし、このペットシッターは誰でもできるわけではありません。動物愛護管理法によって、第1種動物取扱業の登録を義務づけられています。第1種動物取扱業の登録には下記の3つの選択肢があります。

・営む予定の第一種動物取扱業の種別と同一種別での半年以上の実務経験があること
・営む予定の第一種動物取扱業の種別に係る知識及び技術について1年間以上教育する学校法人やその他の教育機関を卒業していること
・公平性・専門性を持った団体が行う客観的な試験によって、営む予定の第一種動物取扱業の種別に係る知識及び技術を習得していることの証明を得ていること

これらの資格を証明する書類や、そのほか必要な書類を提出して自治体に登録の手続きを行います。その際、動物取扱責任者研修も修了しなければなりません。

ペットシッタースクールのサイト

ペットシッターには国家資格はなく、民間の資格しかありません。最近では新規参入も増えており、そのクオリティが問題になっています。ペットシッターは、単に給餌、水やり、お散歩をするだけでは足りません。飼い主が留守中、愛する家族である犬や猫を安心して任せられるような良識やマナー、そして知識を有しなければなりません。それは、当該犬種・猫種に対しての知識、動物学・動物行動学、しつけ、医療といったものに加え、ビジネスマナーやペットに関わる法律を学んでこそプロといえるのではないでしょうか。

そうしたプロのペットシッターを養成しているのが、「ペットシッタースクール」です。ペットシッタースクールは、「ペットシッター」の商標をもつ、日本でもっとも古いペットシッターを養成する学校です。よくありがちな、教材と通信教育で簡単に取得できるような講座とは違います。動物行動学、動物医療、しつけ・トレーニング、カウンセリング・メンタルケア、ペットの関わる法律など各ジャンルの講師が対話・実践する講義・講習によってプロフェッショナルを育てます。

ペットシッターSOSのサイト

卒業生(資格取得者)を対象に、フランチャイズの「ペットシッターSOS」も展開し、卒業後のビジネス支援も行っています。そして、スクール卒業後も修了生を対象として、知識・技術を深められる色々なスキルアップセミナーがあり、さらに向上し続けるサポートもしています。また、ペットシッター同士が情報交換したり連携できるような懇親会も定期的に開催されています。ペットシッタースクールのペットシッターは、「ただペットのお世話をする人」から、お客様に信頼される「一番身近なペットアドバイザー」的な存在ともいえます。

ペットの終活セミナーの様子

今回の「ペットの終活セミナー」もスキルアップセミナーの一環として開催されました。当日は日本全国から約50名のペットシッターが集まりました。講師は、「ペット終活すすめ」の著者で、ブリーダーでもあるペットジャーナリストの阪根美果さんです。阪根さんは、愛犬・愛猫との別れも何度か経験しました。そのなかで学んだことがこの終活の源になっています。

司会はペットシッタースクールの倉西さん

教科書とライフノートの教材セット

今回は、前回の一般の飼い主向けセミナーと違い、プロのペットシッターさんたちです。ペトハピで連載した「ペット終活すすめ」全8回分を1冊にまとめたテキストを使い、より具体的・専門的な話になりました。さらに「ペトハピノート」は、自身だけでなく、シッター先のお客さんたちにも紹介できるように、記入方法などもレクチャーされました。

より深い内容の話に

●第1章 ペットの終活は必要ですか?
「ペットの終活」はペットが亡くなったときに後悔しないための活動です。できるだけ後悔のないペットとの別れを真剣に考えることで取り組む本当の目的が見えてきます。

●第2章 もしもの事態に備えてホームドクターをつくる
シニア期に入ったペットは「いつどうなるかわからない」という現実があります。その際、動物病院とのコミュニケーションは大切です。信頼できるホームドクターの基準、選び方などを指南。

コミュニケーションしながら講義が進みます

●第3章 ペット保険とペット信託で万が一に備えよう
ペットには公的な保険制度がありません。また、最近は2次医療も一般的になり治療費も高騰します。もしものときに備える保険の選び方、さらに飼い主の死後にペットを安心して任せられるペット信託について解説しました。

●第4章 ペトハピライフノートを作成する
ペットの終活を支えるオリジナルの「ペトハピライフノート」。終活に必要な内容が1冊にまとめられているので、とても簡単に便利に使うことができます。その記入方法やコツなどを項目ごとに解説。

ペットシッターのみなさんも真剣そのもの

●第5章 写真・画像データを整理する/思い出を整理する
ペットと暮らしていると、たくさんの写真や動画を撮ると思います。日ごろから整理しておくと、もしものときに困まりません。整理方法やフォトブックの作成なども説明。

●第6章 要介護状態になった場合を考える
元気だったペットも、いつかは介護が必要になります。ペットと飼い主双方に理想的な介護とは? また、外部の介護施設やサービスなども説明し、後悔のない介護を考えます。

講義にも熱がはいります

●第7章 「供養スタイル」を検討する
人間と違って、ペットには墓地埋葬法などの法律がありません。さまざまな供養スタイルから自分に合った方法を選ぶことで、後悔のない供養ができます。最近のペットのお墓事情も含めて説明。

細かくメモをとる人も

約60分のセミナーで、ペトハピの考える理想的な「ペットの終活」を説明してきました。ペトハピの終活は、一般的な終活とは異なり「死」ではなく「生」がテーマです。限りある命を意識することで、飼い主とペットとの毎日がより満ち足りたものへと変わっていくのです。また、日ごろから準備することで、万が一のときに慌てることがありません。それは、飼い主だけでなくペットにとっても同様なのです。万が一はペットだけでなく、飼い主にもあります。そんなときに、「ライフノート」で情報が整理できれていれば、引き継ぎも安心です。だからこそペトハピの終活は、流行ではなく飼い主としての責任=愛情のカタチと考えているのです。

懇親会の様子

ペットシッターのみなさんたちと

中身の濃い時間を過ごしました

セミナーのあとには懇親会もありました。多くのペットシッターさんとコミュニケーションし、いろいろな話ができました。やはり最近は「終活」についての相談も多く、どんな保険が良いのか、どんな供養の仕方が良いのかなど、家族の一員としてのペットについて真剣に考えているお客さんが増えているそうです。また、ペットを亡くした後に後悔ばかりが浮かんできて深いペットロスになってしまう人もいて、それを軽減するための糸口にもなりそうだとの感想もありました。今回のセミナーが大いに役立つという嬉しい声をたくさんいただきました。お客さんに信頼されるペットシッターさんへのご協力ができたことが、何よりの喜びでした。

ペトハピでは、今後も理想的なペットの終活を目指して、自分でできる「ペットの終活」を提案していきます。今回のような講演・セミナーをお受けしています。ご興味のある方は、ペトハピセミナー窓口(seminar@pet-happy.jp)までお問い合わせください。

[編集部]