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狂犬病予防ワクチン2~3年間隔でも有効 東大教授ら

[2017/10/30 6:00 am | 編集部]

狂犬病予防ワクチン2~3年間隔でも有効 東大教授ら

毎日新聞| 2017/10/18

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このコーナーでは、注目ニュースに対する編集部や識者のコメントを紹介します。

みなさんの愛犬は、年1回の狂犬病ワクチン接種を受けていますか? 義務化されていることで、年1回必要だと考え、受けている人が多いと思いますが、以前から獣医師によりワクチンの抗体化がどの程度持続するのか、見解が異なることに疑問を感じていました。

ホームドクターは「年1回となっているけど、個体によっては2~3年程度有効なのです」と以前から話していました。別の獣医師は「必ず年1回接種する必要がある」と言います。

海外ではすでに有効期限3年のワクチンが主流だと聞いていたので、なぜ日本もそうならないのかと不思議に思っていました。しかしながら、そのときには国内での狂犬病ワクチンの有効期限に関する研究発表もなく、いったいどの獣医師の言うことが正しいのかと悶々としていたものです。

今回の研究発表は、飼い主にとっては朗報です。3年に1回の接種になれば、ワクチンによる副作用のリスクはもちろんですが、飼い主の経済的な負担も軽減できるのです。3年に1回の接種になった場合、動物病院の経営には大きな打撃であると思いますが、大切なのは何よりも犬の健康です。このような研究結果が発表された以上、愛犬を家族の一員と考える飼い主が、愛犬の健康を考え、ワクチンによる副作用のリスクを避けるのは当然のこととなっていくでしょう。

飼い主のペットへの考え方は、ここ数年で大きく変化しています。また、日本では長い間の狂犬病が発症していないことで、危機感がなく、ワクチン接種自体をしないという飼い主も増えています。狂犬病予防法でワクチン接種が義務化されたのが昭和25年。それから7年で根絶し現在に至っています。

その後、東日本大震災の発生により平成23年に改正が行われましたが、これは予防注射の接種時期の緩和であり、接種自体が免除されるものではありませんでした。狂犬病に対する国としての対応、そして年1回のワクチン接種について、検討するべき時期にきているのではないでしょうか。

[編集部]