初めての飼育アイテム選び コツとツボ【ケミカル&おもちゃ編】
「寝床編」「食器編」「カラー&リード編」の3回にわたり、ペットを飼う際にそろえておくべきアイテムをご紹介してきました。これらアイテムは、ペット飼育入門者の方にとってもなじみ深いものだと思いますが、じつは、忘れられがちで大切なものもあります。今回はそんなアイテムをご紹介しましょう。話をうかがったのは、これまでにもアドバイスをいただいた、JOKER DOG&CAT AVENUE 二子玉川店 店長の中澤崇志さんと、pecos レイクタウン店の会田健人さんです。
部屋中が臭くなる前に「消臭剤」
犬は生き物ですから、当然ですが体臭があります。トイプードルやミニチュア・シュナウザー、サモエドのように、もともとニオイが少ない犬種もあるのですが、それでも無臭というわけではありません。さらに、よだれやおしっこの後始末を怠ったり、食事後に口のまわりを拭かなかったりすると、犬はたちまちのうちにニオイを放つようになります。
「ワンコといつも一緒に過ごしている方は、ニオイに慣れて無頓着になりがちです。お客さんやお隣さんにニオイを指摘されて慌てても、すでに家の中にニオイが染み付いてしまってからでは消臭が大変ですから、臭くなる前から掃除やお手入れを欠かさず行い、『消臭剤』でニオイ対策をしておくべきです」(中澤さん)
その消臭剤ですが、選択の際にもっとも大切なのは「犬の身体に悪影響を及ぼさない消臭剤を選ぶ」こと。「ペット用」と明記された消臭剤を選べば安心です。さらに、ペット用の消臭剤にはふたつの種類があり、両者を同時に使うのが効果的だそうです。
「ペット用の消臭剤には、ニオイを発生する部分に直接スプレーするタイプと、部屋の空間全体を消臭するタイプがあります。直接タイプの消臭成分は塩素系など即効性にすぐれたものが多く、トイレ以外で用を足してしまった場合や、ごはんを食べこぼした場合など、ニオイの発生源を取り除いて消臭します。植物成分などで空間を消臭するタイプは遅効性ですので、すぐにニオイが消えるわけではありませんが、使うのと使わないのでは大きな違いが出てきます」(中澤さん)
マットやベッドをいくつも用意しておいて、こまめに洗濯したり、ペット用の空気清浄機を使ったりするのも効果が高いようです。また、最近では、ペットの安全をとことん追い求めた消臭剤も発売されています。一般的な家庭用消臭剤に比べて、ややお高めの値段ですが、犬の身体を直接お手入れできるなどメリットも大きいようです。
「当店では、犬の身体を直接お手入れしながらニオイ対策もできるタイプのスプレーが人気です。例えば『ワフォナ ペット用デオドラントスプレー』は、界面活性剤や防腐剤などの化学合成物質を一切使わず、植物成分で消臭するスプレー。なめても害がないことが検査により判明しているので安心です。『ペットクール ボディケア』は、自然水を電気分解した強アルカリ水で、ペットの身体をやさしくお手入れしながらニオイの発生も防げます」(会田さん)
皮膚のトラブルや、白い犬の涙焼けなどを抑える効果もあるようです。ペットクールには、保湿機能を高めたものやダニ・ノミを寄せ付けにくいもの、ニオイ除去効果に優れたものなどさまざまなタイプが用意されていますから、お悩みに合わせて使い分けてみてもよさそうですね。
お手入れグッズで犬とのコミュニケーションを
ブラシやクシ、歯ブラシなどのお手入れグッズも、必ず用意しておきましょう。
「お手入れグッズは、犬の身体を清潔に保つためだけのものではありません。飼い主さまが犬と直接触れ合い、声をかけながらお手入れをすることでコミュニケーションが高まります。スキンシップに慣れた犬は、飼い主以外の人から撫でられるのを嫌がらなくなるため、お出かけやお散歩に安心して出かけられますし、災害などで避難する際にもトラブルを起こしにくくなります。しつけという面でも、ワンコと人のよりよい共生社会を築くうえでも大切です」(中澤さん)
わが家の愛犬も、パピーのころからスキンシップを実戦していたおかげで、お出かけ中に寄ってきた子どもが耳や尻尾をつかんでも、首に抱きついてもまったく動じず喜んで迎えてくれるいい子に育ちました。犬のストレスを抑えて、おだやかな心を育むためにも、お手入れは自分の手で積極的に行いたいですね。
「長毛種か短毛種か、被毛がシングルコートかダブルコートか、涙焼けなどのケアをする必要があるか、爪切りなどを自分の手でどこまでやるか、などにより、用意すべきお手入れグッズは変わってきます。ショップのスタッフに相談していただければ、ワンコに適したアイテムをご紹介できます」(中澤さん)
「長毛種はスリッカーとコーム、短毛種はラバーブラシなど、選び方の基本はあるのですが、やはりスタッフに相談されることをオススメします。不要なものを買ってしまったらもったいないですから」(会田さん)
また、犬とのコミュニケーションをとる手段、犬のストレスを抑える効果、しつけに役立つアイテムとして用意しておきたいのが「おもちゃ」です。
「パピーに与えたいおもちゃは、大きく3種類に分けられます。『ひとりで遊べるおもちゃ』は、歯がかゆくて何かをかじりたいパピーにとって大切になるおもちゃで、かじりやすく壊れにくいことが大切。ぬいぐるみなど柔らかいものを与えておくと、目を離した隙にバラバラに噛みちぎってしまいますから要注意です。『お留守番中のストレスを抑えるおもちゃ』は、噛んだり転がしたり試行錯誤するうちに、中からおやつが出てくるタイプがオススメです。飽きずに長く遊べますし、ワンコはなんとかおやつを食べようと知恵を巡らせますから、知育という面でも効果があるでしょう。『ワンコと飼い主が一緒に遊べるおもちゃ』は、楽しみながらコミュニケーションを育めますし、しつけに採り入れても効果があります」(中澤さん)
ただし、一緒に遊ぶためのおもちゃは、使い方にコツがあるようです。
「遊ぶときには、必ず飼い主さまから遊びに誘いましょう。また、遊びを止めるタイミングは『ワンコが飽きる前』が基本です。飽きてしまうと次につながりません。また、遊んだあとは必ず片付けてください。おもちゃにはたくさんの種類があり、それぞれのワンコによって興味を持つものが異なりますから、いろいろ試してみるのがいいでしょう」(中澤さん)
遊んでいる間に歯のケアができるおもちゃなどもあります。
「たとえば、『ハーツ デンタルティーザー』は、誤飲の心配がない形状で、ベーコンの香りがするため長く噛み続けてくれますから、歯の生え始め時期などのデンタルケア用として人気があります。『プラッツ ナイロンアントラ-』は、鹿の角のような形をしたおもちゃで、噛みちぎれない無毒性硬質ナイロンですから安心して与えられます。『ドギーマン 毎日ハミガキコットン』は、コットンを編んだロープに歯が食い込んでデンタルケアができますし、引っ張り合いなどのコミュニケーションも楽しめます」(会田さん)
おもちゃはついつい大量に買い込んでしまいがちですが、どういう場面で与えたいのか、子犬の成長にどう貢献してくれるか、を考えながら選んだほうがよさそうですね。
住所:東京都世田谷区瀬田2-32-14 玉川高島屋S・CガーデンアイランドB1
電話:03-3707-4112(トリミング直通:03-3707-4135)
URL:http://www.joker.co.jp/
住所:埼玉県越谷市レイクタウン3-1-1 イオンレイクタウンmori
電話:048-930-7481(ペット用品)
URL:http://www.aeonpet.com/
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