ペット生活ファーストステップ Vol.5

初めての飼育アイテム選び コツとツボ【寝床編】

[2015/12/22 12:00 pm | 辻村多佳志]

ペットを初めて飼うときに必要になるのが、さまざまな飼育用アイテムです。多くの人はペットショップで購入されるのではないかと思いますが、どのアイテムを選んだらいいのか、そもそも何が必要なのかがわからない場合もあるでしょう。値段だけで選ぶと失敗の元ですから、選択のコツをしっかり勉強しておきましょう。今回はペットショップ JOKER DOG&CAT AVENUE 二子玉川店の中澤店長にアドバイスをいただきました。

「まず必要なのは、ワンコの家となる『サークルとケージ』です。サークルは、部屋の中にワンコ専用の部屋をつくり休んでもらうためのアイテム。人間でいえば子ども部屋のような存在になります。家の中で飼う場合、どこにサークルを置くかはそれぞれのご家庭により異なりますが、いちばん多いケースはリビングでしょう。部屋が広いからということもありますが、もっと大きな理由は『リビングで飼うとお世話しやすい』からですね」

ペットショップ JOKER DOG&CAT AVENUE 二子玉川店 店長・中澤崇志さん

犬は孤独な環境を嫌います。いつも誰かしら人がいるリビングなら、家族と触れ合いながら暮らせますし、広ければ遊びのスペースとしてもノビノビ。犬を飼ったことで、それまで自分の部屋に閉じこもりがちだった家族がリビングに集まる機会も増えるかもしれません。でも、それならサークルなどを置かず、リビングで自由にくつろいでもらってもいいのでは。なぜサークルで仕切る必要があるのでしょうか。

「自由気ままにさせておけば、ワンコにとってはうれしいかもしれませんが、しつけの面で問題が出てきます。サークル内は自分の寝床、リビングは遊び場、と明確にしておかないと、ワンコはどんどんワガママになって、留守番ができない、ムダ吠えをする、噛みつくなどの問題行動が起こる可能性があるのです」

犬を飼う際に、適切なしつけは絶対に欠かせません。家族と犬が幸せに共存していけるかどうか、共生社会の迷惑になる行動をとらないようにできるかは、飼育の基本中の基本ですからないがしろにはできませんよね。

「もうひとつ大切なのは、『サークル内を居心地のいいプライベート空間にする』ことです。サークルの中にベッドやハウスなどを置き、快適な寝床をつくることで、ワンコは安心して休めるようになります。人間の場合も、寝室がなかったら落ち着いて眠れないですよね」

人間の都合だけでなく、犬にとって快適な環境を実現するためにはどうしたらいいか、と考えることが、アイテム選びの鉄則なのだそうです。

サークルは大きすぎず小さすぎずが鉄則

では、サークル選びのコツはなんでしょうか。中澤さんによると、「もっとも大切なのはサイズ」だそうです。

「一般的なサークルは、60cm×50cm、90cm×60cm、120cm超えなどサイズがある程度規格化されています。この中から、サークル内にベッドやトイレを置くスペースを確保できるサークルを選ぶのがコツです。また、狭すぎるのは問題外ですが、広すぎるとかえって落ち着けません。成犬になったときの身体の大きさを考え、必要最低限のサイズを選ぶといいでしょう」

サイズさえ適切なら、あとはデザインの好みや予算で選んでいいようです。とはいえサークルは、犬にとっては寛ぎの場所。中澤さんが店長を務めるJOKER DOG&CAT AVENUE 二子玉川店のお客さんは、犬との生活についてこだわりや高い意識を持っている方が多く、アイテム選びも価格の安さより品質やデザインを重視する傾向があるとか。サークルも、インテリアとのマッチングやしつけのしやすさを重視し、プレミアムなアイテムへの注目が高いそうで、店内に展示されているサークルも、廉価品とはひと味違う商品です。

「インテリア性を重視される方には、リッチェルの『ペット用木製ケージ』をオススメしています。天面と支柱に天然木を使用しており、キャスター付きでお掃除の際にも便利です。また、トイレのしつけを重視される方にオススメなのが、アドメイトの『ヴィラフォートサークル』です。サークル内が2つのスペースに仕切られ、それぞれにドアがついているため、トイレスペースと就寝スペースを覚えやすく、掃除にも便利です。」

リッチェル ペット用木製ケージ
天然木を使用したケージ。天板は簡単に脱着可能。ペット用木製ケージ 640は体重目安4~8kg、キャスター取り付け時のサイズ幅64×奥行46×高さ57cm、2万6000円(税別)。ペット用木製ケージ 940は体重目安4~20kg、キャスター取り付け時のサイズ幅93.5×奥行61.5×高さ66cm、3万3000円(税別)
アドメイト ヴィラフォートサークル
2つのスペースに分ける仕切りドアがあるので、トイレの場所を覚えやすいのが特徴。通常ドアとは別にセカンドドアからトイレを出し入れでき、頻繁に行うシーツ交換もスムーズ。食べこぼしやトイレでインテリアを汚しにくいトレー形状も魅力。2万2667円(税別)

寝心地のいいベッドや安心できるハウスも必要

また、犬はもともと洞窟の中で暮らしていた動物で、自分のまわりが囲まれ、外敵が襲ってくる心配がない安全な場所を好みます。サークルの中に置くベッドやハウスは、犬が背中をくっつけて寝られ、手足が窮屈にならないサイズの物を選びましょう。ベッドの上に屋根がある、かまくらのような形のベッドも人気が高いアイテムだそうです。

「ベッドは寝心地に直結してきますから、やはり質の高いものを選んでおきたいところです。また、ベッドやマットは頻繁に洗濯していつも清潔を保っておきたいので、洗うとへなへなになってしまうような製品よりも、つくりがしっかりしていて長く使える製品の方が、結局はおトクになることも多いのです。当店で人気が高いベッドは、appy-dogの『ダイア柄ジャガード ドーム型ドッグルーム』ラウンドカドラーです。パイル部分にオーガニックコットンを100%使用しており、夏は爽やか、秋冬は暖かいという特徴を持っています。また、ANBERSOの『プレミアムベッドII』もオススメです。洗っても詰め物が偏らず、クッション性も失われない素材を採用し、自然な体制で休めるよう形状が工夫されています。」

appy-dog ダイア柄シャガード ドーム型ドッグルーム
綿混率が高い素材を採用し、1年を通じて心地よく使えるうえに静電気もおきにくい。つくりもしっかりしている。SSサイズが1万4000円、Sサイズが1万5000円、Lサイズが2万円、すべて税別価格
ANBERSO(アンベルソ) プレミアムベッドII
硬さや性能が異なる3種類のベッド本体と、デザイン性にすぐれたベッドカバーの組み合わせ。綿ぼこりが出ずダニ・カビが発生しにくいパイプ素材を採用し、ベッド中央部には匂いを抑える活性炭を使用。中央部と外周部は別々に洗える。ベッド本体はXSサイズが1万3000円、Sサイズが1万7000円、Mサイズが2万1000円、ベッドカバーはXSサイズが4,245円~、Sサイズが4777円~、Mサイズが5309円~、すべて税別価格

「ドライブなどによく出かける、またはペットホテルに預ける機会が多そうなら、家でも持ち運び可能なハードケースに寝かせておくといいでしょう。普段とは違う場所に閉じ込められると、わんこは不安になりますが、寝床ごと外出すればストレスを和らげることができます」

旅行での宿泊や震災時の避難など、吠え声で周囲に迷惑をかけてしまいそうな場所に連れていっても、いつもの寝床があれば犬は心が落ち着きます。犬が苦手な人もいる中で人とペットが共生していくためには、普段からの心がけも必要になるわけです。

JOKER DOG&CAT AVENUE 二子玉川店
一般的なペットショップのようなケージでの展示販売は行わず、「パピーラン」「キティラン」といった広いスペースで、子犬や子猫が一緒に遊びながら運命の飼い主を待つスタイルを採用。このスペースは「ワンニャン幼稚園」と名付けられ、社会性を身に付けるトレーニングと健康管理を行っています

住所:東京都世田谷区瀬田2-32-14 玉川高島屋S・CガーデンアイランドB1
電話:03-3707-4112(トリミング直通:03-3707-4135)
URL:http://www.joker.co.jp/

[辻村多佳志]