新生活で何を選ぶ? 人気のスティック? 定番キャニスター? 奮発してロボット?

家電ライター・藤山哲人が新生活にオススメする3モデルとは?

[2017/4/4 06:01 | 藤山哲人]

4月からの新生活。これからひとり暮らしを始める人、引っ越しをする人、新社会人としてスタートする人などさまざまだ。そんな新生活を始めるには、いろいろと家電製品が必要になる。前回は空気清浄機をご紹介したが、今回のテーマは掃除機だ。

しかし、いざ掃除機選びをしようとすると、困ってしまう人が多いようだ。筆者がアドバイザーをしている某サイトでも、掃除機に関する質問をよくいただく。

そこで筆者が、3タイプのオススメ3モデルをピックアップし、三者三様のメリット・デメリット、向き・不向きをご紹介していこう。

キャニスター、スティック、ロボットタイプから、それぞれのオススメモデルをご紹介

まずは、安定の床置き式キャニスタータイプから。そして、手軽さとデザインが魅力のスティックタイプ。最後に、忙しい人やひとり暮らしの人から相談が多いロボット掃除機だ。

ヘッドに絡まった髪の毛もワンタッチで掃除! コスパもよいキャニスタータイプが、三菱「風神」

床置きのキャニスタータイプの掃除機と言えば、「ダイソン」を思い浮かべる人が多いかもしれない。相談でもファーストチョイスがダイソンだが、「高くて……」という質問内容が非常に多い。とくに新生活は何かと「物入り」なだけに、掃除機だけ豪華一点張りというワケにもいかないのが現実だ。そこで、オススメしたいのが三菱の風神。サイクロン掃除機としての性能は上位クラスに入るが、比較的リーズナブルに入手できるがポイントだ。

ペットオーナーや女性向きの三菱・風神

三菱独自のサイクロン構造は、排気がキレイで臭わないという特徴がある。この独自構造は、吸い込んだ(比較的大きな)ゴミと空気を一瞬で分離し、その後サイクロンで細かいゴミ~微粒子を遠心分離する。このため吸引したほとんどの空気が、ダストカップに溜まったゴミに触れることなく排気される。

そのため、カップ内のゴミのニオイが空気に移らず、排気が臭わないのだ。これに対して、一般的なサイクロン掃除機は、吸引した空気は必ず溜まったゴミの中を通るため、独特の嫌なニオイが掃除のあとに残ってしまう。とくに梅雨にかけては、カップの中でカビが繁殖しやすいうえ、部屋を閉め切りで掃除するので、ますますニオイがこもってしまう。でも風神ならほとんど臭わないのだ。

三菱独自のサイクロン構造は、吸い込んだら「いの一番」に大きなゴミと空気を分離。ゴミを外側の空間にためる
カップの外周部分はサイクロン構造ではなく、ゴミを溜めておくスペース。このため吸い込んだ空気にゴミのニオイが移らないので、排気が臭わない

また、重量に関しては高性能のキャニスターにしては軽い2.9kg。部屋の移動も簡単なうえ、階段を持って上がって掃除するのにも都合がいい。

とくにオススメしたいのは、女性やペットがいる家庭だ。最近の掃除機は、ヘッドの中に電動で回転するブラシを設けている。風神も然りなのだが、ここに髪の毛やペットの抜け毛などが絡んでしまうと、お手入れがかなり面倒。とはいえ、毛が絡まったまま使うと、ブラシがブラシの機能を果たさなくなって、機能が低下してしまう。

女性のひとり暮らしや家族に女性が多い場合は、髪の毛がヘッドに絡んでたいへん。ペットが換毛期のときには、ヘッドがスゴいことになる……
キツキツに絡まった毛でも、ブラシを横にサッと引き抜くと……
内蔵の小型カッターで毛が切られ、自動的にかき集められるので、面倒な絡みをほぐす作業は一切なし!

一般的な掃除機は、カッターやハサミでチマチマと髪の毛を切って取り除くが、風神はワンタッチでOK。ブラシのロックを外して、ブラシを横方向にスライドさせて抜き取ると、ヘッド内部にあるカッターが髪の毛などを切断し、絡まった毛を取り除いてくれるのだ。この間、わずか5秒ほど。このような機構を持った掃除機は少なく、これだけでも風神を選ぶ価値がある。

すき間ブラシは先端のブラシの角度が変えられるほか、長さを2倍に伸ばせる
使わないときは掃除機のホースに合体できるので、探す手間が省ける
ふとん専用ブラシもついて、アレルゲンの除去もOK

さらに、すき間ノズルは長さを2段階に調整できるほか、先端についているブラシを出し入れできるうえに、使わないときは掃除機のホースに合体できるので、片付け場所に困らない。

掃除中は本体内のLEDが点灯するので、ダストカップのゴミがうっすら見える
コンセントを抜くと中のゴミがまったく見えないので、来客の目を気にせず居間に置きっぱなしにできる

日本メーカーの細かな気遣いを感じられるのは、さらにダストカップがハーフミラーになっている点。掃除中はカップ内のLEDが点灯するので、吸い取ったゴミを確認できるが、コンセントを外すとランプが消え、外からゴミが見えない。ちょっとした機能だが、来客の目が気にならないので、居間に出しっぱなしにしておける便利な掃除機だ。

小さなダストカップのスティックでもゴミを圧縮! ペットやクルマのオーナーには東芝「トルネオ V コードレス」

スティックタイプでオススメなのは、東芝のトルネオ V コードレス(以下、トルネオ V)。新生活の限られた準備金の中でやりくりするには、ちょうどいい価格と性能のバランスだ。そのバランスのよさは、緻密に設計された本体の重量配分にもあらわれている。

弓状のグリップを中心に、真下にモーター、後部にバッテリー、すべてにサイクロン構造を配してバランスを取っている

部品の中でいちばん重たいモーターは、取っ手の真下に配置。後方には部屋を余裕で掃除できる大容量バッテリーを搭載し、前方にはダストカップとサイクロン機構を配置している。グリップを持つとヤジロベエのようにバランスが取れ、手首に負担がかからないので、軽々とラクに掃除できるのが特徴だ。

見えない粒子状のゴミでも残っていると、「ゴミセンサー」とあるランプが光り、まだ汚れが残っていることがわかる

また、運転モードを自動にすると「ゴミ残しまセンサー」と連携し、ゴミが残っているところでは吸引力を強くし、キレイになったところでは吸引力を自動で弱くする。こうして限られたバッテリー容量(運転時間)を最大限まで活かし、最長20分間の連続運転が可能だ。なお、ゴミ残しまセンサーは、目に見えない微粒子にも反応するため、フローリングを掃除すると、雑巾がけをしたあとのように、ツルツルの床になる。

電動式のトリプルファイバーヘッドでどんな床もピカピカに磨き上げる。また、壁際ピッタリまで掃除できるので、猫砂などの掃除に便利

電動式のパワーヘッドは、壁際ピッタリまで掃除ができ、壁際に残りがちな砂ゴミを一掃。ニャンコと一緒に暮らしている場合は、猫砂の掃除機に威力を発揮するだろう。なお、ブラシはじゅうたん、畳、フローリングに対応したトリプルファイバーヘッドなので、どんな家庭でもキレイにしてくれる。

さて、一般的なスティック掃除機は、サイクロン機構などが邪魔になり、ソファーなど低いすき間に入り込むのが難しい。しかし、トルネオ Vならグリップをクルッと回転すると、ヘッドを床に密着させたまま、すき間に潜らせることができる。

高さ10cm程度のすき間まで入り込むスリムさは、ロボット掃除機なみ

トルネオ Vの最大の特徴は、吸い込んだゴミを1/2まで圧縮してくれる、独自のサイクロン構造。綿ゴミやペットの毛など、かさばるゴミはダストカップが小さなスティック掃除機だと、こまめにゴミ捨てしなくてはならず面倒だ。しかし、トルネオ Vならゴミを半分に圧縮してくれるので、ゴミ捨ての回数が半分になる。週末にまとめて掃除・洗濯をするひとり暮らしの場合は、かなり重宝するはずだ。

ペットの毛などは、丸いボール状に圧縮されて、ゴミ捨ての回数が激減する

さらに、一般的なスティック掃除機のバッテリーは、500回の繰り返し充電でバッテリー交換となるので、1.5年に1度は5000円~1万円程度の交換バッテリーを購入しなければならない。スマホと同じで2年も経つと、明らかに劣化してくるのだ。しかし、トルネオ Vに搭載されているバッテリーは、2000回の繰り返し充電ができるロングライフ型。毎日掃除しても、5年半はバッテリー交換が必要ない。ランニングコスト的に見ても、かなり経済的なスティック掃除機だ。

先端ツールの豊富さは、トルネオ Vの強み
部屋だけでなくクルマの掃除でも大いに役立つ

豊富な先端ツールの数々もトルネオ Vの魅力のひとつ。ふとんブラシに、先端が直径2cm程度の超すき間ブラシ、クルマや高いところの掃除に便利な蛇腹延長ホースなど、使いやすさの枠を広げてくれる。ワンルームのひとり暮らし、クルマのオーナー、リビングのチョイがけ用にオススメだ。

忙しい共働きなら無理してもほしい! ロボット掃除機の最高峰iRobot「ルンバ980/960」

ロボット掃除機と言えば、iRobotの「ルンバ」。リーズナブルなエントリーモデルから10万円を超えるハイエンドモデルまであるが、オススメは最上位モデルの「ルンバ980」。価格はおよそ12万円と、掃除機としてはえらく高い買い物になるが、ロボット掃除機は中途半端に安いものを購入すると、あとで後悔しがちなので注意したい。

ロボット掃除機でオススメなのは、最上位モデルのルンバ980。フローリングの床だけなら9万円を切るルンバ960でもOK!

逆に言うと、ひとり暮らしのワンルームマンションなどでロボット掃除機を使うのはオーバースペック。モノが多くなりがちなワンルームは、ロボットが立ち往生しやすいうえに、掃除できるエリアが狭く、あっという間に終わってしまう。すると、ロボット掃除機が掃除できるように部屋を掃除するという、本末転倒になるので注意したい。ロボット掃除機をオススメする家庭は、モノが少なく広いリビングダイニングのマンションや一戸建てだ。

人が掃除するのと同じように、床の目に沿って矩形に部屋を掃除していく
ルンバ980の掃除イメージ

ルンバ980をオススメする理由は、とにかく掃除のやり残しがない点。そして、効率よく部屋を掃除してくれる点だ。まるでフローリングの木目を読んでいるかのように、水平・垂直に部屋を掃除する。また、上部に設けられたカメラによって、部屋全体の現在位置の把握から、進行方向の補正まで精密な計算を行うので、掃除漏れのエリアがほとんどない。

ルンバが効率よく掃除できるのは、従来からのセンサー類と最新の探索プログラム(iAdapt 2.0 ビジュアルローカリゼーション)によるもの
ルンバ900シリーズは上部にカメラを持ち、部屋の特徴をとらえて、自分の位置や進行方向などを補正する

さらに驚かされるのは、机やイスの足元にぶつかったときだ。壁であれば進行方向を変えて掃除を続行するところだが、足のような棒状のものを発見すると、そのまわりをクルリと一周してキレイに掃除をしてくれる。その姿は、誰しも「おー!」と驚くだろう。

ペットのケージや何かの作業で床にモノを広げている場合は、付属のデュアルバーチャルウォールが便利だ。赤外線で仮想的に作られた壁の中、もしくはバーチャルウォールを中心とした円内には、ルンバが進入しないようになっている。

右上にある缶コーヒーほどの筒がバーチャルウォール(発生器)。写真ではじゅうたんの敷いてある部屋には侵入しない
作業場の中心に置いておくと、ルンバはそばに寄って来なくなる。ペットのケージ付近に置いておくといいだろう

さらに、マンションなどではLDKにつながる廊下の扉から、すべての部屋のドアを開けておけば、順次すべての部屋を掃除してくれる。途中でバッテリーが切れそうになると、自動的に充電ステーションに戻り、チャージが完了すると中断地点から掃除を再開する賢さも持っている。

ルンバの吸い込みは特殊な独自構造。髪の毛や糸くずは一切ローラーに絡まらないのでメンテナンスフリーだ

一般的なロボット掃除機は、ブラシを回転させて床やカーペットのゴミを吸い取る。しかし、回転するブラシには、髪の毛や糸くずなどが絡みつきやすい。これをほどくのには。ひと苦労だ。しかし、ルンバの場合は、ふたつのローラーを使う独自機構。ちょうどコピー機が、紙を送るように2つのローラーで髪の毛や糸くずを内部まで送り込むため、そもそもローラーに毛が絡まないのだ。

段差センサーがあるので玄関で落ちたりすることもない。ドアを開けっぱなしにしておけば、留守中に全部掃除してくれる

なお、ここではルンバ980をオススメしているが、カーペットやじゅうたんを敷いていない家庭なら、バッテリー容量が少なく(連続運転時間が75分と短い。ルンバ980は120分)フローリングに特化したルンバ960でもいい。基本性能は同じで、価格はおよそ9万円まで安くなる。

共働き世帯でマンションや一戸建てに住んでいる世帯には、ぜひ無理をしてでもオススメしたいのが、ロボット掃除機・ルンバ900シリーズだ。

[藤山哲人]