ペットと一緒にお出かけしよう!Vol.1

電車、バス、飛行機などの利用ルールもきちんと守ろう

[2016/7/5 06:00 | 辻村多佳志]

愛犬と出かける旅は本当にいいものです。いつもとはまったく違う景色を前に、瞳をキラキラ輝かせる愛犬の姿を見ると、無性にうれしく楽しくなれます。クルマを持っていなくても大丈夫。犬と一緒に乗れる公共交通機関を利用すれば、おでかけエリアは飛躍的に広がります。

公共交通機関を利用してペット旅を楽しむための鉄則とは?

鉄道、バス、航空機など公共交通機関の多くは、ペット連れでも利用が可能です。しかしそこには、守らなくてはいけないルールがあります。何をおいてもまず、「ほかの人に迷惑をかけない利用方法」を心がけなくてはなりません。

わが家のクルマで旅をするなら、犬が車内を汚しても大きな声で吠え続けても、困るのは自分たちだけです。しかし、公共交通機関は多くの人が利用します。なかには動物が嫌いな人、動物アレルギーを持っている人もいるでしょう。たとえ犬好きの人であっても、車内でゆっくり休みたいのに隣でワンワンとうるさく鳴き続けられたら困るはずです。

抜け毛が舞って乗客の服を汚した、車内でおしっこをしてしまい床がビショビショ、車内にニオイが漂って気分が悪くなる人が出たなど、周囲に迷惑をかけてしまうシーンはたくさん待っています。こうした迷惑行為への対策や心構えもなしに公共交通機関を利用する飼い主がいる限り、たとえばドイツのように、犬と人が自然に共生できる社会を築くことはできません。

幸せな共生社会を築くためには「公共交通機関の利用ルール」を守り、「きちんとしたしつけ」を行わなくてはなりません。ペットが日常的に公共交通機関を利用できる社会を築けるかどうかは、飼い主の一人ひとりの行動にかかっているのです。

JRは「手回り品」扱いでペットと一緒に乗れます

では、各公共交通機関を利用するためのルールを見ていきましょう。まずはJRです。JRの規則では、ペットは「手荷物」として扱われます。車内に持ち込める手荷物は、携帯することが可能なもので、タテ・ヨコ・高さの合計が250センチ(長さは2メートルまで)以内、重さが30キロ以内のもの。いちどに2個まで持ち込むことができます。また、持ち込み料金が無料の手荷物と、手回り品のキップを購入しなくてはならない手荷物があり、ペットは「有料で持ち込める手回り品」になります。利用する場合は、乗車当日に駅の「みどりの窓口」などで「手回り品のキップ」を購入しましょう。料金は280円です。

持ち込めるペットは「小犬・猫・はと、またはこれらに類する小動物」で、うさぎやフェレット、ハムスター、小鳥などもここに含まれます。ただし「猛獣およびヘビの類を除く」となっています。

ペットはケースに入れて持ち込まなくてはなりません。「長さ70センチメートル以内、最小の立方形の長さ、幅及び高さの和が、90センチメートル程度の容器に収納したもの」で、かつ「容器に収納した重量が10キログラム以内のもの」が持ち込み許可対象です。ということは、大型犬などはたとえケースに入れても車内に持ち込めないことになります。ただ実際には、1cm、1gでもオーバーしたらすべてダメというほど厳密ではなく、ある程度は見て見ぬふりをしてくれるようです。とはいえ、持ち込みを拒否されても文句を言えないことは心得ておきましょう。

そして、もっとも大切なことは「他の乗客に危害を及ぼし、または迷惑をかけるおそれがあるペットは持ち込めない」と明確に定められていることです。車内でうるさく鳴いたり暴れたり、抜け毛や排泄で迷惑をかけたり、ニオイがあるものは持ち込めません。つまり「社会化がしっかりできていて、しつけが行き届き、身体が清潔に保たれている」ペットだけが、飼い主さんと一緒に電車旅を楽しめます。規定では明記されていませんが、ノミがいるようなペット、ワクチン接種などをしていないペットも乗せるべきではありません。

飼い主のモラルも強く求められます。駅の構内や車内でケースから出して遊ばせる、座席を占領するなどの行為は決して行ってはいけません。ペット用の指定席を買えばいいと考える人もいるようですが、そもそもペットは手荷物ですから、指定券を確保することはできません。

また、ソフトケースやペットバギーに入れての持ち込みはできませんし、通勤時など混雑時の持ち込みも不可です。

私鉄は基本的にJRと同じ。バスは各会社に確認を!

では、私鉄の場合はどうでしょう。大手私鉄について調べたところ、JRの規定に準拠するという扱いがほとんどでした。ただし地方の私鉄などでは、手荷物料金が必要ないなどの違いがあります。利用したい路線が決まったら、各私鉄に問い合わせましょう。

バスについては注意が必要です。たとえば、JR関東の高速バスは、昼行便に限り0.027立方メートル(約30cm×30cm×30cm)までの収納ケースに入れたペット(猛獣を除く)を車内に持ち込むことができますが、夜行便には乗せることができません。また、運行中に鳴き声、異臭、ケースから出すなどでほかの乗客に迷惑がかかると判断された場合、途中下車を求められることがあり、その場合でも乗車券の払い戻しはできません。一般道を走る路線バスも、各バス会社によって独自の規定がありますから、利用前に必ず確認しなくてはなりません。

一部航空会社にはペットとの旅行サービスがあります

航空機の場合は、電車やバスとは利用方法が異なります。まず、ペットはどんな小さな動物でも、たとえばハムスターや小鳥などでも、機内に持ち込むことはできません。基本的に貨物室での輸送となり、大型犬などはケージサイズの関係で乗せられないことがあります。

ペットだけを乗せる場合は「貨物」の扱いになりますが、たとえばJALは「ペットとおでかけサービス」、ANAは「ペットらくのりサービス」など、飼い主とペットが一緒に旅を楽しむためのサービスを提供しています。国内線で利用するなら当日申し込みでも受け付けてくれますが、国際便や繁忙期に利用したいなら、必ず事前予約をしておきましょう。利用料金は路線などにより異なりますが、国内線の場合は数千円が目安です。

まず、出発前にペットを運ぶための同意書を提出します。ペットは貨物室に積まれ、出発から到着までの間に世話をすることができなくなります。貨物室は空調が設けられていますから、基本的には快適に過ごせるはずですが、飛行中は大きな音や気圧の変化、暗さなどによりペットの健康に悪影響が出ないとも限りません。ペットの体調が優れないときや、環境変化に弱いペットとの旅は、避けたほうが無難かもしれません。また、フレンチ・ブルドッグやブルドッグをはじめとした短吻犬種など、一部犬種はサービスを利用することができません。

空港に到着して同意書を提出したら、手荷物カウンターにペットを預けます。ペットは必ずケージに収めなくてはなりません。貸し出し用のケージもありますが、数やサイズが限られていますし、普段お使いのケージに入っていてもらったほうがストレスも抑えられますから、可能な限り持参するべきでしょう。その後は目的地に到着してペットを受け取るまで別々に過ごすことになりますので、食事は出発前に与え、また、移動中に水が自由に飲めるよう給水器を装着しておきましょう。

そのほかにも、利用には細かい規定がありますので、各航空会社のWebサイトを事前に調べておきましょう。

[辻村多佳志]