【レポート】「TICA ASIA EAST REGIONAL AWARDS 2023-2024」表彰式

9月23日(祝)、ロイヤルパークホテル東京にて、TICA ASIA EASTの表彰式が行われました。この表彰式は、1年間キャットショーに参加し、FINALポイントを積み重ねたASIA EASTエリアの上位の猫たちが表彰される晴れ舞台です。この日は表彰される愛猫たちは自宅でお留守番なので、つまり猫のオーナーたちの晴れ舞台というわけです。装い華やかに、総勢150名を超えるオーナーたちが集合しました。

TICA(The International Cat Association)は、1979年に設立された純血種及び家庭猫の世界最大の血統登録団体です。キャットショーの公認機関としても世界最大級で、純血種のスタンダードの保全管理を徹底し、その血統を後世に繋ぐことを最大の使命としています。

本部はアメリカですが、このASIA EASTエリアではTICA傘下のキャットクラブが日本と韓国にあり、各クラブが血統の管理・血統書の発行・ショーの開催などを行っています。

TICAに登録された猫は、キャットショーでジャッジの厳正なる審査を受けます。猫種ごとに定められたスタンダードがあり、それに準じて審査が行われます。

スタンダードにより近いことはもちろん、ショーマナーやグルーミングなどすべてにおいて優れた猫が最終審査に選出され、そこからさらに順位が決められます。

その順位に相当するポイントを年間で加算していき、最終的な順位が決まるわけです。今回は、ASIA EASTの表彰式の様子をレポートします。

会場はロイヤルパークホテル東京

今回の会場であるロイヤルパークホテル東京は、アクセスに優れた立地が魅力です。東京駅からクルマで約10分の距離にあり、東京メトロ半蔵門線水天宮前駅とも直結しています。

日本橋エリアに位置し、“TOKYOと東京”、 “革新と伝統”、“新しさと懐かしさ”が調和する街並みにたたずむホテルです。その独特の温かみある空間で、訪れる人々を和洋折衷のホスピタリティで迎えてくれます。

ドレスアップした優美なオーナーたち

キャットショーでは念入りにシャンプーをした優美な愛猫が審査に臨みます。しかし、この表彰式には猫のオーナーやブリーダーだけが出席するので、愛猫に代わってドレスアップして登場することになります。

そのため、数日前からその準備をしたり、審査をしてくれたジャッジの方々や応援してくれた方々へのお礼の品を用意したり、ワクワクドキドキしながら忙しさに追われることになるのです。

当日もオーナーは表彰式の開始時間に間に合うようにドレスアップを済ませます。早朝からホテルの美容室を予約して髪のセットアップを念入りにするオーナーもいます。表彰される嬉しさと普段とは違う装いのなか、自然と笑顔になり会話が弾んでいきます。

パーティの開始前から、各テーブルを囲んでの挨拶周りが始まります。椅子の上は、みるみるお礼やお祝いの品で埋まっていくのでした。

賑わいのなかパーティがスタート

表彰式は開会の辞から始まり、TICAアジアのディレクターの挨拶、来賓挨拶、ジャッジ代表挨拶と続き、シャンパンで乾杯後、ロイヤルパークホテル東京のコース料理を楽しみます。

「サーモンのマリネ」「真鯛のボッシュ」「牛ロース肉のポワレ」など、彩鮮やかな料理が次々に提供されます。お味はとても上品で繊細。量も多すぎず少なすぎず、ちょうどよいものでした。筆者が特に気に入ったのはデザートの「ピスタチオのパルフェグラッセ」です。甘すぎず、ピスタチオの味がとても生きています。ナッツ好きの方にはぜひ食べていただきたいと思うデザートでした。

メインイベントの表彰式

そして、いよいよこの日のメインイベントである表彰式が始まりました。まずは猫種ごとの「Best Color」「Best Breed」、そしてTICAのタイトルの最高位を取得した「Supreme Grand」の表彰です。その後、2023‐2024年度のショーシーズンを走り切った各部門の猫たちの表彰が始まりました。

◆「Best HHP Kittens」(2nd-5th)
 生後4ヶ月以上8ヶ月未満の日本猫、ハーフ猫、血統不明、まだ公認されていないカラー・猫種の部
◆「Best HHP」(2nd-10th)
 生後8ヶ月以上の日本猫、ハーフ猫、血統不明、1まだ公認されていないカラー・猫種の部
◆「Best Alters」(2nd-25th)
 生後8ヶ月以上のTICA Noを持つ公認された猫種で去勢、避妊された猫の部
◆「Best Kittens」(2nd-25th)
 生後4か月以上、8ヶ月未満のTICA Noを持つ公認された猫種の子猫の部
◆「Best Shorthair Cats」(11nd-25th)
 ショートヘアの生後8ヶ月以上のTICA Noを持つ公認された猫種の成猫の部
◆「Best Longhair Cats」(16nd-25th)
 ロングヘアの生後8ヶ月以上のTICA Noを持つ公認された猫種の成猫の部
◆「Best Cats」(2nd-25th)
 生後8ヶ月以上のTICA Noを持つ公認された猫種の成猫の部
◆「Best Cat of Each Class」
 各部門のBestの猫の表彰

司会者が順位と猫の名前を読み上げると、客席からは歓声と拍手が沸き起こります。猫のオーナーやブリーダーは満面の笑みでステージに上がり、プレゼンターであるジャッジから証書と大きなリボンを受け取ります。

一年間、全国で行われるキャットショーに愛猫とともに参加し、努力を重ねた日々が走馬灯のように頭に浮かんできます。「よく頑張りました」と愛猫を誇りに思うとともに、自らも喜びと達成感を感じる瞬間です。受賞した猫のオーナーやブリーダーの幸せいっぱいの笑顔は、会場にいるすべての人を幸せな気持ちにさせていました。

表彰式のラストを飾るのは、各部門のBestの猫の表彰です。音楽が鳴り響き、ロイヤルホール入口の扉が開き、エスコートを伴って、Bestの猫のオーナーやブリーダーが華々しく登場です。

テーブルの間を歩いてステージに向かう彼らの笑顔は、嬉しさと誇らしさで溢れています。その姿を見ながら「次こそは私がこのステージに立つ」と、強く誓った人もいたことでしょう。

ステージに上がり、BESTを受賞した猫のオーナーやブリーダーが喜びを語ります。それぞれ、思いがこもった素敵なスピーチでした。大きな拍手の中、2023‐2024年度の表彰式が終了しました。終了後はキャットクラブごとに記念撮影を行い、お開きとなりました。

TICA Asia East Regionのサイトには、2023-2024年度のショースケジュールが掲載されています。1年を通じて、東京、栃木、静岡、名古屋、大阪、福岡などで開催されています。前述したようにHHPやAltersなどのクラスもあり、家庭猫であってもTICAに登録をすればキャットショーに参加することができます。また、スタンダードに沿った魅力あふれる純血種を繁殖するブリーダーに出会うまたとないチャンスでもあります。興味がある方は、キャットショーの世界を覗いてみてはいかがでしょうか。

筆者の所属するエンジョイキャットクラブの受賞者たちと記念撮影