【犬飼いTIPS】冬の乾燥時期には犬も風邪をひくの? 人間の風邪は愛犬にもうつる?

気温が低く乾燥する季節には風邪が蔓延します。すでに風邪でダウンされた人も多いのではないでしょうか。自分が体調を崩しているときに、一緒に暮らす愛犬に風邪をうつしてしまうのではないかと心配になるかもしれません。

愛犬が鼻水をたらしていたり咳をしていると心配になるかもしれませんが、犬の風邪の多くは軽症であれば自然に治ります。それでも、私たち飼い主が症状を知ることが大切です。

犬も風邪をひくの?

犬も風邪をひくことがありますが、人間の風邪とは違います。人間の風邪は、約90%はウイルスが原因とされています。冬であればコロナウイルスで、春や秋であればライノウイルスが一般的です。

犬の場合は、犬アデノウイルス(2型)、犬パラインフルエンザウイルス、気管支敗血症菌などのウイルスや細菌が原因となります。ただし、風邪の症状はひとつの感染因子だけでなく、多くの異なるウイルスや細菌や、それらの組み合わせによって引き起こされます。また、これらは犬呼吸器感染症(CIRD)複合体を構成する病原体のほんの一部です。

風邪の原因

感染する可能性がもっとも高いのは、感染している犬と直接接触したり、おもちゃや食器を共有したり、感染している犬がいた場所(特に屋内)を訪れたりすることです。

病原体には数時間しか生存できないものもあれば、数カ月生存できるものもあります。ペットサロンやペットホテル、動物病院などの屋内だけでなく、ドッグランやトレーニング施設、ドッグスポーツの会場でも呼吸器疾患の原因菌に感染する可能性はあります。

もちろん、これらの場所をすべて避ける必要はありませんが、衛生的な施設を選ぶ、感染が疑われる愛犬は連れ出さない、新たに犬を迎えるときは2週間程度は隔離するなど、飼い主ができる予防法はあります。しかし、何よりもしっかりとワクチンを接種することが大切です。

風邪の症状

犬の風邪の症状は、人間の風邪の症状とよく似ています。ほかの呼吸器感染症やインフルエンザとの区別が難しい場合もありますが、以下が一般的な症状です。

 ・くしゃみ
 ・咳(空咳はケンネルコフの可能性)
 ・鼻水
 ・目やに
 ・元気がない
 ・食欲不振
 ・呼吸困難
 ・発熱(インフルエンザの疑い)


犬が食べたり飲んだりしなくなったり、荒い呼吸をしたり、熱が出たりしたら、獣医師の診察を受ける必要があります。これらの感染症の多くはほかの犬にも感染しやすいので、前もって咳をしていることを連絡するとよいでしょう。

風邪の治療

ほとんどの犬の風邪は自然治癒するものです。愛犬が普通に生活し、食べたり飲んだりしている限り、家庭で対処することができます。

私たちと同じように、犬も水分補給が大切です。新鮮で清潔な水をいつでも飲めるようにしておきましょう。減塩のチキンスープなどをいつものフードにかけることで、食を促進させることができます。

目やにや鼻水などの分泌物を少なくとも1日2回取り除きましょう。また、室内が感想しているときは、加湿器を使い、副鼻腔に潤いを与えることも大切です。

犬の気管が炎症を起こさないように、散歩の際には首輪をハーネスに変更することも検討してください。また、気管や肺が回復するように、走ったり、激しく遊ぶことは避け、静かに過ごすようにしましょう。

咳が続く場合は、獣医師に相談しましょう。咳止め薬を処方されることもあります。くれぐれも自己判断で人間用の咳止め薬を使用してはいけません。

呼吸困難や発熱がある場合は、単なる風邪ではありません。肺炎を発症している可能性があり、抗生物質や酸素療法が必要になることもあるので、すみやかに診察を受けましょう。

人間の風邪は犬にうつる?

人間の風邪が犬にうつることはありません。人間の風邪の原因となるウイルスや細菌は種特異的であるため、犬には感染しません。その逆もまた然りです。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックでは、犬がCOVID-19に陽性反応を示したという報告は稀にありましたが、症状が非常に軽いか、あるいはまったくありませんでした。

それでも、ウイルスが突然変異を起こし、感染する動物種や病気の重症度が変わる可能性もあります。もし、あなたが風邪をひいてしまったときは、回復するまでの間、ほかの誰かに世話を頼むのが最善です。

まとめ

犬が私たちと同じような風邪をひくことはありませんが、風邪やインフルエンザのような症状を引き起こす感染因子はたくさん存在します。

風邪の予防には、特に室内でほかの犬と接触する機会を制限することですが、現実的には難しいでしょう。ですので、愛犬にワクチン接種を受けさせることが最善です。

犬の風邪の多くは軽症であれば自然に治りますが、私たち飼い主が症状を知り、蔓延を防ぐことが大切です。