歯周病予防タイトルマッチ「キシリトール」VS「エリスリトール」

キシリトールが虫歯を予防する効果があることは有名です。キシリトールと”兄弟”みたいなエスリトールも虫歯菌(ミュータンス菌)や歯周病菌(ジンジバリス菌)を攻撃することにより、予防効果があるが知られています。では、エリスリトールとキシリトールがどっちがスゴイの? この答えを教えてくれたのが、コック先生たちの論文「Erythritol Is More Effective Than Xylitol and Sorbitol in Managing Oral Health Endpoints」でした。

論文では、エリスリトールのほうがキシリトールより効果的であると結論づけています。エリスリトールは「砂糖の70%の甘み」だけど「血糖値を上昇させない」。「ゼロカロリー」で「ほぼ副作用がない」ということで、厚生労働省が食品添加物としても認めています。

前回のコラムで、エリスリトールは虫歯菌だけでなく、歯周病菌も攻撃すると説明しました。さらに、歯周病菌の中でも強い病原性を持ち最強といわれる「Pg菌」さえも攻撃する戦闘力があるのです。

じつは、このPg菌はひとりでは日和って何もできないしょぼい奴なんですが、口腔内で虫歯菌が歯にくっつき、さらに暴走族の集会のように口腔内細菌がガンガン増え、歯肉に炎症が起こり出血するようになると、状況は一変します。PG菌は大好物の血を食べて数が増え、骨を爆破して歯周ポケットという酸素のない”楽園”をつくってたむろするようになります。

最近の研究では、Pg菌は歯周病を引き起こすだけでなく、カラダ全体にも悪影響を及ぼすことが明らかになってきました。糖尿病、動脈硬化、リウマチ、アルツハイマーにも関係しているという研究結果も報告されています。さらに、新型コロナウイルス感染症を重症化させる可能性も指摘されています。

つまり、キシリトールよりもエリスリトールのほうが効果が高い。もともと、犬と猫は肝不全や低血糖になるのでキシリトールは使わないので、犬も猫もヒトもエリスリトールで歯磨きすると、歯周病菌や虫歯菌を攻撃してくれるよということです。そして、歯周病菌を抑えることで、口腔内だけでなく、全身の疾患を予防できる可能性も高いということです。