極寒の地で誕生し、強靭な体力と持久力を持つサモエド

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “真の優良ブリーダー” です。
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犬種:サモエド
犬舎名:Four Clover N. Kennel(フォークローバーエヌ犬舎)
ブリーダー/動物取扱責任者名:本多伸江
登録情報:栃動愛セ 06訓030号、栃動愛セ 06販250号
繁殖歴:26年
住所:栃木県塩谷郡塩谷町大宮
電話:0287-45-1828
FAX:0287-45-1828
メール:fcnsams@yahoo.co.jp
Webサイト:http://four-clover-n.jimdo.com

栃木県・塩谷町の田畑に囲まれた場所にある「Four Clover N Kennel(フォークローバーエヌ犬舎)」。のどかな畦道を進んだ先に自宅兼犬舎があります。敷地内にドッグランと飼育施設を備えています。もともと訓練士であった本多ブリーダーですが、恩師のお客さんがサモエドのアメリカチャンピオンを入れたことで、そのサモエドを管理することになりました。あまりの性格のよさに魅かれて、ちょうどアメリカから生後6カ月の子犬を迎える相談が来ていたので、そこからブリードをスタートしました。「サモエドは品がある顔立ちでなければならない」という本多ブリーダー。スタンダードにより近い犬を目指しながら、「品格」を備えた美しいサモエドの産出に力を注いでおり、リピーターが多い犬舎です。

サモエドの特徴と魅力

サモエドは極寒の地であるロシア北部や西シベリアのサモエド族とともに生活をしていた犬です。そこで、トナカイの番犬として、猟犬やそり犬としての役割を果たしてきました。美しい純白の被毛が特徴的なサモエドは、極寒に耐えうる皮下脂肪と豊富な被毛を備えています。均整の取れた体格は激しい作業にも耐え、強靭な体力と持久力を持っています。性格はとても社交的で、長い年月をひとつの民族と暮らし続けていたことで、人との信頼関係を築き、知的で穏やかな性格が形成されたと言われています。

そして、“サモエドスマイル”と言われる口角が上がっている表情は大きな魅力のひとつです。「わが家のサモエドは性格がよく、顔が魅力的と言われます」と本多ブリーダー。確かに、親犬も子犬もとても社交的で愛想がよく、顔立ちも凛として品があり、それが純白の被毛の美しさを引き立てています。天真爛漫に楽しそうに遊ぶ子犬たちからは、親犬から引き継いだ気質のよさと、本多ブリーダーの深い愛情を感じます。

飼育環境

犬舎は自宅の一角にあります。天井は吹き抜けになっており、季節によってオープンエアな空間になっています。冷暖房完備なので、夏と冬はエアコンを使用。その中に個々の犬が休むケージが設置されており、清潔に管理されています。自宅庭の横に広いドッグランがあり、芝生が敷かれています。そこで十分な運動をし、日光浴をしています。

「緑豊かな場所なので、昼夜問わずいろいろな野生動物がやってきます。どうしてもそうなると吠えてしまうので、夜間はケージで休んでもらいます。子犬は昼夜問わず自由にしています」と本多ブリーダー。鳥などがくると、猟欲が目覚めるようで、本来のサモエドの能力が垣間見られるそうです。ストレスフリーな飼育環境で、犬たちはのびのびと暮らしています。おおらかな性格の親犬と子犬が多いのもうなずけます。

ブリードの考え方

「海外の多くのブリーダーと交流があるので、健康で質の高い血統を入手して繁殖をしています」と本多ブリーダーは言います。まだまだ国内ではレアな犬種であるため、徐々に血が濃くなっていきます。それを解消するために、ときどき海外から犬を迎えているそうです。「よりスタンダードに近いサモエドを作出するために、ショータイプではない犬は繁殖のラインにはいれません。その上で、犬同士のマイナス面を補える交配をし、より理想とするサモエドの産出を目指しています。海外から入れる場合もその点を考慮しています」と本多ブリーダーは説明します。また、サモエドはもともとワーキングドッグなので、その性質に合わせて、きちんと動けるように育てています。訓練すれば、猟や救助犬にも使えると考えているそうです。訓練士歴34年の本多ブリーダーの経験が、サモエドの繁殖や飼育に生かされています。

遺伝的疾患についての対応

遺伝的疾患では股関節形成不全について検査をしています。股関節形成不全に関してはOFA(動物のための整形外科基金)にレントゲン写真を送り、その専門医からの診断を受けます。診断は7段階の評価で表され、Excellent(優)、Good(良)、Fair(可)の3つが正常な股関節とみなされ、ナンバー登録されます。この犬舎ではFair(可)以上の親犬だけを繁殖していますが、Fair(可)同士の繁殖はしていません。

そして、発症すると失明するというXL-PRA(進行性網膜剥離症)については、口腔粘膜を採取して海外の検査機関に送り検査します。因子を持っていないクリアな犬だけを繁殖しています。「数年前からアメリカでは甲状腺の異常に対する検査が始まりました。まだ日本では浸透していないのですが、これから徐々に始まるのではと思っています。血液検査で判断することができます」と本多ブリーダー。遺伝的疾患についてしっかりと対応すること、最新の情報をきちんと入手することも、不幸な子犬を産出しないために重要なことです。それがあれば、飼い主も安心して子犬を迎えられます。

引き渡しまでの生活環境

子犬はキッチン内に設置したお産場所で生まれます。その後、自分で排泄ができるようになってきたら、キッチンに併設されたサンルームに出られるようにします。床には殺菌効果があるおがくずが敷いてあり、そこで、母犬と本多ブリーダーの愛情を受けながら、すくすくと成長していきます。「子犬の体の成長や動きに合わせて、行動範囲を広げていきます。最終的にフリーにして、ほかの犬たちとも交流をさせていきます」と本多ブリーダー。日々、子犬を見守りながら、愛情をかけてサポートしています。そして、子犬は親犬や兄弟姉妹、ほかの犬たちと接しながら、多くのことを学び、社会性を身につけていきます。また、野生動物が生息する豊かな環境は、サモエドの性質を呼び起こすのにとても役立っているそうです。こうして子犬は成長し、生後7週目に1回目のワクチン接種。その後、2週間様子を見て、新しい家族のもとへ巣立っていきます。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

「ご相談などはいつでもお受けしています。訓練士でもあるので、お預かりしてしつけのトレーニングもお受けしています」と本多ブリーダー。飼い主はとても安心できます。サモエドはダブルコートで、被毛がかなり多い犬種です。季節によりアンダーコートが抜ける時期があるので、その時期にはこまめなお手入れが必要です。

シャンプーは汚れたときにしてあげるとよいでしょう。ただし、抜け毛を残したままシャンプーをすると、毛が固まってしまい取るのにたいへんな苦労をします。シャンプー前には十分にブラッシングをすることをオススメします。耳の中の毛も多いので、定期的に汚れを取ってあげましょう。また、暑さに弱い犬種なので、夏場はエアコン等で温度調節をするなどの対策が必要となります。

犬舎トピックス

サモエドの繁殖は不定期です。繁殖回数も抑えているので、子犬は産まれてすぐに決まってしまうことも。早めのお問い合わせをオススメします。また、本多ブリーダーは、A級ハンドラーであるとともに、訓練歴34年のプロフェッショナルな訓練士でもあります。犬種問わず、希望があれば訓練を受け付けています。フードやおやつを使用する訓練ではなく、ご家族の幸せと犬の幸せがマッチするような、個々の生活や性格に合わせた訓練をしています。興味のある人は問い合わせてみてはいかがでしょうか。