SNSで猫写真投稿前に特定の場所を把握させない場合もAIが便利

筆者は現在、SNSをほとんど使っていませんが、15年くらい前にTwitter(現X)を使っていたとき、興味深いメッセージが流れてきました。それは「外にいる猫の写真を拡散するときは、猫の背景がわからないようにして」というものでした。

理由は「猫がどこに住んでいるか特定されるかもしれないから」ということでした。猫の居場所が特定されると、悪意のある人間が猫にひどいことをする可能性がある、というわけですね。

なるほど。確かにそうだ。そう思いました。

 

そこで筆者も猫写真を拡散するような場合は、猫写真の背景をボカすなどしました。まあ当時は、外にいる猫の写真を拡散するようなことはほとんどありませんでしたが。

これは実在の場所で、美しい黒猫がいたので写真を撮りました。ありきたりの草地なので、この写真から黒猫の居場所を特定するのは難しいです。このまま「キレイな黒猫を見つけました」などとSNSで拡散しても問題ないと思います
ただ、猫の背景には場所を特定できるような「特徴的な建物など」があります。そういった写真をSNSで拡散などする場合は、背景にモザイクを入れて場所を特定できないようにする必要があります。……でもモザイク入り写真って味気ないですね

さておき、現在では生成AIを使い、前述のような猫写真を拡散などするときの対処が可能になりました。たとえばAdobe Photoshopでの「生成塗りつぶし」機能です。範囲選択した部分にAIが新たな画像を生成して、元の写真と自然に合成してくれるという機能です。

これも実在の場所で、近寄っても逃げない猫がいたので写真を撮りました。あまり特徴がない場所ですが、Adobe Photoshopでの「生成塗りつぶし」機能を使い、さらに場所の特定が難しい写真にしていきましょう
まずは写真左右を全体的に範囲選択し、生成塗りつぶしを行いました。左側の、曲がっていた壁がまっすぐに! 右側もかなり変わりました
続いて手前を生成塗りつぶし。コンクリート側溝が雑草地面に!
壁の部分を範囲選択して生成塗りつぶしすると、雑草地面の猫に!

ビフォーアフターを知らなければ、生成塗りつぶし後の写真がとても自然に見えます。ただし、生成塗りつぶし自体が「写真をフェイクする」ということでもありますので、使いどころに注意が必要です。また、写真からは場所が特定できなくても、メッセージに「○○バス停のところに猫いた!」なんて書くと、場所を特定されてしまいますので、これも注意が必要です。