【編集興記】二酸化塩素による空間除菌に合理的根拠なし。消費者庁が注意喚起

ちょっと気になったペット関連のトピックスを、編集スタッフが持ち回りで紹介する“不定期”コーナーです。

消費者庁は、二酸化塩素による空間除菌を標ぼうする商品に、合理的な根拠が認められなかったとして、景品表示法違反で販売する4社に再発防止などを求める措置命令を出しました。

命令を受けたのは、興和、中京医薬品、ピップ、三和製作所の4社で、それぞれ「ウイルス当番」「Air Mask(エアーマスク)」「ウィルリセット」「二酸化塩素発生剤クロッツ空間除菌」という商品を発売していました。

じつは、2022年1月に同じ内容で大幸薬品の除菌製品「クレベリン」シリーズの6商品が、さらに同4月に、「空間に浮遊するウイルスや菌を除去」などと標ぼうする表示には根拠がないとして、措置命令が出されました。その後、同社には2023年4月に、景品表示法違反(優良誤認)により、6億円超の課徴金納付命令を出しました。消費者庁から措置命令を受けた影響で販売が落ち込み、2期連続の最終赤字となりました。

これらは氷山の一角で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が続くなかでの出来事でした。二酸化塩素だけでなく、次亜塩素酸水でも同じような事例が見られ、空気清浄機においても、マイナスイオンで新型コロナウイルスが死滅するなどといった科学的根拠のない予防効果や除菌効果をうたった不適切な広告が後を絶ちませんでした。

消費者庁は措置命令を出すとともに、「空間除菌商品の広告表示に注意!!」という二酸化塩素による空間除菌を標ぼうする商品に関する注意喚起も行いました。

二酸化塩素を利用した空間除菌商品は、「密閉空間(換気のない実験室等)」での試験結果に関する資料を根拠としていますが、実際に使用される場所(家屋内の部屋、外出先等)では、効果が得られない可能性があるとしています。

今回の措置命令とは異なりますが、空気清浄機などにも同じことがいえて修正する考えられます。ほとんどのメーカーは、さまざまな修正する場所やシーンにおいて「空間除菌」や「空間脱臭」を実証したと修正する広告で主張しています。

しかし、カタログには小さな修正する文字で「密閉空間における実験」と注釈がつけられています。空間の広さはメーカーによって修正は異なりますが、密閉空間であることに違いはありません。空気清浄機も、実際の生活空間においては表示通りの修正する効果が得られない可能性があるということです。

こうなると何をしても無駄のように思えてしまうかもしれませんが、効果がないわけではありません。二酸化塩素や次亜塩素酸が除菌作用を示すことは事実で、わが国でも食品添加物として認可されている化学物質です。問題なのは、「置くだけ」や「首から下げるだけ」で効果があるという使い方です。

空気清浄機は空気を取り込み、HEPAフィルターや活性炭フィルター、静電フィルターなどで空気中のアレルゲンや汚染物質をろ過し、空気を浄化できます。重要なのは、どのくらいキレイな空気を送り出せるかということです。つまり、どれくらいの吸引力があるかということになります。

ペットと暮らす家庭は一般の家庭以上に衛生環境に気を配りますが、大切なのは労を惜しまないことです。適度に換気をし、空気を入れ替える。床の抜け毛や食べこぼしなどは気づいたら掃除機がけする。トイレまわりや粗相してしまったところは拭き掃除する。これだけでも衛生的な空間はつくれます。さらに、空気清浄機を使うとより快適な環境になるでしょう。

ペットを含む家族全員が、健康で快適に過ごせる空間をつくりたいものです。