【猫飼いTIPS】愛猫とともに楽しむ安全なクリスマス ~知っておきたい食材の選び方

クリスマスの陽気な雰囲気が漂うこの季節、家族の一員である愛猫とともに特別なディナーを楽しむのは素敵なアイデアです。

しかし、クリスマス料理には猫にとって安全でないものも潜んでいます。今回は、猫が安心して楽しむことができる食材と、避けたほうがよい食材について紹介します。

クリスマス料理を猫に与えてもいい?

基本的に、この時期に私たちがいつも楽しんでいるクリスマス料理は、ほとんど除外しなければなりません。甘いもの、塩っぱいもの、濃い味付けのもの、脂肪分の多いもの、さらに人間用の食品は猫にとって有毒になる可能性があります。

ただし、猫にも私たちと同じように食に対する好みがあります。彼らにも何か特別な食事をさせてあげたいと考えるのであれば、味付けされていないタンパク質を少量与えることを検討しましょう。そして、それをおやつとして考えるならば、1日に必要なカロリーの10%を超えてはいけません。

安全なクリスマスの食べ物

以下のクリスマス料理は、少量であれば猫にとって安全です。味付けはせず、無塩でバターなど脂肪分を加えず、しっかり熱をとおすようにしてください。

チキン

味付けしていない鶏肉を一口食べるのは問題ありませんが、脂肪が少なくたんぱく質が豊富なササミか、皮を取り除いたムネ肉にしましょう。クリスマスにお馴染みのローストチキンは、塩分や糖分、ガーリックなど有毒なので与えてはいけません。

ハム

健康な猫は、タマネギやニンニクを使用していない限り、少量のハムを食べることができます。ただし、ハムにはナトリウムが多く含まれていることが多いため、シニア猫や心臓病などの病気を患っている場合には与えないようにしましょう。

サツマイモ

サツマイモは猫に与えてもよい食材です。サツマイモには食物繊維やカリウム、カルシウム、ビタミンなどの栄養成分が含まれています。タンパク質やオメガ3脂肪酸が豊富に含まれるサーモンと一緒に少量与えましょう。当然ですが、味付けはせず、必ず加熱調理しましょう。

カボチャ

ハロウィンでお馴染みのカボチャも猫が食べてよい食材です。食物繊維が豊富でそれほどカロリーも高くなく、実際にペットフードにも使われています。茹でたり蒸したりしてペーストやピューレにするとよいでしょう。ただし、ヘタや外皮は猫に与えないでください。また、少量(15g程度)にとどめましょう。

サヤインゲン

緑の食材は見た目もよいですが、猫にとって色彩はそれほどこだわりはありません。猫は完全肉食動物で、生きていくためには動物性タンパク質の食事が必要ですが、好奇心旺盛な猫の場合は野菜を食べる子もいます。煮たり蒸したりしたサヤインゲンは、食物繊維がたっぷりなので与えても問題ありません。

クランベリー

もし、愛猫が酸っぱい果物に興味を示すようなら、生のクランベリーを少し与えるのはよいでしょう。クラベリーには尿路感染症の予防効果があることが知られています。また、ポリフェノールやビタミンCなどの成分が豊富で抗酸化作用も期待できます。ただし、窒息の危険を避けるために必ず細かく刻んでください。

リンゴ

リンゴは、免疫機能を高めるために必要なビタミンCを豊富に含んでいます。また、カルシウム、ビタミンK、ペクチン、皮にはファイトケミカルが多く含まれています。ただし、与える際には種と芯を取り除きましょう。そして、窒息を防ぐために小さくカットして与えましょう。

ラフランス(洋ナシ)

ラフランスにはアンモニアを体外に排出する働きがあるアスパラギン酸、免疫細胞のエネルギー代謝に関わる構成成分の銅を含んでいて、整腸効果や疲労回復効果が期待できます。種と芯を取り除き、小さくカットして与えましょう。

ホイップクリーム

クリスマスケーキにはホイップクリームがたっぷり使われています。ミルクのニオイに惹かれる猫もいることでしょう。しかし、ほとんどの猫は乳糖不耐症なので難しい問題です。A2ミルクでつくった自家製のホイップクリームであれば、数回くらい舐めても問題ありません。ただし、砂糖やそのほかの添加物は入れてはいけません。

危険なクリスマスの食べ物

猫には危険で与えてはいけないクリスマスの食材もあります。猫は容易にキッチンカウンターやテーブルに飛び乗ることができるので、以下の食材は手の届かない安全な場所に置きましょう。

マッシュポテト

欧米では、マッシュポテトは肉料理の付け合わせの定番です。最近では、クリスマスにマッシュポテトのツリー状にしたカナッペなどをパーティー料理にする家庭もあるようです。茹でたり蒸したりしたジャガイモは猫も食べられますが、塩、バターを使っているので、避けたほうがよいでしょう。

チョコレート

いかなる場合であっても、猫にチョコレートを与えてはいけません。コーヒーやチョコレートに含まれるカフェインとテオブロミンは、アルカロイドの1種で特に有毒です。摂取すると、胃腸の不調を引き起こす可能性があり、最悪の場合は死に至ります。好奇心旺盛な子であっても、近づけないようにしましょう。

ペパーミントキャンディー

アメリカではメジャーですが日本でもクリスマスになると赤と白のペパーミントキャンディーが出回ります。そのまま食べるだけでなく、飾り付けやデコレーションにも使われます。ミントの香りが好きな子もいますが、キャンディーには、猫に有毒なキシリトールが含まれていることが多いので避けたほうがよいでしょう。

ジンジャークッキー(ジンジャーブレッド)

ヨーロッパではクリスマスにジンジャークッキーを焼きます。さまざまな形がありますが、人の形をしたクッキーがメジャーでご存じの人も多いと思います。名前のとおり生姜をつかったお菓子です。生姜は少量であれば問題ありませんが、シナモンやナツメグなど、猫に有毒なスパイスが含まれているので避けましょう。

エッグノッグ

身も心も温かくなる飲み物としてクリスマスにエッグノッグをつくる家庭もあると思います。加熱した卵は猫は食べられますし、ミルクもA2対応にすればよさそうです。しかし、そのほかの食材(砂糖)が多量に使われるのでよくありません。また、ラム酒やブランデー、ウィスキーなどアルコールを加えたものは論外です。

お酒(アルコール)

いたずら好きな猫はお酒に興味があるのではなく、グラスに興味があるようです。シャンパングラス、ワイングラス、カクテルグラスなど脚のあるステムグラスは、倒したり落としたりして割ってしまうこともあり危険です。もちろん、どんなアルコール飲料であっても与えてはいけません。

ナッツ・ドライフルーツ

お酒のおともとして提供されるナッツやドライフルーツにも注意が必要です。ブドウがペットに有害な理由は解明されていませんが、ブドウ(レーズンも)を摂取すると、猫の腎臓に障害を起こすといわれています。また、高脂肪のナッツ類も嘔吐などの原因となります。

そのほかにも、クリスマス料理に限らず、よく使われる食材にタマネギ、エシャロット、ネギ、ニンニクなどがありますが、これらは胃腸の機能低下や肝臓障害を引き起こす可能性があります。たとえ調味料として少量が含まれる料理であっても与えてはいけません。

まとめ

クリスマスは楽しさとおいしさが満ち溢れる特別な時間ですが、私たちにとって特別な料理が猫にとって安全なご馳走であるかどうかを知ることは重要です。また、いつもと違う特別な飾りは好奇心旺盛な猫にとって、格好のおもちゃになってしまいます。

お互いが安全で楽しく過ごすには、何も一緒の食事をするだけではありません。例えば、ウォーターファウンテンをプレゼントして食事に楽しさを加えることもできます。

しかし、彼らにとっての最高のクリスマスは、精神的にも肉体的にも夢中にさせくれるあなたの存在です。一緒に遊んだり、くつろいだり。そんな時間がさらに絆を深めることになるですから。