【犬飼いTIPS】愛犬の爪が折れてしまった場合にできる対処と治療
犬の爪が折れたからといって、必ずしも命にかかわるわけではありませんが、1~2日以内にできるだけ早く処置する必要があります。
軽度の損傷であれば自分で対処できることもありますが、損傷が重度であれば動物病院で治療するのがよいでしょう。今回は愛犬の爪が折れてしまったときの対処についてのお話です。
犬の爪は折れやすい?
犬の爪は人間の爪と似ており、生体組織と保護コートで構成されています。生体組織は「クイック」と呼ばれ血管と神経から成り立っています。爪全体の中央に位置し骨と結合しています。
爪が伸びていくにつれてクイックも伸び続けます。クイックを保護しているのは、丈夫な細胞性タンパク質のケラチンです。
適正な長さの健康な犬の爪は、大きな外傷がない限り折れることはありません。爪ジストロフィーが原因で爪が折れる場合もありますが、まれなケースといえます。
では、なぜ犬の爪は折れるのでしょうか。爪は定期的に切ったり削ったりする必要があり、これが適時に行われないと伸びすぎた爪がカーペットや床の隙間などに引っかかり、折れてしまうのです。
犬の折れた爪を見つける
犬が足を舐めていたり、少し足を引きずっていたり、突然鳴き声をあげたり、出血が見られた場合は、足に何らかのトラブルが起きている可能性が高いです。
出血を目にすると動揺するかもしれませんが、まずは命にかかわるものでもないことを理解しておきましょう。痛すぎて舐めないこともあるので、予想以上にたくさんの血が出ているように見えるかもしれませんが、出血はやがて止まります。
まずは深呼吸をして落ち着きましょう。愛犬が興奮しているときは、話しかけたり撫でたりして落ち着かせましょう。患部は敏感になっているので、触られるのを嫌がるかもしれません。爪が完全に剥がれていたり、折れたままぶら下がっていることもあります。
犬の爪が折れるのは緊急事態なのでしょうか。慌てることはありません。程度によって対処方法は異なります。
軽度場合
軽度の損傷では、出血がすぐに止まり、痛みも長く続きません。その場合は、ほとんど治療しなくても問題ないでしょう。爪が生え変わるにはまだ数週間程度はかかりますが、出血や痛み、化膿がなければ心配ありません。
深刻な場合
より深刻な爪の損傷は、爪が割れてクイックが露出していたり、折れたままブラブラとしている場合です。その場合は、適切に爪を切断しなければなりません。自分でも処置できる場合もありますが、動物病院で処置したほうがよいでしょう。適切に対処すれば翌日には心配はなくなるはずです。
より重篤な場合
より重篤な状態は、爪の先の骨が骨折していたり、破損した爪の破片が傷に残っている場合などです。その場合、専門的な治療が必要となることが多く、数週間にわたって治療が続くこともあります。時間が経過すると、出血や痛みだけでなく、腫れや感染のリスク高まります。
感染症にかかると、犬の足指が赤く腫れてくるのがわかります。傷がより痛むので、また足を引きずるようになるかもしれないし、体調自体が悪くなることもあります。さらに、幹部から悪臭を放つ分泌物がにじみ出ることもあります。
最悪の場合、感染が足の指の骨にまで広がると、外科的切断を行わなければならないこともあります。まずは、適切な処置をして、早急に動物病院で検査して治療を開始しましょう。処置は早ければ早いほど回復への確実な道筋を確保できるということです。
犬の折れた爪の直し方
犬の折れた爪を修復するときには、まず必要なものをすべて準備しておくのが大切です。応急処置に必要なものは以下のとおりです。
愛犬の爪に合ったサイズの爪切り
止血剤(小麦粉やコーンスターチでも代用可)
清潔なガーゼ(5センチ程度あると便利)
粘着包帯
応急処置
通常は2人で行います。1人が犬をなだめ、もう1人が実際に処置をします。手順は以下の要領で行います。
【ステップ1】 爪切りで折れた部分を切りとるか、部分的に破損したり変形した爪を取り除きます。これはとても痛いので、愛犬が暴れないようにケアします。
【ステップ2】 爪を切ったら、切り口に直接止血剤を塗ります。粉末状ものものであれば粉を切り口に押し当てます。切り口が大きいようなら詰めるようにすると出血が止まります。
【ステップ3】 患部をガードするために、正方形のガーゼを幹部あてて粘着包帯で固定します。靴下などがある場合には、それを代用することもできます。
動物病院で診てもらう
小さい破損であれば応急処置で問題ありませんが、クイックが完全に露出していたり、骨まで破損している疑いがある場合は、動物病院で処置して貰う必要があります。感染症の可能性もありますので、応急処置のあとには獣医に任せたほうがよいでしょう。
爪のトラブルを防ぐには
グルーミングの一環として定期的に爪切りを行うことで爪のトラブルを防ぐことができます。ご褒美におやつを与えるなどして、爪切りをポジティブな経験にします。
もちろんペットサロンに任せることもできますが、怖がりの犬には、信頼する飼い主が最良です。子犬のときから一緒に作業することで、犬が足を触られたり、爪を切られたりすることに抵抗がなくなります。
まとめ
犬の爪が折れるのはまれではありますが、冬場は特に注意が必要な時期でもあります。通常は散歩によって自然に爪は摩耗しますが、寒いと散歩の回数や時間が少なくなり、爪が伸びやすくなります。
部屋での時間が増える時期には、愛犬の爪のメンテナンスをするよい時期と考えましょう。定期的に爪切りをしたり、肉球の状態をチェックしたりすることで、愛犬との絆が深まりますので。