【猫飼いTIPS】TICAキャットショーの2022-2023アワードパーティーが開催されました
8月20日、帝国ホテル東京で開かれた「2022-2023 TICA ASIA EAST REGIONAL AWARDS」の表彰式に参加しました。1年間を通してTICA傘下のキャットクラブのショーに出陳し、ジャッジから高評価を得続けた素晴らしい猫たちに与えられるASIA EASTエリアの表彰式です。4年ぶりに開催とあって、約130名が参加する盛大なパーティーとなりました。
TICA(THE INTERNATIONAL CAT ASSOCIATION)は、1979年に設立された純血種及び家庭猫の世界最大の血統登録団体であり、キャットショー公認機関としても世界最大級です。純血種のスタンダードの保全管理を徹底し、その血統を後世に繋ぐことを最大の使命としています。本部はアメリカですが、このASIA EASTエリアではTICA傘下のキャットクラブが日本に16団体、韓国に2団体あり、血統の管理・血統書の発行・ショーの開催などを行っています。
TICA登録キャッテリーのブリーダーは猫をショーに出陳し、ジャッジの厳正なる審査を受けます。猫種ごとに定められたスタンダードにより近い猫が、キャットショーの最終審査に選出され、順位が決まっていきます。その順位に相当するポイントを年間で加算していき、定められたルールで最終的な順位が決まるわけです。今回はその表彰式の様子をレポートします。
会場は“日本の迎賓館”帝国ホテル
会場となった帝国ホテル東京は、日本の迎賓館としての役割を担って1890年に誕生し、130余年にわたってお客さまをもてなし続けている由緒あるホテルです。さすが迎賓館と位置付けられるだけあって、過去にはハリウッドの大女優マリリンモンローやアメリカの喜劇王チャーリー・チョップリン、そしてヘレンケラーなど歴史に名を連ねる著名人が宿泊しているそうです。また、ホテルウエディングやバイキングもこの帝国ホテルから生まれたそうです。
ホテルの入口を一歩入ると、そこは隅々まで気品あふれる空間。グッと背筋が伸びるような重厚な雰囲気が漂っていました。今回の会場は本館中2階にある宴会場「光の間」。ここは2024年6月末に建て替えが予定されています。おそらく筆者が訪ねるのもこれが最後になることでしょう。そう思うと感慨深いものがあります。1年間、愛猫と共に頑張った成果をこのような場所で表彰されるのは、感無量でしょう。
この日ばかりはドレスアップ
キャットショーでは猫が主役。念入りにシャンプーをして、愛猫を優美にドレスアップして審査に臨みます。しかし、この表彰式には入賞した猫のオーナーやブリーダーだけが出席するので、この日ばかりは愛猫に代わってドレスアップして臨みます。そのため、数日前からその準備をしたり、お世話になった方や応援してくれた方へのお礼の品を用意したりと、嬉しい忙しさに追われることになるのです。
表彰式の開始は午前10時。オーナーはその時間に間に合うようにドレスアップを済ませます。表彰される嬉しさと普段とは違う装いで、ますます気分が高揚し、自然と会話が弾んでいきます。
4年ぶりの開催に感慨ひとしお
今回は4年ぶりの表彰式となりました。日本においてコロナ禍が広がり始めたのは、2020年1月頃からとされていますが、TICAのキャットショーも同年2月末から開催中止が続きました。そのため、「2019‐2020 TICA ASIA EAST REGIONAL AWARDS」は、シーズン途中での終了を余儀なくされたのでした。当然のことながら表彰式も開催できず、多くのオーナーやブリーダーが涙を飲みました。
2020‐2021年度のショーは韓国での開催のみ。2021‐2022年度は韓国と日本で開催されましたが、コロナ禍の状況によって中止を余儀なくされ、これまた通常通りとはいきませんでした。そして迎えた2022‐2023年度。通常通りにショーが開催され、TICAのキャットショーにも活気が戻ってきました。改めてショーの楽しさを感じた人も多かったことでしょう。コロナ禍の長く苦しい自粛生活を経て、4年ぶりの表彰式の開催は誰もが感慨ひとしお…。幸せな思い溢れる時間です。
いよいよパーティがスタート
表彰式は開会の辞から始まり、TICAアジアのディレクターの挨拶、来賓挨拶、ジャッジ代表挨拶と続き、シャンパンで乾杯の後、帝国ホテル東京の美味しさが集約された、彩り豊かな弁当スタイルの食事を楽しみます。この時間はそれぞれが各テーブルを回り、お世話になった方や応援してくれた方に挨拶をする時間でもあります。
コース料理では席を離れてしまえば食事が進まず、いつまでたっても食後のデザートに行きつきません。しかし、このスタイルであれば自分の手が空いた時に食事が取れるし、食事を提供するホテルスタッフが「お済ですか?」と何度もテーブルに来ることもないので、会話が途切れることもありません。そして、予定どおりの時間に表彰を始めることもできます。ディレクターをはじめ表彰式の準備を進めてきたスタッフの方々が、大いに尽力されたことを感じたのでした。
そして、いよいよ表彰式が始まりました。まずは猫種ごとの「Best Color」「Best Breed」、そしてTICAのタイトルの最高位を取得した「Supreme Grand」の表彰です。その後、2022‐2023年度のショーシーズンを走り切った各部門の猫たちの表彰が始まりました。
◆「Best HHP Kittens」(2nd-5th)
生後4ヶ月以上8ヶ月未満の日本猫、ハーフ猫、血統不明、まだ公認されていないカラー・猫種の部
◆「Best HHP」(2nd-10th)
生後8ヶ月以上の日本猫、ハーフ猫、血統不明、まだ公認されていないカラー・猫種の部
◆「Best Alters」(2nd-25th)
生後8ヶ月以上のTICA Noを持つ公認された猫種で去勢、避妊された猫の部
◆「Best Kittens」(2nd-25th)
生後4か月以上、8ヶ月未満のTICA Noを持つ公認された猫種の子猫の部
◆「Best Shorthair Cats」(11nd-25th)
ショートヘアの生後8ヶ月以上のTICA Noを持つ公認された猫種の成猫の部
◆「Best Longhair Cats」(16nd-25th)
ロングヘアの生後8ヶ月以上のTICA Noを持つ公認された猫種の成猫の部
◆「Best Cats」(2nd-25th)
生後8ヶ月以上のTICA Noを持つ公認された猫種の成猫の部
◆「Best Cat of Each Class」
各部門のBestの猫の表彰
司会者が順位と猫の名前を読み上げると、客席からは歓声と拍手が沸き起こります。オーナーやブリーダーはそれに答えるかのように笑顔でステージに上がり、プレゼンターであるジャッジから大きなリボンを受け取ります。愛猫と共に努力を重ねた日々が走馬灯のように頭に浮かび、そして達成感を感じる瞬間です。
その姿は本当に幸せそうで、会場にいるすべての人を幸せな気持ちにさせていたと思います。ステージの横には記念撮影用の金屏風が用意されていて、沢山の花束やプレゼントと共に「はい、チーズ」です。
Bestの猫のオーナーが華々しく登場
表彰式のラストを飾るのは、各部門のBestの猫の表彰です。音楽が鳴り響き、光の間の扉が開き、エスコートを伴って、華々しく登場です。テーブルの間を歩いてステージに向かうBest猫のオーナーやブリーダーの笑顔には、嬉しさと誇らしさが垣間見られます。その姿を見ながら「次こそは私が」と、強く誓った人もいたことでしょう。
ステージに上がり、それぞれが受賞の喜びを語ります。本当に思いがこもった素敵なスピーチでした。こうして大きな拍手の中、2022‐2023年度の表彰式が終了しました。終了後はキャットクラブごとに記念撮影を行い会場を後にしました。
まだ、キャットショーを見たことがない人にとっては、未知の世界だと思います。しかし、今回の表彰式に参加したオーナーやブリーダーも初めは何も知らないところからスタートしています。TICA Asia East Regionのサイトには、2023-2024年度のショースケジュールが掲載されています。
TICAのキャットショーは1年を通じて、東京、栃木、静岡、名古屋、大阪、福岡などで開催されています。前述したようにHHPやAltersなどもあり、家庭猫であってもキャットショーに参加することができます。また、スタンダードに沿った魅力あふれる純血種を繁殖するブリーダーに出会う機会でもあります。興味がある方は、キャットショーの世界を覗いてみてはいかがでしょうか。
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