【編集興記】7月6日はワクチンの日。しっかりと狂犬病予防接種を受けましょう
ちょっと気になったペット関連のトピックスを、編集スタッフが持ち回りで紹介する“不定期”コーナーです。
7月6日が「ワクチンの日」というのをご存じですか?
1885年の7月6日、“近代細菌学の開祖”といわれるフランスのルイ・パスツール博士が開発した狂犬病ワクチンが、狂犬に咬まれた少年に接種されました。治療の結果、少年は狂犬病による死から免れました。
このことを記念し、ワクチンの大切さを多くの人に知ってもらうことを目的として、医療機器メーカーの日本ベクトン・ディッキンソンが制定し、日本記念日協会により認定・登録されました。
ワクチンは感染症の予防に用いる医薬品で、感染症の原因となるウイルスや細菌を精製・加工して、病原性(毒性)を完全になくしたり弱めたりして体にとって安全な状態にしたものです。
予防接種とは、感染症の原因となる病原体に対する免疫ができる体のしくみを使って、病気に対する免疫をつけたり、免疫を強くしたりするために、ワクチン接種することをいいます。
ワクチンというと、昨今は新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が実施されてきました。みなさんも数回摂取されたのではないでしょうか。
犬のワクチンといえば、狂犬病ワクチンになります。毎年、春になると狂犬病予防接種のため動物病院が忙しくなります。
狂犬病はウイルスを持っている動物に噛まれたり、目や唇などの粘膜を舐められたりすることで、狂犬病ウイルスが筋肉から神経に入り、最終的にウイルスが脳に達して破壊することで死に至る病気です。発症すると、動物も人も100%死亡するといわれています。
日本では狂犬病が発生していないので、犬に対する狂犬病予防接種は必要ないという専門家もいますし、実際に接種していない飼い主さんもいるようです。
しかし、2020年5月には、フィリピンから入国した外国籍の男性が狂犬病を発症しました。滞在中に狂犬に左足首を噛まれたことが原因のようです。
新型コロナウイルス感染症による行動制限が解除され、海外渡航も平常に戻りつつあります。人から人に感染することはありませんが、狂犬病はすべての哺乳類に感染します。ですので、海外旅行のオプショナルツアー先で多い「動物とのふれあい」にも注意が必要です。
また、現在はさまざまな動物が海外から輸入されています。検疫対象外の動物についてはその危険性は高く、いつ狂犬病が日本に持ち込まれるかわりません。
愛犬を守ることができるのは飼い主だけです。そして、愛犬を守ることが飼い主をはじめ、ほかの人や犬や動物を守ることにもなります。年に1度、しっかりと狂犬病予防接種を受けましょう。
日本には「狂犬病予防法」という法律があります。91日齢以上の犬の飼い主は、その犬を飼ってから30日以内に管轄の市町村に犬の登録をし、鑑札を受け取る必要があります。さらに、年に1回は狂犬病予防接種を受け、注射済票の交付を受けなければなりません。これらは飼い主の義務であり、もしそれを行わない場合は20万円以下の罰金の対象となるだけでなく、犬は捕獲・抑留されてしまいます。
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