【猫飼いTIPS】猫はマグロを食べてもいいの? 与える前に知っておきたいこと
ツナ缶を開ける音で、いつの間にか足元に愛猫がスタンバイしていることがあるのではないでしょうか。「早くちょうだい!」とおねだりする子もいるでしょう。
マグロの香りと味は、猫にとってたまらないものなのです。マグロはサーモンと並び、海にたくさんいる魚のなかでもよく使われる食材です。猫はマグロを食べられるのでしょうか? 今回は食材としてのマグロについて考えてみたいと思います。
猫にまぐろを与えてもいいの?
マグロは、低カロリー・高タンパクで、ビタミンB12、ビタミンD、オメガ3脂肪酸などの栄養素が含まれています。私たちと同じように猫にも栄養価が高いのでしょうか? それともマグロは猫によくないのでしょうか?
マグロには確かに栄養面での利点があります。しかし、あまり頻繁に与えると、猫の健康問題につながる可能性があります。マグロを含む魚は、猫がもっともよくアレルギーを起こす食材の上位に入っているのです。
猫の食物アレルギーの兆候には、小さなブツブツができる、皮膚の赤みや脱毛、嘔吐などがあります。マグロやほかの種類の魚を食事に取り入れたあと、愛猫がこれらの症状を示すようになった場合、アレルギーである可能性がかなり高いです。
もうひとつの懸念は水銀中毒です。水銀は水、空気、土壌に存在する有害な金属です。すべての魚にメチル水銀が含まれていますが、マグロはほかの魚に比べて含有量が多くなっています。猫も人間も、マグロを長期間食べ続けると水銀中毒になる可能性があります。猫の水銀中毒の症状は次のとおりです。
平衡感覚を失う
歩行が不安定になる
異常行動
震えや痙攣
体や目の不随意運動
視力異常
死亡
マグロの食べ過ぎは愛猫の体重増加につながる可能性があります。マグロは人間にとっては比較的ヘルシーな食材ですが、猫にとってはカロリーが高く太りやすい食材です。
ぽっちゃりした猫はとてもかわいいですが、太りすぎると慢性炎症や心臓病、糖尿病、癌などを引き起こす可能性があります。
猫にマグロを与える際の注意点
マグロは、食べ過ぎると健康に害を及ぼす可能性がある一方で、毒性がないため食べても問題ないとされています。ただし、適度な量でなければなりません。フードの風味付けや味変、一時的にフードを食べなくなってしまった猫に使うのがベストな食材です。
生のマグロは不飽和脂肪が多く含まれ、そのバランスをとるためのビタミンEなどの抗酸化物質が含まれていません。また、メチル水銀が多い可能性があります。またマグロはタンパク質が主成分の食品なので、アレルギーを起こす可能性も常にあります。
また、サーモンなどほかの魚と同様に、マグロを与える際には必ず調理することをオススメします。米国動物病院協会(AAHA)は2012年に、猫の生食に反対する声明を発表し、全米猫獣医協会(AAFP)もこれを支持しました。
この声明では、生肉は病原体に汚染されている可能性があると書かれています。生肉に含まれる病原体の多くは、食品自体、加工や保存環境、さらには動物を介して人間に感染する可能性もあります。また、これらの病原体には、抗菌剤に耐性を持つものがあることも判明しています。
猫にマグロはどれくらい食べさせていい?
マグロ味のキャットフードは、多くの猫に人気があります。総合栄養食であれば、通常の給餌量で問題ありません。もし、いつもの食事にプラスしたり、おやつとして与える場合には、1日の総カロリーの10%以下にして理想的な体重を維持しましょう。
例えば、愛猫の体重が5kgだとします。世界小動物獣医師会(WSAVA)が発表した猫の1日のカロリーの目安は、250~290キロカロリーです。つまり、おやつから摂取するカロリーはわずか30キロカロリー以下ということになります。
マグロの切り身は1切れが15〜20g程度で20kcal程度です。したがって、体重5kgの愛猫には1切半くらいがちょうどよい量となります。
マグロそのものではなく、マグロの水煮缶の汁を猫の水飲みに入れてあげると、積極的に水を飲むようになります。
まとめ
マグロの香りと味は、猫にとってもたまらないものなのです。しかし、毎日の食事の主食としてはお勧めできません。たまのご褒美やおやつとして与えるのがよさそうです。
また、私たちのようにお刺身で食べるのは避けたほうがよいといえます。愛猫の健康のためには、ひと手間かけて調理してあげるのがよいでしょう。
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