【猫飼いTIPS】猫はドッグフードを食べても大丈夫?
愛猫に催促されてフードコンテナを開けたとき、もし、キャットフードがなかったらどうしますか? そこにドッグフードがあったらどうでしょう。猫にドッグフードを与えてもいいものでしょうか? 今回は、猫のフードスワップについてのお話です。
猫がドッグフードを食べても大丈夫?
ドッグフードは猫にとって有毒ではありません。1〜2回少量食べる程度なら問題はありません。しかし、動物栄養学的には重要な注意点があります。
まず、愛猫が腎臓病やがんを抱えている場合、少量でも問題になります。問題ないのは、あくまでも健康な成猫のみと言えます。
また、分量や回数も重要な要素です。前述のとおり、1〜2回少量を食べるくらいなら問題はありませんが、つねにドッグフードを食べ続けると、猫に必要な栄養素が摂取できなくなり、健康が損なわれます。
結論として、ドッグフードはキャットフードの代用にはならないということです。
栄養学的に猫にとってドッグフードは食べてもいい?
犬と猫は、容姿や行動だけでなく、必要な栄養素でも違いがあります。猫は完全な肉食動物であり、動物性食物にのみ含まれる栄養素を摂取します。一方、犬は雑食性です。動物性食物と植物性食物(穀物、野菜など)の両方を必要とします。
つまり、市販のドッグフードは犬にとって完全でバランスのとれたものですが、猫にとってはバランスがとれていないのです。
キャットフードとドッグフードの違い
キャットフードとドッグフードは、それぞれ犬と猫の必要とされる栄養素を含んでいます。米国飼料検査官協会(AAFCO)が定めた栄養基準によると、猫には特定のタンパク質、ビタミン、および栄養の必要性があるだけでなく、それらはライフステージによっても異なります。主な違いは次のとおりです。
フレーバー
猫は、犬とは異なる味覚を持っています。猫は犬と違って甘味を感じることができず、味覚受容器である「味」の数も違います。人間の味蕾は9,000個以上あるのに対し、犬は1,700個、猫はわずか470個しかありません。つまり、キャットフードは味覚が鈍い猫に食べてもらうために、嗜好性を高めてつくられているのです。
タンパク質
完全肉食動物であるため、猫はより高タンパクなフードが必要です。ほとんどのドッグフードは、タンパク質が18〜26%となっています。しかし、猫の場合は少なくとも30~34%で、ウェットフード(40~50%)を併用することが推奨されています。ドッグフードには高タンパクなものもありますが、猫の健康維持に必要なタンパクのレベルには至っていないようです。
タウリン
私たちと同じように、猫は、タウリンを体内でつくることができません。だからこそ、この必須アミノ酸を食事から摂取しなければなりません。タウリンが不足すると、消化不良や拡張型心筋症などを引き起こす可能性があります。一般に市販されているすべてのキャットフードにはタウリンが添加されていますが、ドッグフードにはほとんど含まれていません。
アラキドン酸
アラキドン酸も猫が自分でつくることができない不飽和脂肪酸で、必ず摂取する必要があります。アラキドン酸レベルが低下すると、皮膚に異常が見られたり、肝臓や腎臓の数値に異常がでます。犬は自分でこの脂肪酸を作り出すことができるため、ドッグフードに含まれることはありません。
ビタミンA
ビタミンAもまた、猫が自分でつくることができないため、食事で補う必要がある栄養素です。ビタミンAが不足すると、被毛の状態が悪くなったり、筋力が低下したり、眼に問題がでることもあります。ドッグフードにも含まれますが、猫のとって十分な量を含んでいません。
ナイアシン
ナイアシンも猫が自分でつくることができないため、キャットフードにはナイアシンが含まれていることが重要です。ナイアシンのもっとも一般的な供給源は動物性食物ですが、植物にも低レベルのナイアシンが含まれています。しかし、動物性成分の含有量が少なく、穀物などの植物性成分の含有量が多いフードでは、猫に必要なナイアシンを適切に摂取できない場合があります。
もし愛猫がドッグフードを食べてしまったら
あなたの愛猫が健康なら、特に心配する必要はありません。ただし、食べ続けたり、自分のフードを食べなくなってしまったりすると、下痢や嘔吐、体重減少などが見られることがあります。これは病気の兆候の可能性もあるので、速やかに獣医師に診てもらいましょう。また、アレルギーや基礎疾患がある場合は、ドッグフードを食べることで健康問題を引き起こす可能性があります。
愛猫がドッグフードを食べないようにするには?
通常はキャットフードのほうが嗜好性が高いので、猫が自分の食事よりもドッグフード好むことは少ないです。もし、ドッグフードに興味を示し続けるようであれば、ドッグフードを遠ざける必要があります。
犬と違って猫は器用なので、高いところでも、ちょっとした戸棚でも開けてけてしまいます。ですので、必ずロックのかかる戸棚に保管しましょう。また、ドライフードは冷蔵庫で保管してはいけません。温度差によって結露が生じ、カビの原因となります。
まとめ
ドッグフードを食べたがる猫は稀です。しかし、好んでドッグフードを食べる猫もいるようです。たまに少量を与える場合は問題になりません。
しかし、継続的に与えたり、食事をドッグフード代えることは、猫に重要な健康被害を起こす可能性があります。フードスワップは犬よりも猫のほうがリクスは高くなります。ドッグフードには、猫にとって必要な栄養素が少なすぎるため与えてはいけません。
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