【犬飼いTIPS】愛犬に「トリック・オア・トリート」を要求されたら? ハロウィンに注意すべきお菓子

昨今では、日本でもハロウィーンを楽しむ風潮が広がっています。家庭では、クリスマスやお正月のように、季節行事として定着している面もあるようです。ハロウィンといえば「トリック・オア・トリート」。日本でもコスチュームを着てお菓子をもらう子どもたちを見かけることもあります。

この時期、もし愛犬に「トリック・オア・トリート」をされたら? 楽しく安全に過ごすために、注意すべき点を考えてみましょう。

私たちの大好きなお菓子は愛犬には危険なものも

ハロウィンのお菓子は、私たちとって見た目も楽しくおいしいものばかりです。しかし、愛犬には毒になるものもあるので注意が必要です。

代表的なものは、チョコレートやレーズンが知られています。また、キシリトールが含まれているお菓子にも注意が必要です。キシリトールは天然の糖アルコールで砂糖の代わりに利用されています。天然なので問題ないと思われがちですが、愛犬がキシリトールを接種するとインスリンが急激に放出され、低血糖症を引き起こすことがあります。嘔吐や嗜眠などの兆候が見られます。さらに、キシリトールを大量に摂取すると、肝酵素の上昇による肝臓障害を引き起こし、命にかかわることもあります。

また、砂糖などの甘味料や油分を大量に摂取すると、胃腸の痛みや下痢、嘔吐などの症状を引き起こすことがあります。さらに、ガムやお菓子の包み紙なども注意が必要です。これらを食べてしまうと腸閉塞を起こす危険性があります。腸閉塞の原因となるものはすべて、犬の気道を塞ぎ窒息の危険性があります。

犬にとってキャンディーコーンは安全?

キャンディーコーンはアメリカでは一般的なお菓子です。この時期になるとスーパーなどの店頭にはオレンジ・黄色・白3色の三角形をしたキャンディーコーンが並びます。日本でいえば「ミルキー」のような味のキャンディーといえば想像がつくでしょうか。日本でもハロウィンの時期に目にすることが増えました。

では、このお菓子は愛犬に与えても問題ないでしょうか? 答えは「ノー」。多くの製品には、キシリトールが含まれています。仮に成分表にキシリトールがなかったとしても安全とはいえません。砂糖やコーンシロップ、油などの原材料は、嘔吐や下痢などの消化器系疾患を引き起こす可能性があるからです。

愛犬の安全を確保するためには、このようなお菓子とその類いのものを完全に禁止することが最善の方法です。

もし愛犬がお菓子を食べてしまったら

どんなに気をつけていても、事故は起こります。もし、愛犬が禁止されているお菓子を食べているのを見つけたら、すぐさま制止して取り除いてください。そして、そのお菓子の袋や容器を確保してください。成分表の情報があとで役に立つからです。

仮に問題の徴候がすぐに現れなくても注意が必要です。血糖値の低下は、摂取後30分と非常に早く起こることもあれば、半日以上経過してから兆候が現れることもあります。肝機能障害の兆候(食欲不振、嘔吐、下痢、黄疸、腹部の腫れなど)は、摂取後2~3日経ってから見られることもあります。

愛犬が問題の兆候を見せ始めたら、それが低血糖や肝機能障害に付随するかどうかに関わらず、すみやかに動物病院で診察を受けましょう。その際には、何を食べてしまったのか、食べたお菓子の袋などを持参するとよいでしょう。

まとめ

ハロウィンのお菓子は、彼らの肉球の届かないところに保存し、さらに愛犬から目を離さないようにしましょう。愛犬がキッチンのゴミ箱を探索するかもしれないからです。また、子どもがいる場合は、お菓子を分け合うことが愛情ではないことを説明するようにしましょう。

この時期に愛犬に何か与えるなら、私たちの食べる砂糖を使ったお菓子以外にしましょう。むしろ、あなたとの時間や注意に向けたほうがよいでしょう。涼しくなってきたこの季節、愛犬との絆を深めるためにも一緒にいる時間、遊びの時間を優先させたほうがよいともいえます。