【猫飼いTIPS】湿気の多い時期の猫の被毛&皮膚のお手入れ方法
秋の気配が感じられるとはいえ、まだまだ湿度が高い日が続いています。ジメジメとした湿気の多い時期は、猫も皮膚や被毛のトラブルが起きやすくなります。皮脂の分泌が盛んになるので、被毛や皮膚のベタつき、菌の増殖により皮脂腺が詰まって皮膚のトラブルに発展する可能性があります。ベタつきやすい箇所には個体差がありますが、日々のチェックで見逃さないように注意深く観察し、清潔を保つようにしましょう。
猫のベタつきやすい箇所は?
猫の体で特にベタつきやすいのは、顎(あご)、尻尾、耳です。そして、猫によっては腰のあたりもベタつきやすくなります。もし、愛猫の体にベタつきがあるようなら、コットンやガーゼ等をぬるま湯あるいはペット用のクリーナーなどで濡らして拭き取ってあげましょう。ベタつく部分によっては、よりそれを落とすのに適した方法があります。部分ごとの拭き取り方のコツを覚えておくと役に立ちます。
【顎の拭き取り方】
猫の顎の下には皮脂腺が集まっていて、じつは分泌物が多いとされています。しかし、猫が普段から行っている毛繕いでは、なかなかキレイにしにくい部分なのです。また、フードを食べるときにも汚れやすく、放っておくと、黒いボツボツとした顎ニキビ(座瘡(ざそう)と呼ばれる)の原因になってしまうことがあります。こまめなケアをして清潔を保つことが大切です。
▶STEP 1
濡らしたコットンやガーゼを10秒程度顎に当てます。背後から包み込むようにすると上手にできます。猫の顎に傷がないようなら、食塩水を使うのもひとつの方法です。殺菌作用があるので、顎ニキビの予防にもなります。食塩水を用いた場合には必ず拭き取ります。
▶STEP 2
コットンを外して5分程度おき、その後に歯ブラシで汚れをこすり取ります。用意するのは人間用の歯ブラシでOKです。ただし、あまり硬いものだと猫が痛みを感じ嫌がるので、なるべく柔らかめのものを使用します。
▶STEP 3
汚れが落ちたら、最後にウエットティッシュ等で拭き取ります。
【尻尾の拭き取り方】
ベタつきが特に強いのは、尻尾の付け根(背面)です。この部分には皮脂腺とアポクリン腺が多い尾上器官があり、その分泌物は猫のニオイ付けに使われます。分泌物が過剰になると脂肪が蓄積して、毛がベトベトになってしまいます。黄色から黒色のワックス状の物質の付着が見られます。固まってしまう前に除去しないと、毛穴に細菌が付着しやすくなるため、細菌性毛包炎、にきび、限局性蜂巣織炎、痒症などを起こす可能性があります。悪化すると皮膚がボコボコとしてくるため、その形態からスタッド(鋲)テイルと呼ばれています。分泌物が多く見られるのは、未去勢の雄ですが、去勢後や雌にも見られることがあります。スタッドテイルにならないように、こまめなケアをして清潔に保つことが大切です。
▶STEP 1
コットンやガーゼを濡らして、尻尾の毛を少し摘まみます。そして、根元から毛先に向かって立ち上げ
るようにして拭き取ります。尻尾を押さえておくと拭き取りやすいです。これを何度か繰り返して、ベ
トベトした部分をすべて拭き取ります。
▶STEP 2
最後にコームでとかして被毛を整えます。
ベトベトや汚れが酷い場合には、ペット用の油落としやクレンジングシャンプーでもみ込んだあと、ぬるま湯で洗い流す必要があるでしょう。シャンプーの際に一緒にキレイにすることをオススメします。
【耳の拭き取り方】
本来、猫の耳には自浄作用があるので汚れにくく、週に1回程度のケアが好ましいとされています。しかし、脂分が多いので、湿気が多い時期などは普段以上にべたつきやすくなります。汚れたままにしておくと、細菌や真菌(カビ)などの繁殖、耳ダニなどの寄生虫などが寄生し、外耳炎、中耳炎、内耳炎などを起こす原因となってしまいます。汚れの付着にも個体差がありますが、猫種によってもケアの頻度は変わってきます。頻繁に耳のなかをチェックして、汚れ具合に合わせてケアをして清潔に保つようにしましょう。特に折れ耳のスコティッシュフォールドや反ったアメリカンカールなどはケアが大切になります。
▶STEP 1
猫の背後から片方の手で猫の顔を押さえ、片方の耳の付け根を指で揉みます。揉むことで猫が警戒心を解くので、ケアがしやすくなります。
▶STEP 2
市販の洗浄液をカット面に染み込ませて、指に巻いて内側を優しく拭きます。指が入るところまで拭き
取れればOKです。
猫の耳は内部でL字に曲がっているので、奥のほうはケアができません。汚れが奥まである場合には無理に取ろうとせず、獣医師に相談しましょう。無理なケアは、猫の繊細な耳を傷つけてしまうことになりかねません。また、綿棒でも同じようにケアできますが、慣れないうちは猫が動いたりするので避けたほうがよいでしょう。
【腰部の拭き取り方】
猫の腰の部分もスタッドテイルと同じように、ベタベタしてくることがあります。その部分の毛をかき分けて黄色から黒色のワックス状の物質の付着が見られるようなら、前述した【尻尾の拭き取り方】と同じようにケアするとよいでしょう。
また、湿度が高い梅雨の時期は、背中などの被毛が絡みやすくなり、さらに抜け毛があると毛玉になってしまいます。毛玉になった部分は皮膚が蒸れやすくなるため、皮膚炎や真菌(カビ)の原因になります。そうならないためには日ごろからブラッシングを行い、毛並みを整えてあげることが大切です。毛玉は背中をブラッシングする時には、頭側から尻尾の毛並みに沿って優しくとかします。長毛種は1日1回、短毛種でも週に2~3回を目安に行いましょう。
まとめ
ジメジメとした湿気の多い時期は、猫も皮膚や被毛のトラブルが起きやすくなります。しかし、飼い主が日々にしっかりと愛猫のチェックを行い、必要なケアを行うことでトラブルを回避することができます。大切な愛猫が不快な思いをしないように、病気になって辛い目に遭わないように、飼い主としてできることをしてあげましょう。
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