【犬飼いTIPS】なぜ犬はオスだけでなくメスでもマウンティングするの?
マウンティング(ハンピングとも呼ばれる)とは、犬がほかの犬にまたがり、骨盤を何度も突き出す動作のことです。マウンティング行動は、ほかの犬だけでなく、人やおもちゃ、家具あるいはエアーハンプ(いわゆる何もない空中でマウンティングする)こともあります。
また、オスだけでなくメスでも、不妊手術(避妊・去勢)の有無にかかわらず、マウンティング行動をします。では、マウンティングをするのでしょうか。今回は、マウンティングについてのお話です。
犬がマウンティングする理由
マウンティングは、生後3~6週齢の子犬に見られる自然で本能的な行動で、遊びのなかで行われることがほとんどです。オスとメスの子犬がお互いにマウンティングすることもあります。
成犬がほかの犬や人と遊んでいるときにもマウンティングが起こることがあります。マウンティングは性的な動機によるものと思われがちですが、じつはそうではありません。
去勢していないオスの場合、マウンティングはテストステロンに影響され、避妊していないメスや発情期のメスがいると起こります。去勢手術をすればマウンティング行動はなくなると思われています。実際に去勢後にはマウンティングは50~60%減少します。
しかし、すべてのマウンティングが性的な行動というわけではありません。必ずしもホルモンが原因で起こるわけではないのです。
遊びの最中やほかの犬に出会ったとき、大好きな人を見たときなど興奮したときにマウンティングが起こることがあります。また、飼い主やほかの人の注意を引くためにマウンティングすることもあります。
マウンティングは、犬の社会的地位を伝えるひとつの方法にすることができます。一部の犬は自分のステータスを主張するためにほかの犬をマウントすることがあります。
愛犬が突然マウンティングするようになる
犬種にもよりますが、オスが生後6〜18カ月ころに性成熟を迎えると、突然このような行動をとるようになることがあります。メスのなかには、発情期になると人や物にマウンティングすることがあります。この時期にマウンティングの回数が増えるようであれば、ホルモンによる可能性が高いです。
もし、すでに不妊手術しているのであれば、この行動には学習されたものである可能性もあります。犬がマウンティングするたびに、あなたは不注意にもその行動を強化しているかもしれません。
たとえば、彼らは遊びたいということを伝えるために、あなたにマウンティングすることがあります。あなたはそれを、手や足を使って彼らを押し退けるかもしれません。すると彼らは「この戦略はあなたの注意を得るために有効だった」と認識し、遊びたいときはマウンティングするようになります。
なぜ人にもマウンティングするの?
犬が興奮したときに、人に対してマウンティングすることがあります。これは精神的、感情的な興奮の表れです。この行動は、犬の身体的な発散であったり、注意を引こうとする方法であったりします。また、マウンティングが噛みつきにエスカレートする犬もいます。
犬は、マウンティングする人を選ぶことがあります。それは、その人を好んでいる証拠かもしれません。あるいは、じつはその人に不安を感じているサインかもしれません。その人と犬の関係を見て、その動機を理解する必要があります。
犬だけでなく猫にもマウンティングするの?
愛犬が愛猫にじゃれつくのは、普段から一緒に遊んでいるのであれば、興奮の表れか遊びの一環かもしれません。小型犬のなかには、猫との間に社会的な対立がある場合、猫にマウンティングすることがあります。
犬のマウンティングが問題になる場合
マウンティングが頻繁に繰り返されているときに問題となることがあります。マウンティングしないように気をそらしたり、別のことをするように仕向けることが難しい場合、強迫観念の兆候かもしれません。
オスの場合、マウンティングが頻繁に行われると、包皮に皮膚炎を起こすことがあります。ペニスの先端に傷をつけてしまうことは深刻な問題です。この病変は痛みを伴い、場合によっては尿道が塞がれることもあります。
また、腰や膝に椎間板変性症や変形性関節症がある場合、マウンティングを頻繁に行うと、痛みが悪化することがあります。
まとめ
愛犬がほかの犬や人、子どもにマウンティングする姿は、とても恥ずかしいものです。愛犬を引き離したり、叱ったりしてしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。しかし、それはマウンティングを止めるための教育にはなりません。
よりよい方法としては、犬の気をそらし、別の行動をとるように仕向けることです。例えば、愛犬の注意をおもちゃに集中させたり、あなたの隣に座るか横になるように仕向けるなど、犬を落ち着かせる行動をさせることです。
愛犬がより適切な行動をとったら、褒めて、なでて、おやつをあげましょう。
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