【猫飼いTIPS】猫は私たちのように食べ過ぎてしゃっくりやゲップをしますか?
私たちは猫を溺愛するあまり、自分たちの感情や行動を猫に当てはめてしまうことがよくあります。猫が私たちの気持ちを理解できると信じているし、自分に懐いて、賢く、繊細だと思っています。
しかし、身体的なことについてはどうでしょうか? 猫も人間と同じように疲れたり、病気になったりすることは知られていますが、それ以外にはどこまで似ているのでしょうか。
例えば、多くの人が食べ過ぎたり、飲みすぎたりするとしゃっくりやゲップをします。犬も大量の水を飲んだあとには、よくゲップをします。ごく普通のことであり、心配する必要はありません。しかし、猫はしゃっくりやゲップをすることがあるのでしょうか。何か問題があるのでしょうか。今回は、猫のしゃっくとゲップについてのお話です。
猫のしゃっくりの原因は何ですか?
しゃっくりは一般的に、声門が閉じるのと同時に横隔膜が不随意に収縮することで起こります。これは、横隔膜につながる神経が刺激されることで起こります。
では、なぜしゃっくりは起こるのでしょうか? 理由はさまざまですが、私たちと同じように食べ過ぎや早食いがもっとも多いようです。猫は食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまうので、余分な空気を一緒に吸い込んでしまい、横隔膜が痙攣してしまうのです。特に、子猫によく見られますが、成猫でも起こる可能性があるようです。
毛玉もよくある原因としてあげられます。喉に詰まった毛を取り除こうとすることで、喉が刺激されてしゃっくりが出てしまうのです。もしかしたら、吐き出しと交互にしゃっくりをしている姿を見たことがあるかもしれません。
ただし、長期間しゃっくりをしている場合、特に高齢猫の場合は、喘息、腫瘍、心臓病、あるいは寄生虫、異物混入、食物アレルギーなど、より深刻な問題の兆候である可能性があるので注意が必要です。
猫がしゃっくりしたときはどうしたらいいの?
通常のしゃっくりは、1日以内に(自然に)終わります。食後に定期的にしゃっくりをしている場合は、食べ過ぎや早食いが原因の可能性があので、注意深く観察する必要があります。長期にわたってしゃっくりが続いたり、頻繁にしゃっくりする場合は動物病院で診断を受けましょう。
しゃっくりが食べ物や水に関係しているようであれば、それを軽減するためにできることはいくつかあります。一般的なアドバイスとしては、猫に十分な量のフードと水を用意し、猫が静かに食事できる場所と時間を用意してあげることです。
過食が原因の場合は、食事の量を減らして数回に分けたり、フードボウルの位置を高くするなど、ゆっくり食べるように仕向けることをオススメします。
また、多頭飼育の場合は、フードや水を奪い合わないように、複数個を数カ所に分けて置くことも検討しましょう。
毛玉が原因と思われるしゃっくりの場合は、毛玉対策に特化したフードに変えたり、毛玉吐きを防止するサプリメント(ラキサトーン)を試してみるのも一案ですが、コミュニケーションの一貫として、日ごろからブラッシングしてあげるものよいでしょう。
では、猫がゲップをするのも普通のこと?
ひと言でいえば「いいえ」です。通常、猫は夕食を終えてソファに横になっているときに、私たちのように大きなゲップをすることはありません。猫のゲップは稀で、日常的に見られることはほとんどありません。猫は主に鼻で呼吸しているので、消化管に余分な空気が入ることはほかの動物に比べて比較的少ないのです。
では、なぜゲップをすることがあるのでしょうか。多くの猫は胃腸が敏感です。毛玉、胃酸の逆流、消化不良など問題があると、ゲップが出ることもあります。ごく稀に、おやつを与えたり、薬を投与したりしたときに、猫が余分な空気を一緒に吸い込んでしまい、ゲップが出てしまうこともあります。
また、ゲップは食道炎である可能性もあります。食道炎は、経口薬(錠剤)を投与したときに起こることがあります。硬い物質が、猫の食道に傷をつけてしまうのです。
さらに、猫の炎症性腸疾患(IBD)の可能性もあります。IBDは猫の消化器系に影響を与える疾患のひとつで、消化管全体の炎症が特徴です。正確な病気の種類は、炎症が起こる場所によって異なります。IBDの猫は、ゲップ以外にも、嘔吐、下痢、血便、元気がない(無気力)、フードに興味を示さない、体重減少などの症状が出ることがあります。
猫がゲップしたときはどうしたらいいの?
猫がゲップしたとしても、心配することはありません。猫がゲップをする原因は、必ずしも根本的な問題があるわけではありません。ほどんどの場合は、余分な空気を飲み込んだときに起こります。たまにゲップする程度なら気にすることはありません。
習慣や日常生活のなかで余分な空気を飲み込んでしまうとゲップが出やすくなる猫もいます。しかし、頻繁にゲップをしたり、似たような音を過剰に出している場合は、できるだけ早く動物病院で診察を受けてください。それ以外にも、鼻づまり、くしゃみ、過剰な嘔吐などの症状がある場合は、根本的な問題があり治療が必要であることを示しています。
猫が頻繁にゲップをしたり、呼吸が苦しそうだったり、嘔吐や下痢などの消化器系の症状が出ている場合は重篤な疾患の可能性があります。獣医師に見せるために、ゲップやほかの異常な音、行動などをスマホで録音・録画しておくとよいでしょう。ご存じのように、ペットは動物病院に到着してから症状を示すことはほとんどありません。
まとめ
猫のしゃっくりやゲップは、頻繁に目にすることではありません。ただ、偶然それを目撃したからといって、ただちに重篤な疾患であると心配する必要はありません。単純にフードやおやつを欲張りすぎて、一緒に余分な空気を吸込でしまったというケースがほとんでしょう。
食事や薬を与えるときには、一緒に水を与えることが大切です。また、食事を数回に分けて与えることも大切です。多頭飼育の場合は、それぞれが焦らずに安心して食べられるように、個々のフードボウルを用意することも検討してみてください。
ただし、頻繁にしゃっくりやゲップしたり、慢性的に出るようであれば、体に何か異常が起こっている可能性があります。いつもと違って元気がなかったり、食欲がなかったり、嘔吐や下痢、血便など症状が見られたら、速やかに診察を受けましょう。いつも愛猫を見ていれば、ちょっとした異変にすぐに気づいてあげられるはずです。
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