猫の驚きの出産
ある日の夜、出産の兆候を見せ始めた母猫。2時間おきに起きて朝まで様子を見ましたが、やっと翌日の朝8時ごろに破水。ですが、母猫は産箱のんかをぐるぐる回り、横になりません。何やら様子がおかしいと思いながら、ほかの猫たちや犬の世話をしていました。
すると、どこからか子猫の鳴き声がします。慌てて産箱を覗きましたが、子猫は産まれていません。「何で?」と思いながら母猫のお尻を覗くと、すでに羊膜が破れて、子猫の鼻と口だけが出ている状態。その状態で子猫が鳴いています。
でも母猫は陣痛を感じていないのか、力むどころか動き回っているだけです。「これは大変。引っ張り出さなきゃ」ということで、急いでそのための準備をしました。しかし、子猫を出すには手を中にいれて体ごと引っ張らないと、子猫が死んでしまいます。頭だけ出たところで留まってしまうと息ができなくなり窒息してしまうからです。何度かチャレンジしましたが、母猫も動くし、お尻を触られるのを嫌がるしで、うまくいきません。
これは私では無理と判断して、動物病院へクルマを走らせました。道中、ノロノロ走るクルマにいらいらしながら病院へ到着。そして、母猫を私が押さえて、子猫を引っ張り出すのは先生にお願いして、無事に出産。子猫は元気に鳴いて、動いていました。先生も看護師さんも私も一緒に「おめでとう!」。
母猫は前回も1頭、今回も1頭の出産です。大きな女の子ですが、1頭しか産まないので、それが出産のトラブルになっているのかもしれません。子猫も120gと決して大きいわけではないので。「よい判断でしたね。ブリーダーの判断や行動次第で子猫の命はもちろん母猫もなくなる場合があります。知識と経験が重要ですね」と先生。これからも精進せねばと心に誓いました。
何はともあれ、鼻と口だけ出して鳴いて頑張った子猫に「あっぱれ!」。 すくすくと育ってもらいたいです。そして、頑張ってくれた母猫にも「偉い!」。
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