ペットの輸血事情

人間の場合は、全国に日本赤十字社の血液センターがあり、緊急の場合も血液が確保できるような献血のシステムが確立されています。しかし、ペットの場合はそのようなシステムがありません。そのため、万が一輸血が必要になった場合には、病院ごとに用意するしかないのが現状です。どういうことか説明しますと、ペット同士の献血の協力、あるいは動物病院で飼っている犬や猫の協力のいずれかで成り立っています。

以前、わが家の猫が極度の貧血で輸血が必要になったことがありました。じつは病院ごとに献血が可能な基準があるのです。猫の場合、年齢は1~7歳、体重4㎏以上、混合ワクチンを毎年受けている、輸血を受けたことがない、猫免疫不全ウイルスなどの感染症にかかったことがない、妊娠・出産の経験がないなどが条件でした。ということで、条件にばっちり合うわが家のメインクーンの男の子に献血をお願いしたわけです。

猫の場合は体重1㎏に対して採血量は10㎖です。その子は9㎏という体重でしたので、90㎖までの採血が可能ということになります。犬の場合は1回に150~200㎖が必要なため、大型犬の献血になるそうです。猫の血液は犬に比べると保存がきかないため、わが家の猫にはすぐに輸血されました。

しかし、猫にも血液型があります。なので、やみくもに輸血をすることができないのです。猫はA型、B型、AB型の3種類に分類ができます。多いのはA型です。もちろん輸血の前には獣医師が血液型を調べるのですが、B型の猫にA型の血液を輸血すると死に至るような溶血反応を起こすことがあるので、注意が必要なのです。万が一に備えて、血液型を調べておくと安心です。

わが家の子は1日1回の輸血を数日行うことで少しずつ数値が戻り、健康体を取り戻しました。わが家はブリーダーなので、3頭の男の子で献血をすることができたので本当に助かりました。ペットの命を繋ぐためには輸血が必要な場合も多いことでしょう。献血の協力を求めている動物病院もあるようです。協力を申し出ることも命を助ける大切な活動だと思います。わが家はかかりつけの獣医師に「何かあれば言ってください」と伝えています。