犬・猫宿泊OKの琵琶湖湖畔の民宿に泊まる旅

滋賀県大津市にある「宿屋 きよみ荘」は、琵琶湖湖畔の真野浜水泳場内にあります。比良山系の比叡山系を望む「日本の水浴場88選」に選ばれた場所であり、美しい景色も眺めることができます。

“人もペットも笑顔になれる宿”というコンセプトのもと、アットホームでシンプルな接客を心がけていて、ペットと一緒に気軽に旅行を楽しめる宿です。宿の目の前は琵琶湖。開放的なレストランからは、その美しい自然を堪能することができます。「湖畔の散歩も楽しいし、夏場は湖で愛犬と一緒に泳げますよ」と宿のオーナーの山田夫妻。今回はわが家の愛犬であるウイペットの「ジギーベイ&リーティラ」と1泊2日の旅に出かけました。

初めての長距離ドライブでクルマ酔い

千葉県在住の私は、自宅最寄りのインターチェンジから高速道路に乗ります。朝6時に出発したのですが、平日の通勤ラッシュにぶつかり、かなりの時間ロス。もともとクルマ酔いしやすい「リーティラ」はよだれダラダラ。そのことをわかっていたので、リーティラ用に後部座席に大きなクレートを用意し、そのなかに入ってもらっての移動でした。敷いてある敷物もよだれで濡れてしまうので、何枚も替えを持参。新東名高速道路の遠州森町PAで休憩をした際に取り替えてクレート内をキレイにしました。

クルマ酔いなので、クルマが停まれば「リーティラ」は何事もなかったように元気になります。「クルマ酔いするから出かけない」ではなくて、慣れもあるので少しずつ改善すればと考えています。「ジギーベイ」はまったくクルマ酔いしないので、助手席でフリーです。いつか「リーティラ」もそうなればよいと長い目で見守っています。クルマで訪れた先が楽しい場所であれば、徐々にクルマ酔いも解消されストレスも少なくてすむかもしれません。

全室レイクビューの快適な部屋に泊まる

駐車場にクルマを停めて、奥に進むと「宿屋 きよみ荘」のフロントがあります。ジギーベイとリーティラはリードフックがあったので、外で待ってもらいました。チェックインの際には宿泊内容の確認をして、館内の利用方法などの説明を受けます。宿泊できるのは基本的なしつけができている室内犬で、大型犬も多数頭でも大歓迎という宿です。このほか、猫、ウサギ、鳥なども宿泊可能です。特にワクチン接種等の証明書の提示は求められませんでした。利用料金は小型犬1頭1030円、中・大型犬1頭2060円で、1室につき2頭目からは半額という良心的な価格設定なのです。

鍵を受け取り、宿泊する部屋に向かいました。宿泊するのは別館の1Fにある和室(禁煙)で、玄関を入った先に入口があります。万が一、ペットが部屋から飛び出しても、玄関のドアがあるのでとても安心な造りです。リフォームしたてなのか畳のニオイが香る清潔な部屋で、目の前には琵琶湖が広がり、なんとも癒される空間です。テーブルの上には、「ペットと一緒に宿泊される方へ」「ぺット連れ旅行に役立つ?お店」などが書かれたファイルが置いてあります。まずはそれに目を通します。

ペット用のアメニティは粘着ローラーだけなので、そのほかの必要なものは持参することになります。ペットはお部屋に放しても大丈夫ですが、私は折り畳み式のケージとクレートを持参しました。部屋の隅にビニールシートを敷いて、その上に設置しました。悪戯をしてしまう場合には、サークルやケージを持参することをオススメします。

少し落ち着いてから宿の目の前の琵琶湖湖畔で散歩をしました。ジギーベイもリーティラも怖くて波打ち際まで行けません(笑)。そのためちょっと離れたところで記念撮影をお願いしました。

楽しみにしていた「淡海(たんかい)地鶏」を鍋で食す

夕食はフロント横のお食事処でいただきます。愛犬と一緒に入ることができるので、お留守番が苦手な愛犬でも安心して連れてくることができます。もし、部屋食にしたい場合には、メニューによりおひとり様1000円アップで可能です。

夕食は、近江牛のしゃぶしゃぶ・すき焼き・BBQ、豚しゃぶ、淡海地鶏炭火焼などいくつかのメニューから選ぶことができます。私が選んだのは、とっても楽しみにしていた「淡海地鶏鍋」です。じつはこの淡海地鶏の淡海(たんかい)は、滋賀県大津市堅田出身の喜劇役者・志賀廼家淡海(しがのやたんかい)にあやかって命名されたそうです。毎日でも食べられる癖のない脂と適度な歯ごたえが人気だとか。そのため地元の人は誰でも口にしたことがあるという愛される地鶏なのです。その鍋を食べるのも今回の目的のひとつでした。

やはり前評判どおり、とてもおいしい淡海地鶏鍋でした。そのほかにも天ぷら、茹でピーナッツ、おしんこも付いています。嬉しかったのは、最後の締めの雑炊です。これがまた野菜や地鶏の味が染み込んでいて、奥深い味でおいしい。自然と箸が進みます。そして、食後のコーヒーとアイスクリームはサービスです。お腹いっぱいと言いつつ、全部たいらげました(笑)。

食後はお部屋で少し休憩です。ジギーベイとリーティラも座布団の上で寛ぎます。お食事処の横にもちょっとした寛ぎスペースがあり、コーヒーやお茶など無料で飲むことができます。この宿に泊まった愛犬たちの写真も掲示されていて、素敵な空間でした。フロント横には滋賀県の名産品が販売されています。滋賀県・近江八幡の名物「赤こんにゃく」や野生の鹿のペット用ジャーキー、信楽焼のビアグラスなどがありました。

“美肌の湯”雄琴温泉もオススメ

宿のお風呂は家族風呂になります。普通のお風呂よりも少し広めという感じです。私は寒さに負けて外出するのを避けましたが、近くには雄琴温泉があります。比叡山に近く、ph値9.0の美肌温泉といわれています。全国でも珍しい日の出が楽しめる温泉なのです。日帰りで利用できる温泉や無料の足湯などもありますので、時間がある方は行ってみるのもオススメです。

素晴らしい景色を見ながら優雅に朝食

翌朝は早めに起床して、歩いて10秒の琵琶湖湖畔を散策しました。天気は晴れ。朝日を浴びながら、ゆっくりと散歩を楽しみました。その後は朝食です。ガラス張りのお食事処からは琵琶湖の絶景が堪能できます。和食をいただきながら、のんびりと癒しの時間を過ごしました。その間に宿のオーナーから素敵なプレゼントをいただきました。チェックインの際にジギーベイとリーティラの写真を撮っていただいたのですが、その写真を缶バッジしてくださったのです。思いがけないサプライズがとても嬉しかったです。

愛犬と一緒に行ける「滋賀県立陶芸の森」へ

チェックアウトを済ませ、さあ、出発です。滋賀県甲賀市にある滋賀県立陶芸の森に向かいました。途中、巨大なタヌキの置物が並んでいるのを見て、思わずクルマを停めました。それもそのはず、ここは信楽町にある「信楽陶苑 たぬき村」です。信楽焼でつくられた「信楽たぬき」は、昔から福を呼ぶ縁起物といわれていて、玄関先に置かれたり、新築祝い、開店祝いなどに贈られているそうです。さっそく、ジギーベイとリーティラと記念撮影しました。信楽焼を販売しているお店では、七福神を伴った招き猫が出迎えてくれました。「家内安全」「商売繁盛」です。

しばらくクルマを走らせると、目的の「滋賀県立陶芸の森」に到着しました。ここでも入口に「信楽たぬき」が。駐車場のクルマ止めにも犬を模した信楽焼が使われていました。クルマを降りて階段を登ると、大きな広場になっていました。天気もよく愛犬を連れて散歩をするには最高の場所です。建物内には犬と一緒に入ることはできませんが、屋外展示も数多く、ジギーベイとリーティラと一緒に楽しみました。帰り際に職員の方に声をかけられ、写真を撮っていただきました。その写真がなんとSNSにも!ジギーベイとリーティラも楽しそうです。

関西最大級のドッグラン「ドギーズパーク滋賀」へ

新名神の甲賀土山ICに程近い場所にあるドギーズパーク滋賀は、リゾート施設ダイヤモンド滋賀内にある5600m2の敷地を誇るドッグランです。小型犬、中・大型犬、アジリティと3つのエリアに分けられ、夏場には専用プールも使用できます。ドッグカフェや愛犬と一緒に泊まれるトレーラーハウスもあり、快適な空間でのんびりとリゾートライフを満喫できるのです。

ドッグランに向かうと受付であるドッグカフェが閉まっていました。「えっ? 今日はお休み?」とがっかりしていると、芝生を掃除していたおじさんが「ホテルのフロントで受付すれば使えるよ」と教えてくれました。急いでフロントへ行き、受付をしてもらいました。ここでは、必ず狂犬病予防注射と5種以上混合ワクチン接種の証明書(1年以内)の提示が必要になります。もし忘れてしまった場合には、帰宅後にFAXで送付。それをしない場合には次回に使用を断られる場合があるので、注意が必要です。

平日はどの犬種でも1100円、土・休日は小型犬1100円、中・大型犬1650円で、営業時間8:00~17:00まで使用することができます(アジリティは別途)。そのほか、施設維持管理協力金として、大人ひとり550円、4歳以上12歳未満ひとり330円が必要です。受付でパンフレットと施設利用遵守事項を受け取り、再びドッグランへ戻りました。

さあ、いよいよジギーベイとリーティラを開放です(笑)。なんと訪れた時間は私たちだけ。サッカー場のような広さのドッグランを縦横無尽に走り回ることを期待していましたが、ほとんど走らず、興味があるのは水の入っていないプール。まあ、しばらくそこで遊んで帰ることになりました(笑)。ここに来る前の「滋賀県立陶芸の森」でかなり長く散歩をしたので、もう疲れていたのかもしれません。とほほ……のドッグランでした。

1時間ほどしてドギーズパーク滋賀を出発しました。甲賀土山ICより高速道路に乗り、千葉の自宅へ向けてクルマを走らせます。帰りの車内ではジギーベイもリーティラも爆睡。今回も思い出がたくさんできた楽しい旅となりました。

まとめ

冬でしたので、琵琶湖に入って遊べませんでしたが、湖畔から望む素晴らしい景色を宿から10秒で堪能することができました。湖畔の散歩は、ジギーベイもリーティラもとても楽しそうで、来てよかったと実感しました。愛犬と一緒に過ごせて、冬ならではの「淡海地鶏鍋」もおいしくいただき、それでいてリーズナブル。とても満足できる宿でした。滋賀県には、愛犬と一緒に楽しめる場所がたくさんあります。山もあって、湖もあって、自然に囲まれてのんびりと過ごすことができます。ぜひ、みなさんも訪ねてみてください。