ペット保険とペット信託で万が一に備えよう
ペットには公的な保険制度がありません。そのため、ペットが病気になったとき、治療費は飼い主が100%自己負担することになります。病気の種類や進行具合にもよりますが、手術も含め高額な治療費がかかるケースも出てきます。
特に、シニア期を迎えたペットは病気やケガなどのリスクが高くなるので、その備えをしておくことが大切です。安心してシニア期を過ごすためにも、ペット保険の加入は大切な選択肢のひとつだと言えます。

ペット保険選びの基本
近年、急激に数が増えてきたペット保険ですが、会社により掛け金や保障内容はさまざまです。補償内容に対して定率(50%・70%・90%)で規定の限度額内で補償するのが定率補償タイプ、補償内容に対して補償限度額まで実際にかかった治療費を補償するのが定額補償タイプです。
また掛け金の形態は、加入時から掛け金が変わらない完全定額制と加入時の年齢によって掛け金が変わり、その後も年齢に応じて掛け金が上がってく変動制があります。どの保険に加入したらいいのか、選び方がわからない飼い主が多いことでしょう。ここでは、ペット保険の賢い選び方のポイントについてご紹介します。
加入したい年齢から考える
保険に加入したい年齢により、選ぶ保険が変わってきます。ペットが1歳未満の幼齢期に加入したいのか、病気やケガの心配が増えてきたシニア期なのか、それとも生涯を通して加入したいのか、加入したい年齢や期間によって、適したプランは異なります。
幼齢期は体調を崩しやすく、ちょっとしたことで悪化してしまいます。そのため、通院などが多くなり、場合によっては手術の可能性もあります。その場合には、通院と手術の補償回数が多いプランが望ましいです。限度額は保険会社により違いがありますので、比較しながらチェックする必要があります。
シニア期からの加入であれば、掛け金と補償内容、加入年齢との兼ね合いで加入するかどうかを判断するとよいでしょう。加入年齢によっては、掛け金が高額になるプランもあります。保険料を抑えたいのなら、年齢に左右されない完全定額制のプランを選ぶとよいでしょう。
ただ、年齢制限があり加入できない場合もありますので、思い立ったら早めに検討する必要があります。生涯を通して加入したい場合には、終身プランを選択するとよいでしょう。ただし、完全定額制プランなら安心ですが、終身も高齢になると掛け金が高額になる変動制プランも多いので、契約前に掛け金と補償内容についてしっかりと確認することが大切です。
通院・入院の年間限度日数と限度額をチェックする
定率補償タイプの保険は通院・入院の年間限度日数が決められています。それを超えると補償が受けられなくなってしまいます。
一般的には通院は20日、入院は30日あれば十分と言われていますが、ペットが病気やケガをしやすいと思うようなら、限度額まで回数制限なしという定額補償タイプの保険もありますので、そちらを選択するとよいでしょう。いずれにしても限度額が決められていますので、年間の限度日数とともに限度額をチェックすることが必要です。
保険料を抑えたいなら特化型を選択する
手術に特化した保険プランであれば、保険料をかなり抑えることができます。手術の治療費は高額になりますので、その備えがあるだけでも安心です。
第三者に対する損害補償のある保険を選択する
ペットが他人に噛み付いてケガをさせたり、他人の物を壊したり場合などに必要な保険です。飼い主は「うちの犬はおとなしいから噛み付かない」「うちの猫は引っ掻いたりしない」と主張しますが、それは絶対はありません。そのときの状況、ケガや破損の状態によっては裁判になることもあります。賠償金額が高額になることも想定し、「もしも」の事態に備え、損害補償のある保険を選ぶことをオススメします。
専門家に相談する
自分での検討に不安があるようなら、専門家に相談してみるとよいでしょう。無料で相談ができるサイトも増えています。検索で「ペットの保険 無料相談」と入力すると、さまざまな会社の無料相談サイトが表示されます。ぜひ活用してみましょう。

ペット信託を検討する
ペット信託とは、飼い主が自分のペットの生涯にわたる世話を、信頼できる第三者(受託者)に託すための法的な仕組みです。飼い主(委託者)は、自分の財産を信託財産として受託者に託し、受託者はその財産をペットの飼育・医療費などに利用します。
受託者としては、個人(親族・友人など)、信託銀行・信託会社、弁護士・行政書士、ペット信託に特化したサービス提供者などが挙げられます。個人に託す場合は、信託契約に基づいて適切に運用されるよう監督者(信託監督人)を設けることが推奨されます。
信託銀行・信託会社は、豊富な経験と専門知識に基づき、安全かつ確実に財産管理を行います。弁護士・行政書士は、信託契約の作成や法的アドバイス、契約執行のサポートを提供します。また、近年ではペット信託に特化したサービスも登場しており、ペットの飼育に関する様々なニーズに対応しています。
ペット信託のメリット
ペット信託は、飼い主が亡くなった後や、病気などで世話ができなくなった場合でも、ペットが適切な世話を受けることができるという点が最大のメリットです。飼い主は、信託契約によって、ペットの飼育方法や医療に関する希望などを具体的に定めることができます。これにより、飼い主の意思が確実に反映され、ペットは安心して生涯を過ごすことができます。
また、信託財産は、受託者によって適切に管理・運用され、ペットの世話以外の目的で使用されることはありません。これにより、財産の保護が図られ、ペットの福祉が守られます。さらに、信託契約の内容によっては、飼い主の生存中からペットの世話に必要な資金を確保し、段階的に移行できる仕組みを整えることも可能です。
ペット信託のデメリット
ペット信託のデメリットとしては、まず費用が挙げられます。信託契約の締結や受託者への報酬など、一定の費用がかかります。特に、信託銀行や信託会社に依頼する場合は、専門的なサービスを提供する分、報酬が高くなる傾向があります。
また、ペット信託は比較的新しい制度であり、専門的な知識や経験を持つ受託者はまだ限られています。そのため、複数の候補を比較検討し、慎重に選ぶ必要があります。さらに、信託契約の内容によっては、受託者の判断に一定の裁量が生じるため、契約時にどこまで詳細な条件を定めるかが重要になります。
ペット信託の注意点
ペット信託を利用する際には、いくつかの注意点があります。まず、信託契約の内容を慎重に検討する必要があります。ペットの世話に関する詳細な指示や、信託財産の管理・運用方法などを明確に定めることが重要です。また、信託契約には「後継受託者」の指定を検討することが推奨されます。これは、最初の受託者が辞退・死亡した場合に、スムーズに引き継げるようにするためです。
受託者の選定も非常に重要です。信頼できる受託者を選定するために、複数の候補者から比較検討することが望ましいです。さらに、ペット信託は専門的な知識が必要になるため、弁護士や信託銀行などの専門家への相談を強くおすすめします。専門家のアドバイスを受けることで、より安心してペット信託を利用することができます。
その他
ペット信託以外にも、遺言書によるペットの世話の委託や、ペットの里親探しなど、様々な方法があります。特に、遺言書のみでペットの世話を託す場合、確実に履行される保証がないため、ペット信託と組み合わせて利用することが推奨されます。ご自身の状況や希望に合わせて、最適な方法を選択することが重要です。また、ペット信託は比較的新しい制度であるため、最新の情報を常に確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。
「ペットの終活」連載一覧
第1回 ペットに終活は必要ですか?
第2回 もしもの事態に備えてホームドクターをつくる
第3回 ペット保険とペット信託で万が一に備えよう
第4回 ペトハピライフノートを作成する
第5回 写真・画像データを整理する/思い出を整理する
第6回 要介護状態になった場合を考える
第7回 ペットの供養スタイルを検討する
第8回 「ペット終活のすすめ」総まとめ



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