ヒョウ柄でワイルドだけど、じつは甘えん坊なベンガル

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “真の優良ブリーダー” です。
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猫種:ベンガル
猫舎名:Cattery Laulea(キャッテリーラウレア)
ブリーダー/動物取扱責任者名:新井章子
登録情報:栃木県動愛セ10販第019号(販売)
繁殖歴:7年
住所:栃木県鹿沼市茂呂
電話:090-1695-2835
メール:laulea28@bc9.jp
Webサイト:http://www.laulea-bengal.com/

栃木県・鹿沼市の鹿沼ICからすぐの場所にある「Cattery Laulea(キャッテリーラウレア)」。一般家庭の中での繁殖で、猫たちはそれぞれの部屋で自由に動き回り、のびのびと過ごしています。2005年にペットショップでベンガルに出会い、家族として迎えることになりました。そのブリーダーの勧めでキャットショーへ足を運ぶうちに、素晴らしい容姿のショータイプのベンガルに魅了されていきます。

その後、愛猫のベンガルを病気で亡くしたことをきっかけに、健康で魅力的なベンガルを作出したいと考えるようになります。そして、ショータイプのベンガルを迎え、キャットショーに出ながら、ベンガルについての勉強を始めていきます。ブリーダーになるためにはきちんとした知識と経験が必要だと考えたからです。数年後、「何よりも健康で、スタンダードに沿った中で、自分の好きな容姿のベンガルをつくりたい」という気持ちが強くなり、海外から離れた血統のベンガルを迎えます。ついにブリードへの道がスタートします。飼い主の気持ちに寄り添いながら、魅力あふれるベンガルの作出に力を注いでいます。

ベンガルの特徴と魅力

1970年代にカルフォルニア大学で猫白血病の研究のために、家猫とベンガルヤマネコの交配実験が行われました。そのときに産まれた子猫が現在のベンガルの基礎になったと言われています。野生の血を引いているので、容姿はワイルド。目のマスカララインや、幅広の長くまっすぐな鼻のラインは野生の血を引く象徴です。筋肉質でがっちりした骨格、太くしっかりとした四肢、身体能力が素晴らしく高い猫種です。美しいスポット模様や独特のマーブル模様の被毛は多くの飼い主を魅了しています。

「ベンガルはがっちりとした筋肉をどれだけ持っているかで、その魅力が決まると思っています。雄も雌も関係なく、筋肉質で骨格が強固、それがベンガルの理想です。また、鼻のライン、顎、耳にも強いこだわりを持っています」と新井ブリーダー。海外から輸入する際にも、そのポイントは譲れない部分だと話します。海外のベンガルには美しい模様を持つ個体が多く、注目される被毛は親から引き継ぐことが多いため、自然に美しい模様の子猫が産まれてくるそうです。

「ベンガルはとてもおしゃべりです。猫の鳴き声ではなく、ほかの動物に似た鳴き声をする子もいます。とても人懐っこく、賢い子が多いですね」というとおり、初対面でも動じることなく、そばに寄ってきて甘える仕草を見せてくれます。また、その鳴き声は犬や羊のようで、思わず笑ってしまうほど。愛情をかけて育てられていることがよくわかります。よりスタンダードに近い猫を目指し、あくまでも外産の遠い血統にこだわりながら、ベンガルの「種の保存」を実践しています。向上心をもった、とても熱意あるブリーダーです。

飼育環境

自宅兼猫舎は静かな環境の住宅地にあります。近くには畑も広がりのんびりした雰囲気です。1Fのリビングはシニア猫のスペースで、2Fには成猫の部屋と子育て部屋があります。それぞれの年齢の猫たちがストレスを感じることのないように、うまく空間を確保している猫舎です。吹き抜けのある1F のリビングは薪ストーブが設置され、寒い季節には室内全体が暖かく保たれます。薪ストーブは下から空気を吸い上げて薪を燃やすので、ホコリや抜け毛も吸い込んでくれます。各部屋にはエアコンも完備されているので、暑い季節にも快適な温度に設定されます。

エアコン周辺も危険がないように格子状のフェンスでガードされています。各部屋の壁は漆喰で施工され、VOC(揮発性有機化合物)の吸着分解、湿度調節、脱臭、カビ防止、耐インフルエンザ性、防音などの効果が期待できます。また、床はフローリングで猫の足にもやさしい素材を選んでいます。トイレの砂には薪ストーブ用に加工されたウッドチップが代替使用されていて、室内には木の香りが広がっています。防臭・芳香の両方の効果があるそうで、嫌なニオイはありません。ケージも設置されていますが、用途に合わせて使用しています。2Fの各部屋にはラジオが流れていて、人の声や音になれるよう工夫がなされています。猫の生活を十分に考えた、とても安心できる飼育環境です。

※VOC(揮発性有機化合物)とは塗料、印刷インキ、接着剤、洗浄剤、ガソリン、シンナーなどに含まれる有機化合物質の総称で、具体例ではトルエン、ベンゼン、フロン類などがあります。放出されると公害や健康被害がでる可能性があります。

ブリードの考え方

「わが家では健康面を考えて、血統書上に同じ名前がない、血統が離れたアウトブリードでの繁殖をしています。それは、大きな個体をつくるため、健康な強い個体をつくるためには必要な要素だと考えています」と新井ブリーダー。出産時に死亡する確率が低く、産まれる子猫も大きく、成長過程でも病気になる子が少ないと言います。

親猫がどれだけ健康であるかで、子猫の健康が決まると考え、母猫は1年に1回程度の出産で、体重や体調が戻ったことを確認してから次の交配をしています。ストレスは病気の原因になるので、健康はもちろん、環境も重要視しているそうです。「飼い主に悲しい思いをさせたくないので、病院にかかることのない子猫を作出するのが目標です」と話すとおり、何よりも健康第一。そのうえで、よりスタンダードに近いベンガルの作出を目指しています。

遺伝的疾患についての対応

「ベンガルは遺伝的疾患の少ない猫種と言われています。これまで問題が出ていませんので、特に遺伝子等の検査はしていません。わが家は海外から輸入した猫同士で繁殖をしています。海外は日本よりも検査技術が進んでいて、日本ではできない検査も可能です。そのうえで、問題のない血統を持った猫を海外から迎えて、なおかつ遺伝的疾患を継承しないよう、離れた血統での繁殖をしています」と新井ブリーダー。遺伝的疾患を持つ子猫が出たことはないそうですが、毎年のワクチン接種時には、血液検査を含めた健康診断を受けて万全な状態を保っています。そして、日々最新の情報を入手し、知識の向上に努めています。

※海外から猫を輸入する場合、狂犬病発症国であるかどうかで検疫が厳しくなります。発症国である場合は、ワクチン接種をしたのちに、マイクロチップ装着、狂犬病ワクチン接種、血清検査などを行い、6カ月の待機期間を経て、ようやく日本への輸入許可がおります。その結果、1歳近くならないと日本には輸入ができないのです。その間に必要な遺伝子検査も行われるので、遺伝子疾患に対しての予防は日本よりも万全だそうです。

引き渡しまでの生活環境

出産の1カ月くらい前になると、母猫は2Fの子育て部屋に移動します。母猫はその部屋に設置されたケージの中で出産をします。生後1カ月ほどで子猫は離乳し、自分でトイレができるようになると、ケージから出て遊ぶようになります。生後2カ月で1回目のワクチン接種。ワクチンが落ち着いたころ、子育て部屋のドアを開け、階段を降りて1F のリビングに降りて行けるようにしています。

ここで、度胸のある子猫とそうでない子猫との判断ができるそうです。子猫たちは、毎日少しずつ行動範囲を広げていきます。その後、生後3カ月の時期まで、新井ブリーダーと親猫の愛情を受けながら兄弟姉妹と過ごします。ほかの猫たちともリビングで対面します。子猫は多くの猫と接することで、社会性を学んでいきます。そうした環境の中、子猫たちはすくすくと育ち、新しい飼い主のもとへ巣立っていきます。

※子育て部屋では母猫と子猫だけで過ごさせるために、他の猫と出産は重ならないようにしています。ストレスの軽減を考えています。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

特にベンガルの雄は被毛に油が出やすいのですが、去勢後のお手入れは楽になります。汚れたときに濡れたタオルで拭く程度で、無理にシャンプーをする必要はありません。季節の変わり目は毛が抜けるので、ブラッシングしてあげるとよいそうです。飼い主へのアフターフォローはいつでもお気軽にということで、飼い主は安心して子猫を迎えることができます。

猫舎トピックス

繁殖の頻度はそれほど多くありません。常時子猫が産まれているわけではありませんが、興味のある方はお問い合わせください。子猫がいない時期でも見学は大歓迎とのことです。親猫や飼育環境などすべてを見学できるのは、自信をもったブリード、飼育環境である証といえます。