「愛犬トラベラーのHappy紀行」Vol.4

滋賀マキノ高原で愛犬とスノーシューを初体験

[2018/03/09 6:01 am | ペットジャーナリスト 阪根美果]

みなさんはスノーシューをご存じですか? これは雪の上を楽に歩くために考えられた雪上歩行具のことです。靴だけで雪上を歩くと、ズボッと雪に埋もれてしまい、かなり歩き難いという経験をした人もいると思います。それを解消し、歩きやすく考えられたのがスノーシューです。

スノーシュー

日本では古くから「かんじき」が同じ用途で使われていますが、スノーシューはその西洋版です。雪に接する面積が広くつくられているため浮力が高く、登山などで雪をかき分けて進むラッセル能力が高いといわれています。

スノーシューで歩くエリアは基本的に初心者向けのトレッキングコースです。特別な技術は必要ないので、誰でもすぐに楽しむことができます。近年ではこのスノーシューを履いて雪上を歩き、冬の大自然を楽しむツアーが各地で催されるようになりました。とても人気の高いアクティビティなのです。

今回は滋賀県のマキノ高原でスノーシューを愛犬とともに楽しめる「スノーシュー入門パート1 inマキノ高原セラピーロード」を愛犬トラベラーの吉田夫妻とラブラドールレトリーバーの「もゆ」ちゃんが体験しました。

「もゆ」ちゃんは初の雪山

どんな用意が必要なの? 楽しめるの?

マキノ高原は、滋賀県高島市にある「高島市マキノ高原自然体験交流施設」です。自然の中にキャンプ場、スキー場、グラウンド・ゴルフ場・温泉施設が設置されています。スキー場があるくらいなので、冬場は雪が多い地域なのです。ですから、寒さ対策は必須です。

また、山の天気は変わりやすいので、悪天候に備えた準備も考えておくとよいでしょう。基本的には山登りに行く道具が揃っていれば、それを併用できます。スノーシューなど必要な道具のレンタルなどもあるので、気軽に参加することができます。

【飼い主の用意】
・登山靴:ハイカットで防水性の高いもの(皮やゴアテックスなど)
・ザック:15L~30Lの大きさ
・アウター:防水性の高いもの(レインウエアでも可)
・パンツ:防水性の高いもの
・中間着:保温性があるもの(フリースやウールなど)
・下着上下:保温、速乾性のあるもの
・帽子:ワッチキャップ、ビーにタイプ(ニット帽など)
・手袋:防水性・保温性の高いもの(予備も必要)
・防寒着 :ダウンなど
・スパッツ:必ず準備が必要(雪、砂、雨の侵入を防いでくれる)
・靴下:ウールや化繊(予備も必要)
・サングラス:日焼けや雪目対策(ゴーグルでも可)
・ヘッドランプ:あわせて要予備電池も
・飲食:嗜好品も含め個人の好みでOK(食べやすいものがよい)
・タオル
・ビニール袋:濡れたものを入れるのに便利
・カメラ

【愛犬の用意】
・防寒着:レインウエアなど(ウェットスーツ素材などがオススメ)
・ブーツ:必要であれば
・おやつ
・飲み水
・タオル
・うんち袋

スノーシューの楽しさは、誰も歩いていない真っ白な雪の上を歩くことにあります。ふかふかの新雪の上を歩く感覚はとても新鮮で、歩くたびに舞い上がるパウダースノーは、雪山でしか見ることができない美しい光景です。また、違う季節では歩くことができない場所も雪が積もれば行くこともできます。そこに動物たちの足跡を見て、その気配を感じることもできるのです。雪山でしか感じることのできない大自然をおおいに堪能できます。そして、今回は愛犬「もゆ」も一緒です。「犬は喜び、庭駆け回り~♪」の曲のように「もゆ」にとっても楽しい体験になりました。

新雪に大喜びの「もゆ」ちゃん

雪不足・悪天候なんてこともある

電車での参加者は9:30にJRマキノ駅前に集合ですが、私たちはクルマでしたので10時にマキノ高原に集合しました。今回は、参加者は5名に犬2頭、そしてガイド2名でのスノーシュー体験です。「もゆ」の兄弟犬「だんご」くんと飼い主のYさんも参加しました。マキノ高原を散策予定でしたが、残念ながら雪不足。急遽予定を変更して、より山手に移動した場所での散策になりました。集合後は簡単な自己紹介をして参加者の交流を深めます。その後、スノーシューの装着の仕方の説明を受け、さっそく散策スタートです。

「だんご」くんと再会して大喜び
2頭とも大はしゃぎ

林道を歩きながら、スノーシューでの歩き方、坂での上がり方や下がり方のレクチャーを受けます。ちょっと難しい……。そんな姿を見ながら、「もゆ」と「だんご」くんは大喜び。ふだんとは違う環境と飼い主を見て、とても楽しそうです(笑)。参加者全員がそこそこ慣れてきたところで、山歩きを始めることになりました。すると雨が降ってきました。ついてない……。まあ、これもアウトドアならではのことです。大自然を感じようということで納得しました。

飼い主は初めてのスノーシューに悪戦苦闘
少し慣れてきたところで山歩きがスタート

犬たちも自由に雪歩きを体験できる

山歩きを始めたころには「もゆ」と「だんご」くんも落ち着いて来たので、リードを外して自由に雪歩きを体験しました。私たちに合わせて歩いたり、少し先に行って安全を確認したり(笑)、気になるものがあると立ち止まってみたりと、とても楽しんでいるようです。スノーシューを履いていないのに犬たちは軽快に歩いていました。
※大自然の雪山でリードフリーにするには、愛犬の呼び戻しができることが必要です

リードフリーで自由に雪山歩きを満喫

手づくりテーブル&椅子であったかお鍋をいただく

1時間ほど山歩きをしたところで、楽しみにしていたランチタイムです。ガイドさんがスコップを取り出して、雪を掘り起こしたりしながら何かをつくり始めました。雪を掘って、積み上げて、叩く。雪を掘って、積み上げて、叩く。しばらくするとステキな雪のテーブルと椅子が完成しました。

即席の雪のテーブルで鍋づくりがスタート
2頭ともおいしそうな香りにつられています(笑)

そして、そこでなんとお鍋をつくってくれたのです。「もゆ」と「だんご」くんは目の前を陣取って、お座りしながらガン見です(笑)。そんなふうにしていても食べれないのになあ。できあがったお鍋を私たちはいただきましたが、これは体が温まって、本当においしかったです。昼食の最中には霰が降ってきてしまったのですが、食後のコーヒーでほっこりした気分になれました。これもスノーシューの楽しみだと感じました。天気がよければ、ここから琵琶湖が望めるそうですが、今回は残念でした。

みんなでおいしいお鍋をいただきました

下山後は温泉を楽しむ

昼食を食べたあとは、山を下ります。登りよりも楽に歩くことができました。私たちはクルマでなので、そこで解散です。そのまま「マキノ高原温泉さらさ」という温泉施設に立ち寄り、温泉を楽しみました。スノーシューを終えてすぐに温泉に入れるのはとても嬉しいです。心も体も癒されました。

まとめ

スノーシューをした日の予報は晴れだったのですが、実際には雨と霰が降りました。条件的にはよくありませんでしたが、そんな状況のなかでも「もゆ」と「だんご」くんは、とても楽しんでいました。そんな姿を見ながら、私たちも楽しく過ごすことができました。でも、次回はふかふかの新雪で、よいお天気のなかでスノーシューを楽しみ、琵琶湖を望む絶景を見てみたいと思います。スノーシューは全国各地で企画されています。まだまだ、雪がたくさんある場所がありますので、みなさんもぜひ愛犬と体験してみてはいかがでしょうか。

またスノーシューを楽しみたいと思います

【愛犬と雪遊びをするときの注意点】
 雪遊びのときによく聞くトラブルは、気がつかないうちに肉球をケガしていたということです。雪の下に隠れた枝木や氷の破片などで切ってしまうことがあります。また、肉球の間の毛に雪玉ができてしまい、歩きにくかったり、痛みを感じる場合もあります。
 これらを防ぐのに有効なのが、靴や靴下を履かせること。しかし、いきなり履かせても嫌がることがあるので、日ごろから慣らしておく必要があります。また、雪玉は毛で覆われているところにはどこでもできてしまうので、長毛種の場合は防水・撥水素材のカバースーツやレインウエアを着せることをオススメします。寒い地域を原産とする犬は寒さに強く雪が付きにくいとされていますが、暖かい地域原産の犬は寒さに弱いので、寒さ対策も万全にすることが大切です。シニア犬などは体力を把握して、決して無理のないようにしてあげましょう。

[ペットジャーナリスト 阪根美果]