本連載でもたまにお目にかけている画像生成AIサービス「Midjourney(ミッドジャーニー)」。アーティスティックな生成で人気のサービスです。猫なんかもリアルに描き出します。
このMidjourneyが一気に身近になりました。というのは、誰でもWebアプリ版Midjourneyが使えるようになったからです。
以前は、ある条件をクリアした正規会員でないとWebアプリ版Midjourneyを使えませんでした(テスト運用期間だったため)。なので多くのユーザーが、チャットサービスDiscord経由でMidjourneyを使うという、かなり特殊で面倒な使い方を強いられてきました。
でも現在は、非常に扱いやすいWebアプリ版Midjourneyを、誰もが利用できるようになりました。ただし無料サービスは行っておらず、画像を生成したい場合は有料会員になる必要があります。
Midjourneyの使用料金は4プラン。月払いだと1カ月10ドルから、年払いだと1カ月8ドル(20%オフ)から使えます。十分な枚数の画像をスピーディーに生成したい場合、月額30/24ドルのプランがオススメです。そのプラン以上なら、生成した画像を商利用することもできます。
以下、スクリーンショットでMidjourneyのザックリした使い方をごらんに入れたいと思います。
Webブラウザで「Midjourney」にアクセスすると、こんな表示になります。下に並ぶ4つのボタンのどれかをクリックします。「Documentation」はMidjourneyの説明書、「Explore」ではMidjourneyユーザーが生成した画像を閲覧できます。正規ユーザーになりたい場合は「SignUp」を、既にユーザーである場合は「Log In」をクリックします
「SignUp」をクリックすると会員登録ができます。登録はGoogleアカウントもしくはDiscordアカウントがあれば可能です
会員登録して正規会員となっても、利用料金を支払わないと画像生成はできません。閲覧はできます
利用料金は月額10/8ドルから。毎月払いだと10ドルからで、1年分まとめて払うと20%割り引きの8ドルから、という料金体系です。趣味や個人的な作品すくり、仕事に少し役立てたいという感じなら、月額30/24ドルからのプランがオススメです。もっとも安い10/8ドルのプランだと、生成物を商利用できず、生成スピードも遅いです。プランはいつでも変更できますので、まずは月額10/8ドルのプランで試してみるのもいいですね。プランを変えると、まだ生成していない枚数・時間分の料金を日割りで計算してくれて、その分が新たなプランから値引きされます
Webアプリ版Midjourneyの表示例。左の「Create」タブを選び、上のプロンプト入力ボックスに「生成したい画像を説明した英文のテキスト」を書き込み、キーボードのリターンキーを押せば生成が始まります。英文プロンプトは、翻訳AIの「DeepL」を使ったり、ChatGPTに説明して英文を生成するといいと思います。プロンプトは「見たいもの/生成させたいもの」を短くハッキリと書くのが肝心。たとえば「猫が砂浜にいて遠くに海が見えていて入道雲が浮かんでいる」よりも「猫、砂浜、海、雲、夏、写真のような描写」などとしたほうが希望に近い画像が生成されることが多いと感じます
プロンプト入力ボックスの右に見えるアイコンをクリックすると、Midjourneyの基本的な機能を「クリックだけで設定」していけます。以前はこういった設定のほとんどで英単語コマンドなどの入力が必要でした。しかもチャットサービスDiscord経由で。なので以前は、Discordの使い方をある程度覚えたうえで、Midjourneyに与える英単語コマンドを覚えて、ようやく使い始められたというイメージ。それと比べるとこのWebアプリ版Midjourneyは驚くほど容易で使いやすくなりました。生成した画像の管理やダウンロード、検索なども非常に手軽に行えます。ただし現在は英語ベースのサービス。これが日本語へとローカライズされたら嬉しいのですが……
Midjourneyは画像生成AIとして非常に高機能です。Webアプリ版Midjourneyでは生成後の画像の外側に新たな画像を描き足すアウトペイントや、生成後の画像の一部を再生成するインペイントも簡単に使えます。また、Midjourneyに参照させる画像をアップロードして、その画像に近いイメージの新たな画像を生成することもできます。たとえば自分の顔をアップロードして、それをイラストっぽく描き直させることができます。ちょっとおもしろいところでは、2枚以上の画像をアップロードして、プロンプト無しもしくは簡単なプロンプトで「画像の合成」をさせるという機能です。たとえば猫の写真と砂浜のイラストをアップロードして、簡単なプロンプトでそれを合成させると……
プロンプトやアップロードした画像は、赤枠のところに表示されます。この状態でキーボードのリターンキーを押すと生成開始です
1度の生成で4枚の画像が得られます。プロンプトを少し変えていったら、4度目の生成で希望のものができました
猫の毛色が変わったりしますが、これをあまり変わらないように設定することもできます
なかなかリアル。設定で生成AIモデルとしてMidjourneyのマンガ・アニメ版こと「niji・journey」を選ぶと、マンガ・アニメ風のイラストが生成されます
猫が砂浜に穴を掘ってそこに入っている? いろいろなパターンを生成してくれます
こちらは設定で生成AIモデルとして「niji・journey」を選んで、やはり猫と砂浜を合成させたものです。マンガ・アニメ風のイラストを描かせる場合、Midjourney(のniji・journeyでは)いわゆる「萌えアニメ画像」を積極的に生成することはなく、どちらかというとシリアスでアーティスティックな「アニメ背景画」のようなものが多いです。もちろん、プロンプトにより「萌えアニメ画像」のような生成もできます
といった感じで使えるWebアプリ版Midjourney。最近では英単語を画像内に入れることもできるようになりましたので、雑誌の表紙やポスターといったイメージもつくることができます。そんな画像とお気に入りの写真を合成して……といった使い方も可能。
数年前はある程度以上の技術と知識と慣れが必要だったデザインワークなどを、「こういう絵をつくりたい」という好奇心レベルでも容易に作ることができるようになりました。興味があればぜひお試しください……月額料金がかかりますが。
[スタパ齋藤]