スタパ齋藤の猫がたり Vol.214

猫の言葉を理解できたら……と考えながらも猫の気持ちを知ろうとするのが幸せなのかも

[2024/08/14 6:01 am | スタパ齋藤]

猫は状態・状況に応じていろいろな鳴き方をしますよね。威嚇したり怒ったりしたときに鳴いているのは「あぁ相手を威嚇したんだな」「怒ったんだな」とわかります。

ただ、人間に対して穏やめの声で「ニャー」と鳴くときの意図がわからない。こちらの顔を見て優しい声量で「ニャー」。なにを伝えたいんだろう? と。

猫によっては、おもちゃをくわえてきて人間の前にポトリと落として「ニャー」ということがあります。「あぁコレで遊びたいんだな」とわかります(が違うかもしれなくて「おまえに獲物を与えよう」だったのかもしれませんけど)。

 

一方で目が合ったときとかに「ニャー」とだけ鳴かれると、「???」ってなります。

 

そして、猫はなにを伝えたいんだろう? と思うわけですが、そう思うので鳴いた理由を探り始めます。猫の目を見て、尻尾の動きを見て、ヒゲも見て、耳の向きなんかも見て……触ったりもして。「ニャー」で始まったかもしれないコミュニケーションの行き先を、がんばって探す人間。

 

人間同士なら言葉もあるし身振り手振りもあるので、そういう努力は不要で理解できます。同じ文化や思想を共有していたりすると、目配せだけで理解できたりする。

 

猫の場合はそれとは正反対。ぜーんぜんわからない。「ニャー」と言われてごはんをあげたら食べたので、「このニャーはお腹が空いたってこと……なのかもしれないけど、違うかもしれない。ホントのところはわからない」とかいつも思ってしまいます。

 

猫の声以外にも、猫が人間の手などに触れるような動作なども。「いま手タッチは……愛情表現? 遊びたいの? たまたま? ニオイ付け? ぜんぜんわからない」みたいなことが多い。人間どうしだとそういうことはまずない。

 

とくに猫好きの人はそうだと思いますが、猫がわからなさすぎるので、どんどん猫に接していきますよね。猫のことばーっかり気にしちゃう。

 

そうして脳のリソースをどんどん猫に対して使っていく。そして次第に頭のなかが猫だらけになってしまう。猫大好き人間のできあがり。猫の思う壺かもしれません。

 

猫が言葉をしゃべったら楽しし便利だしいろいろ好都合かもしれませんが、猫に対する愛情が大きく変化するかもしれませんよね。もーしかしたら、このまま猫のことあんまりわかんない状態が続いて、「いまのニャーはなんだったんだろう?」と探り始めるいつもが続いたほうが、双方にとって幸せかもしれません。

あっ猫!
「ニャー」。えっ? その「ニャー」なに?
クルマの下に猫発見!
近づいてみよう……
あ、逃げない
「ニャー」。え〜? どういう意味〜?
こちらは一時期筆者宅で預かっていた猫。よく鳴く猫でした
こっち見て「ニャー」。室内飼いの猫の「ニャー」のほうがわからないような気がしますが、それも含めて全然わかりません
「ニャー」と鳴いて仕事机に上がって箱座りしたり
仕事中はめったに「ニャー」とはいいませんでした
「ニャー」と鳴いて仕事の邪魔をすることはなかったと記憶していますが、こういうふうな邪魔の仕方は頻繁でした。「わたしを見なさい」という無言の圧でしょうか?
こういうかわいい邪魔も。あー猫っておもしろい
[スタパ齋藤]