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ヒトも犬も皮膚ボロボロ菌である黄色ブドウ球菌を減らすために皮膚pHを下げろ!

[2022/03/22 6:01 am | 獣医学博士 川野浩志]

まず初めに知っておいてほしいことは、以下の3つの事実。

▶アトピーのヒトの皮膚には皮膚ボロボロ菌である黄色ブドウ球菌がたくさん存在している
▶アトピーの赤ちゃんの皮膚が悪化したときには、皮膚ボロボロ菌の黄色ブドウ球菌の割合がドカンと増える
▶アトピーのヒトの皮膚pHは健康な人よりも高くて、皮膚炎の悪化につれてグングン上昇し皮膚ボロボロ菌の黄色ブドウ球菌の数も増加する

一般的に、ヒトのpH(水素イオン濃度)は正常であれば弱酸性(4.5~6.5)であり、このバランスが乱れてくると肌がカサカサしたり、ザラついたり、くすんだり、ニキビや吹き出物が出やすくなります。

では、どうしたらいいのか? 皮膚表面を酸性に保つことによって二次感染を防止している「アシッドマントル理論」があって、皮膚pHが下がると細菌の増殖速度が下がる法則なのです。

さらに、エモリエント(保湿)を使うと、なんと皮膚ボロボロ菌が減るという衝撃的な論文もあります。つまり、エモリエントはバリア機能改善と皮膚ボロボロ菌をはじめとする皮膚細菌の改善の両方のメリットがあるのです。

以上をまとめると、民間人の居住地を無差別に爆撃するような抗菌剤の使用ではなく、皮膚細菌を標的とした静菌的な治療戦略が必要だということです。また、エモリエントは皮膚バリア機能改善とマイクロバイオームに同時にアプローチできるため、特にアトピー性皮膚炎の犬に対する意義は大きいことになります。

どうやら皮膚pHは、できるだけ酸性に傾けるスキンケアが必要だということになります。ちなみに、私が関わっている水素イオンが配合された水素クリームは臨床現場でも美意識高い系の30~60代の飼い主さんからの評価が高く、まるで若い女子高生たちにおけるKing & PrinceやBTSのような存在になりつつあります。ご興味ある方は、こちらからどうぞ。

[獣医学博士 川野浩志]