犬との暮らしで知っておきたいこと Vol.133

【犬飼いTIPS】梅雨を彩る紫陽花(あじさい)は犬には有害ってホント!?

[2023/06/05 6:01 am | 編集部]

日本では梅雨の時期に入りました。湿度が高く、曇りや雨の日が続くことで気分が落ち込んだり、活動量が減少することもあるかもしれません。

そんな憂鬱な気分を癒し、穏やかな気持ちを与えてくれるのが、“雨花”である紫陽花(あじさい)ではないでしょうか。庭や散歩コースに紫陽花を目にすることもあるかと思います。

紫陽花は犬にとって問題のない植物なのでしょうか。それとも有害なのでしょうか。今回は紫陽花についてのお話です。

紫陽花とは

紫陽花は、日本固有の花です。古来から親しまれ、和歌や俳句、絵画などの題材として愛されてきました。花言葉は「移り気」「冷淡」などさまざまな意味がありますが、それもまたその美しさと繊細さを表しているといえます。

土壌の㏗値が花の色に影響を与え、赤、ピンク、紫、青、白とさまざまな色の花を咲かせることが特徴です。花弁についた雨の滴が光を反射し輝きを添える光景は、まるで絵画のような幻想的で豪華な姿を見せてくれます。

一般に花といわれている部分は葉が変形した萼(がく)で、花びらに見えている部分は萼片(がくへん)と呼ばれています。花は花房の中心にある小さい粒のようなもので、咲いたり咲かなかったりします。

紫陽花は犬にとって有毒?

この美しい低木の何が犬にとって有毒なのでしょうか。実は紫陽花は、すべての部分(花、葉、茎)に毒があり、どの部分を噛んだとしても犬にとっては問題なのです。

紫陽花には、リンゴ、桃、アプリコット、プラム、サクランボの種に含まれるものと同様の青酸配糖体(シアン配糖体)が含まれています。

ただ、非常に多量の青酸配糖体を摂取しない限り犬が中毒を起こすことはありません。つまり、仮に愛犬が紫陽花を食べてしまったとしても、大量でない限り問題はないということになります。

紫陽花中毒の症状と徴候

アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)の「ペットの毒物トップ10」には、つねに植物がランクインしているように、愛犬が紫陽花を食べた場合、どのような中毒症状を示すかを知っておくことは重要です。

紫陽花の中毒に関していえば、もっとも典型的な症状は胃腸に表れます。嘔吐や下痢が一般的な症状です。もし、本当にシアン化合物中毒になった場合には、意識消失や痙攣発作、低血圧に心拍異常、呼吸困難、チアノーゼなどの症状が現れます。また、焦げたアーモンド臭がすることもあります。

もし紫陽花を食べてしまったら

愛犬が紫陽花を食べてしまっても、慌てることはありません。食べた量によって見られる反応は変わります。

少ししか食べていないのであれば、消化器系のストレス(嘔吐、下痢、食欲不振、過度なよだれ、嗜眠など)がないか、自宅で経過観察しましょう。

むしゃむしゃと多量に食べてしまったのであれば、速やかに獣医師の診察を受けるようにしましょう。

犬に安全な植物

庭がある家庭ならガーデニングを楽しむ人も多いと思います。犬がいるからといって、紫陽花を撤去する必要はありません。ただ、愛犬が好んで紫陽花を噛じるようなら避けるほうがよいかもしれません。

もし、愛犬が植物のニオイを嗅いだり、食べたりするのが好きな場合は、安全な植物だけを植えることを検討してみてください。

 ・薔薇(棘には要注意!)
 ・ローズマリー
 ・モックオレンジ
 ・ブラシノキ
 ・マグノリア(モクレン)
 ・サンザシ(ブラックホーソン)
 ・マリーゴールド


まとめ

犬にとって有毒な植物は、紫陽花だけではありません。散歩に行くとき、アウトドアを楽しむときには犬にとって有害な植物には注意しましょう。

また、犬にとって安全な植物、低木、樹木はたくさんあります。庭があるご家庭では、ぜひ犬にとって安全なガーデニングを楽しんでください。

[編集部]