犬との暮らしで知っておきたいこと Vol.70

【犬飼いTIPS】愛犬を膝に乗せての運転は危険です!

[2022/02/04 6:01 am | 編集部]

犬を飼っている人のなかには、愛犬と共にドライブを楽しむ人も多いことでしょう。しかし、安全を考えた乗せ方をしないと交通違反や事故を起こしてしまうことがあります。今回は愛犬との安全なドライブのお話です。

道路交通法に抵触することもある

愛犬を膝の上に乗せて運転をする行為は「乗車積載方法違反」になります。違反した場合は、6000~7000円の反則金と違反点数1点が加算されます。道路交通法第55条では、「車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは掲載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない」としていて、ペットを膝に乗せ運転する行為は、これに違反したことになるのです。

ペットによって運転者の視野が遮られてしまうこと、ペットが動くことによりハンドル操作が妨げられたり、誤ったりする可能性があります。そうなれば交通事故を起こしたり、最悪の場合は人の命を奪う犯罪者になってしまうこともあるのです。

また、助手席や後部座席の窓からペットが顔を出しているのを、見かけたことがある人もいるのではないでしょうか? じつはこの行為も違反となります。道路交通法第70条には「車両等の運転者は、当該車両のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」とあります。

ペットの顔が歩道等を通る人や対向車両の邪魔になったり、ぶつかってしまう可能性も大いにあるのです。違反した場合には反則金9000円と違反点数2点が加算されます。もし、反則金を払わなかった場合には、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる刑事罰の対象となってしまいます。

道路交通法違反で逮捕されたペットが関わる実例

2012年3月、山口県周南市にある県道で、トイ・プードルを膝に乗せて運転していた男性が現行犯逮捕されました。付近をパトロールしていた警察官が停車指示を出したにも関わらず逃走したため、道路交通法違反で逮捕にいたりました。また、2020年5月、北海道札幌市の市中で、運転席側の窓から顔を出している犬をパトロール中の警察官が発見。停車指示を出したものの、逃走しようとしたため逮捕されました。

「うちの子は賢いから大丈夫」と安易に考え、愛犬を膝の上に乗せたり、助手席に座らせて運転をする人も多いことでしょう。また、後部座席でペットの顔が出るくらい窓を開けて運転をする人もいるでしょう。しかし、たとえしつけがきちんとされているとしても愛犬も生き物ですから、突然に飼い主が思いもしない行動をする可能性があります。道路交通法違反はもちろん、ペットの安全面を考慮したうえでも、そのような行為は避けることが大切です。

ペットの安全に配慮した乗車方法とは?

楽しいドライブをするために、愛犬をクルマに乗せる際の安全な方法を紹介します。

【クレートを使用する】
安全に配慮したもっとも一般的な方法はクレートを使用することです。体のサイズに合うクレートで、ハードタイプがオススメです。固い素材で足元が安定するので、犬にとっても安心感があります。シートベルトに固定できるタイプも市販されています。走行中はクレートが動かないようにしっかりと固定しましょう。万が一事故にあっても、犬だけ外に放り出されることはありません。

【クルマ用ぺットキャリーバッグを使用する】
愛犬を助手席に乗せたい場合には、座席に固定ができるクルマ用ペットキャリーバッグがオススメです。全面や側面がメッシュ素材でできているものが多いので、愛犬の様子を観察しながら安全に走行できます。自動車会社が独自に展開しているものもあり、シートベルト付きで、エアバッグが作動しても圧迫されない形状になっているなど、より安全に使用できます。

【ペットシートやペット用シートベルトを使用する】
大型犬の場合には、体のサイズに合わせたクレートだと、クルマに載せることが難しい場合があります。その場合には、後部座席に装着できるペットシートを使用すると良いでしょう。愛犬が動き回り危険がある場合には、ペット用シートベルトを使用することをオススメします。


クレートやシートベルトなどを使用し、ペットを車内で安全に過ごさせるとともに、ドアや窓のロックを徹底しておく必要があります。愛犬の前足がスイッチに触れてしまい、窓が開いてしまう可能性もあるので注意が必要です。また、愛犬を乗せているときには、飼い主も操作を間違えないようにしましょう。

クレートやキャリーバックのなかは、思っているよりも温度が上昇します。特に夏場は日射病・熱射病に対する注意が必要です。ドライブ中は1~2時間に1回は休憩し、愛犬の状態を確認するようにしましょう。休憩の際には、水分補給も欠かさずにしてあげることが大切です。

まとめ

愛犬は自分自身で身を守ることができません。愛犬の乗せ方によっては、万が一の事故の際に真っ先に命を落とすことになりかねません。家族の一員である愛犬を守るためにも、そして、ドライブを楽しい思い出にするためにも、安全に配慮した乗せ方をするように心がけましょう。

[編集部]